LINEを使っていると、「知合いかも?」と勝手に「友だち追加」されてしまうことがあります。
今回は、「LINEで勝手に友だち登録されてしまう」という理由を「サーバ」という仕組みから説明します。
1. LINEの「友だち自動追加」を確認する
まずは、自分のLINEアプリが自動的に友だちを追加する設定になっているか確認する方法を見てみましょう。
LINEの「友だち自動追加」の設定は「友だち追加」画面で確認する
「友だち追加」画面を表示するには、LINEアプリの「ホーム」の上部にある「友だち追加」ボタンをタップします。
「友だち追加」画面には「友だち自動追加」の項目があり、「オン」か「許可する」になっています。
1-1. LINEの友だち自動追加をオフにする
友だち自動追加を無効にしたい場合は、「設定を変更」をタップします。
「友だち」の設定画面になるので、「友だち自動追加」のチェックを外してください。
1-2. LINEの友だち自動追加をオンにする
逆に、「許可する」をタップすると、「友だち自動追加」を有効することができます。
自動で友だち追加するために端末の連絡先の情報をLINEサーバーに送ります。
送信された情報は暗号化され、友だち検索・不正利用防止の用途でのみ利用されます。[許可しない] [確認]
2. サーバーの仕組み
「端末の連絡先の情報をLINEサーバーに送る」とは、どういうことなのでしょうか?
まずはLINEとメールがどう違うか ということについて、説明していきます。
インターネットには「 サーバー 」 というコンピュータがたくさんつながっていて、いろいろなサービスを提供しています。
「サーバー」は、24時間ずっと動いている大きなコンピュータで、ホームページを見せたり、今回のようにメールを扱ったり、いろいろなシステムを動かしています。
例えばパソコンとか、あるいはスマートフォン、昔のガラケーでも 「 電子メール 」 を送ることができますが、このメールのデータはそれぞれの端末機械から、「 サーバー 」 という大きなコンピュータをいくつも経由して、相手のもとへ届きます。
例えばこちらでメールを作って送ると、まず「自分の契約しているインターネットプロバイダのサーバーに送られます。このような「 サーバー 」 という大きなコンピュータが世界中にありますので、そこを経由して最終的には相手が契約しているサーバーに届く、という仕組みになっています。郵便でいうと「 私書箱 」 みたいなものなので、送られたメールはサーバー上に保管されています。
送られた人のスマートフォンは、定期的にサーバーに接続して、メールが届いているか確認します。もし、メールが届いていたら、スマートフォンにコピーしてきます。これを「 ダウンロード 」 といいます。そこで、自分の所にメールが来たと、分かるような仕組みになってます。
2-1. メールは別の会社にも送ることができる
ポイントは、Aさんの使ってるサーバーとBさんの使ってるサーバー、会社が違っていてもやり取りをすることができる、ということです。
メールの場合は専門用語でいうと「 プロトコル 」 、つまりメールを送る時の共通の約束事あるので、会社をまたいで送ることができます。
Eメールアドレスには、「abc@docomo.ne.jp」のように、後半の部分がどの会社のサーバーに入っているか、ということを表しています。
つまり、メールアドレスは、どこの会社のサーバーの、どの名前の私書箱という組み合わせで、宛先を指定しています。
3. LINEは、LINEサーバが一元管理している
LINEは、LINEという会社が一元管理してるサービスです。
つまり、全部、LINEのサーバーなんです。
「私はスマートフォンはドコモですよー」というようにいろんな入口からインターネットに接続しているのですが、LINEのメッセージは最終的にはLINEのサーバーに届くことになります。
AさんがBさんにメッセージを送ると「AさんとBさんの合わせた私書箱 」に送られます。
これが「 トーク 」 という画面で、お互いのメッセージが並んで表示されています。
メッセージが届くと、「 Bさん 」 の方には通知がくることになります。
電話のように「 Bさん即座に送られている」と勘違いしやすいですが、実際には「 Bさん 」 のスマートフォンがひっきりなしに、例えば、30秒おきにサーバーの方に確認しに行っているわけです。
LINEは、LINE社のサーバーで、こっちが書き込み、そっちが見に行き、という形で運営されています。
したがって、メールとは違って、もしLINEのサービスを辞めてしまうと、「 Aさん 」 は 「 Bさん 」 にメッセージを送ることができなくなってしまいます。
3-1. LINEのアカウントと名簿の管理
あともう一つのメールとの違いは、名簿の管理方法です。
LINEでは、たくさんの人のやり取りを全部、LINE社の1つの(実際には機械は1つではないのですけど)サーバーで管理をしています。
LINEに登録する時に「 アカウント 」 を電話番号で決めます。
LINEのサーバーには、こういう利用者の台帳があって、それぞれの人がどの電話番号を使ってるのかを管理しています。
3-2. 「友だちの自動追加」と住所録のアップロード
全部の連絡先や全部のやり取りを一つの会社で管理しているので、注意点があります。
例えば「 Aさん 」 が初めてLINEを登録するときには、「スマートフォンの中に入っている住所録をLINEに預けて知り合いを自動的に【友だち追加 】しませんか」と聞かれます。
これは「スマートフォンにある住所録をLINEに提供する」という意味です。
住所録を提供すると、LINEの方ではサーバーの名簿と照らし合わせて、「Aさんの住所録にあった、この090…云々かんぬん…というのは、LINEを使っているCさんの電話番号だ」と探し出します。
そうすると、LINEでもAさんとCさんがメッセージのやり取りをできるように、自動的にLINEの「友だち」として登録します。
このことを「友だちの自動追加」といいます。
3-3. 意図しない「友だちの自動追加」
実はこれが問題で、最近付き合いのない人にも、LINEの連絡先が伝わってしまうのです。
古いガラケーの時から機種を変更しながら、どんどん住所録には連絡先が溜まります。昔にちょっと連絡先を交換しただけの相手でも、電話番号が住所録に入っていると、LINEは勝手に「友だち」と考えて連絡先を交換してしまいます。
もし、「友だちの自動追加」にチェックをつけたままにしてしまうと、勝手に友だち追加されてしまいます。
仕組みを知ると、通常はチェックしない方が多いですね。
4. まとめ:メッセージの一元管理
「住所録を預けると勝手に友達になってしまう」のはLINEの一つの特徴です。
これは一つの会社で、登録者の情報とメッセージのやり取りを一元管理しているから、このようなことができるわけです。
これが電子メールとLINEでの個人情報、住所録の情報の扱われ方の違いです。
今回は、技術的な仕組みについて大まかな説明をしました。少し細かい部分を端折っていますが、理解の一助になれば嬉しいです。
こちらもどうぞ。
↑ 自分でLINEの友だち追加をしたい。
↑ 電話番号で勝手に「友だち追加」されている場合。
↑ LINEの初期設定での注意点