1. 「検索サービスの新しいプライバシー設定」?
Googleの「検索サービスの新しいプライバシー設定」というメールについて、相談がありました。
Googleからメールが届いたのですが、意味がよくわからなくて不安です。
件名は「検索サービスの新しいプライバシー設定」で、「設定を更新しています」「数日以内にアカウントに反映されます」と書いてあります。
何かが変わるのでしょうか。
特に気になったのは「ユーザーが操作した際のメディアが含まれるようになりました」という部分です。
メディアというのは写真や動画のことだと思うのですが、スマホの写真をGoogleに全部見られたりしますか?
自分の検索履歴や画像がAIの学習に使われるのでしょうか?
設定を変えた方がよいのかどうか、どこをどう見ればよいのかもわかりません。

このメールは、確かにGoogleからのメールでした。
スマホの写真を全部Googleに見られるようになったわけではありませんが、使い方によっては設定を見直す価値があります。
1.1. 「検索サービス履歴」の管理
Google公式ヘルプの案内によると、2026年6月時点で段階的に展開中の変更です1。
これまで、Google検索・マップ・ショッピング・フライト・ホテル・翻訳・ニュースなどの検索系サービスの履歴は、「ウェブとアプリのアクティビティ」という一つの設定でまとめて管理されていました。
今回の変更で、この検索系の履歴が「検索サービス履歴」として独立しました。
YouTube・Chrome・Geminiアプリはそれぞれ別の設定を持っているため、今回の変更とは関係ありません2。
変わった点は3つです。
- ひとつ目は、履歴の保存とおすすめ表示の設定が分かれたことです。
これまでは「履歴を残す=おすすめも個人向けになる」という一体の設定でした。
今後は「検索サービス履歴」と「パーソナライズされたおすすめ表示」を別々に切り替えられます。 - ふたつ目は、「メディアを保存」というサブ設定が加わったことです。
今回の変更でもっとも気になる部分なので、次の節で詳しく説明します。 - みっつ目は、移行のルールです。
これまで「ウェブとアプリのアクティビティ」がオンだった方は、新しい「検索サービス履歴」と「メディアを保存」もオンになって引き継がれます。
1.2. なぜGoogleはこう変えたのか
テキスト入力だけだった時代の履歴管理の設計では、画像・音声・AI会話を入口にする今の検索に対応しきれなくなりました。
履歴データの種類が増えたため、保存するかどうかを細かく分けて設定できる形にした、というのが今回の変更の意味です。
管理が細かくなった点は前進ですが、初期状態が過去の設定を引き継ぐため、以前「ウェブとアプリのアクティビティ」をオンにしていた方は確認が必要になります。
メールが届いたタイミングで一度設定を開いて、現在どうなっているかを自分の目で確かめておくのが、いちばん確実な対処で3す。
2. 「検索サービス履歴」と「メディアを保存」の設定
今回いちばん確認しておきたい点がここです4。
設定の確認と変更は、ブラウザやGoogleアプリで自分から「Googleアカウント」、「データとプライバシー」、「履歴の設定」と進んでください5。
ただし、メールのリンクは使わないのが安全です。
見た目が本物そっくりでも、リンク先が偽サイトである可能性はゼロではないからです。
2.1. プライバシー重視の設定とは?
プライバシーが気になる場合は、次の設定が無難です。
- 検索サービス履歴:オフ、またはオンで自動削除を3か月に設定する
- メディアを保存:オフ
- パーソナライズされたおすすめ表示:必要を感じなければオフ
Googleの履歴再開機能やおすすめを活用したい場合は、「検索サービス履歴をオンにして自動削除を3か月か18か月に設定し、メディアを保存は原則オフ、Lens履歴を使いたい方だけオン、パーソナライズはオン」という構成でも構いませ6ん。
どちらの場合も、医療・お金・仕事・学校・家族に関する画像や音声は検索系AIやレンズに入れないのが基本です。
入れてしまった場合はマイ アクティビティから削除してください。
設定は「Googleアカウント」、「データとプライバシー」、「履歴の設定」から確認できます。
まだ新しい項目が表示されない場合は展開が届いていないため、従来の「ウェブとアプリのアクティビティ」で引き続き管理されています。
3. 「メディアを保存」とは何か
Google検索は、ここ数年で大きく変わりました。
テキストを入力するだけのサービスではなくなり、Googleレンズで花や商品を撮影して調べる、音声検索で話しかける、AI Modeに画像を見せて質問する、Search Liveで会話しながら検索する、といった使い方が広がっています。
こうした操作で使った画像・音声・ファイル・動画が、「メディア」として履歴に保存されるのが今回の新機能です。
スマホ内の写真ライブラリを丸ごとGoogleが取得するという話ではなく、自分がGoogle検索系サービスに対して実際に入力・撮影・アップロードしたものが対象になりま7す。
Googleが保存の目的として挙げているのは、
- 過去のレンズ検索を見返せるようにすること、
- Search Liveの会話を続けられるようにすること、
- そしてサービス改善とAIモデルの訓練です。
公式ヘルプでは、検索サービス履歴がオフの場合、新しいアクティビティはアカウントの履歴に保存されず、原則としてAIモデルの訓練にも使われないと説明されていま8す。
ただし、Googleはサービスの動作・安全性・不正対策のため、アカウントに紐づかないデータを収集・利用する場合があるとも説明しています。
「アカウントの履歴として残さない」ことと「Googleが一切処理しない」ことは別の話です9。
3.1. プライバシー情報と個人情報
地図で店を探す、レンズで花や看板を調べる、翻訳で一般的な文章を変換する、といった使い方であれば、履歴が残ること自体はプライバシー上の情報蓄積ではあります。
Googleアカウントを自分だけが使っていて、端末ロックと2段階認証が有効で、自動削除を短めに設定していれば、日常的に大きな問題になりにくいです。
ただし、注意が必要なのは、本人確認書類・診断書・給与明細・契約書・パスワードが写った画面・子どもの顔写真・自宅内の画像・他人の個人情報が含まれた音声などを、Googleレンズ・AI Mode・Search Live・音声検索に入れる使い方です。
これらはアカウント履歴に残り、サービス改善やAIモデル改善の対象になり得ます。
Google公式ヘルプも「共有してよいと思える内容だけを提供するように」と案内しています10。
3.2. 過去のデータを消すには?
