病院で画像診断のディスクをもらいました。
パソコンに入れたところ、「このディスクに対して行う操作を選んでください」と表示されています。どうすればいいのでしょうか?
Windows PCなら、同梱されている専用ビューワ「AOC Stackato」で画像データを閲覧できます。
1. CD-ROMの自動再生
「AOC_Stackato の起動」というのは、CD-ROM内の自動再生プログラムです1。
プログラムの表示を見ると、「専用ビューワ(AOC Stackato)」か「Webブラウザ」で画像診断データを見ることができるようです。
2. DICOM画像のビューワ
ディスク内には「専用ビューワ(AOC Stackato)」のミニ版が同梱されているので、そのままDICOM画像を見ることができます。
画像を見るだけでなく、距離や面積を計測したりするなどの機能があります。
「DICOM」とは、”Digital Imaging and Communications in Medicine“の略で、医用画像に関する国際規格です。 DICOMファイルは、ヘッダと画像のデータセットで構成されていて、画像データはカプセル化されています2。
3. index.htm
ウェブブラウザでも表示できるJPEG形式の画像も用意されています。
ディスク内のHTMLファイル(index.htm)から、画像のリンクを開くことができます。
4. 「アクティブコンテンツ」のリスクとは?
「コンピュータに問題を引き起こしたり、個人情報を公開したりすることがある」って書いてあるけど、大丈夫なの?
現実的にはあまり心配ないです。
HTMLを開くときに「アクティブコンテンツにはリスクがある」という警告が表示されます。
アクティブコンテンツは、コンピュータに問題を引き起こしたり、個人情報を公開したりすることがあります。コンピュータでCD がアクティブコンテンツを実行することを許可しますか?
これは、CDに保存されている HTML ファイルでスクリプト(JavaScript)が利用されているために表示されます。
Webブラウザの設定
JavaScriptを使用していますので、ご覧になるときは設定を有効にしてください。
JavaScriptは、現在は多くのウェブサイトでも利用される技術です。
マルウェアに利用される可能性もないわけではありませんが、メニューを表示したりするような「動的なページ」を動作させるために利用されています。
今回のように提供元が明らかな場合は、基本的には心配する必要はないです。
「スクリプトやプログラムが危険」というなら、専用ビューワも同様なわけです。
5. Windows用プログラム
ところで、どうして わざわざ HTML版もあるの?
専用ビューワの方が高機能だよね。
専用ビューワは、Windows用プログラムだからです。
個人で利用されるパソコンのほとんどは Windows PCですが、そうでない場合もあります。もし、Windows 以外のパソコンを使っている場合、DICOM画像は表示できません。
そこで、一般的な画像形式である JPEG画像も保存されています。
ディスク内の JPEG画像は フォルダから直接開くこともできますが、探しやすくするためにHTMLが用意され、ブラウザから閲覧できるようになっています。
画像診断のCDは、DICOM画像データの統合管理システム「Array AOC」の web Export 機能によって作成されています。
Array AOCのweb Exportオプションを使うと、ネットワーク上の複数のPCからwebブラウザーを使って簡単にPDI準拠の画像CDを作成できます。(…)
CDにはAOCの標準ビューアーStackatoが内蔵されるほか、webブラウザーで画像を表示するための”web contencts”が書き込まれます。
AOC web Export | アレイ株式会社
こちらもどうぞ。
(補足)
- CD-ROMには「autorun.inf」というテキストファイルがあり、自動実行のプログラムを指定しています。 – autorun.infとは?感染チェックと駆除方法。デバイスから自動起動させない方法は?|サイバーセキュリティ.com
- 医用画像を開くためのオンラインDICOMビューアベスト5