もう一点、見落としがちなのが「設定をオフにしても過去のデータは消えない」という動作です。
「メディアを保存」をオフにしても、それ以前に保存されたメディアは自動削除されません。
削除したい場合は、マイ アクティビティから手動で行う必要があります11。
(補足)
- Googleの公式ヘルプによれば、新しい設定への移行は「数か月かけて段階的に適用」されます。画面上に新しい項目がまだ表示されない場合は、従来の「ウェブとアプリのアクティビティ」で引き続き管理されます。 – 検索サービス履歴とパーソナライズされたおすすめ表示を使ってみる
- YouTubeの視聴・検索履歴は「YouTubeの履歴」として、ChromeのブラウザはChrome側の設定として、Geminiアプリの会話は「Geminiアプリのアクティビティ」としてそれぞれ独立した設定で管理されます。 – 検索サービス履歴とパーソナライズされたおすすめ表示を使ってみる
- Android Authorityの報道では、今回の変更を「Googleが検索の履歴管理をより細かく・透明性の高い形に再設計したもの」と位置づけています。設定画面は myactivity.google.com、または goo.gle/search-services-history から直接開けます。 – Google rolling out new Search history and personalization settings
- 公式ヘルプでは、移行後は「ウェブとアプリのアクティビティ」と「検索サービス履歴」の設定が独立し、一方を変更してももう一方には影響しなくなると説明されています。 – 検索サービス履歴を見つけて管理する
- myactivity.google.com に直接アクセスして「検索サービス履歴」を選択する経路でも同じ設定画面に移動できます。また、goo.gle/search-services-history という短縮URLも公式ヘルプに掲載されています。 – 検索サービス履歴を見つけて管理する
- 自動削除の保存期間は、3か月・18か月・36か月、または無期限(手動で削除するまで保持)から選択できます。なお、IPアドレスなど位置に関連するデータは、設定にかかわらず30日後に自動削除されます。 – アクティビティを削除する
- 公式ヘルプに列挙されている保存対象には、Googleレンズ・AI Mode・Tryonツールでアップロードした画像、Search Liveや音声検索の録音とトランスクリプト、翻訳の語学練習の音声録音なども含まれます。 – 検索サービス履歴を見つけて管理する
- 公式ヘルプによると、履歴がAIモデルの訓練に使われる際には、品質・正確性・有害性の確認のため、訓練を受けた人間のレビュアー(サービスプロバイダー所属を含む)が内容を確認する場合があります。なお、教育機関を通じて取得したGoogleアカウントでは、検索サービス履歴のデータは生成AIモデルの訓練に使用されません。 – 検索サービス履歴を見つけて管理する
- Googleのプライバシーポリシーでは、ユーザーがアクティビティ保存をオフにしていても、IPアドレスや言語設定・デバイス種別などの技術的なデータはサービス提供のために収集される場合があると説明されています。 – Googleプライバシーポリシー
- この記述は、画像検索履歴をGoogleに任意で提供するオプトイン機能のページに掲載されています。このオプトイン機能の初期状態はオフで、ユーザーが明示的にオンにした端末の対象画像だけが人間レビューの対象になり得ます。 – Donate your image search history to help improve Google
- マイ アクティビティ(myactivity.google.com)では、検索サービスでフィルタして検索系の履歴だけを表示し、個別または一括で削除できます。削除前にデータを手元に保存したい場合は、Google Takeout(takeout.google.com)からダウンロードする方法もあります。 – 検索サービス履歴に保存されるメディアを管理する


