- 「iPadでフリーフォントを探している際に、誤って広告ボタンをクリックしてしまい、不明なファイルをダウンロードしまった」という相談がありました。
- ダウンロードされたファイルは危険なソフトではありませんでしたが、パソコン用な iPadでは利用できないものでした。
- iPadは 原則 AppStore以外からアプリを追加できないので、インストーラーを削除すれば十分です。
1. フリーフォントを探していたら不明なファイルをダウンロードしてしまった
フリーフォントを探していた際に、誤って広告をクリックしてしまい、不明なファイルをダウンロードしてしまいました。
フォントを提供しているウェブサイトで、ダウンロードボタンと似た広告をクリックしてしまっていたのです。
その後 表示された画面でも、確認せずにダウンロードしてしまいました。
ところが、ダウンロードしたファイルは見慣れない形式(〜.dmg)でした。
最初はフォントデータのダウンロードに失敗したのかと思い、何度かファイルを開いてしまいました。
ただし、開いても特に何も起こりませんでした。
なお、クリックしてしまったサイトのURLを確認すると、以下の通りでした。
https://www.winzip.com/jp/pages/download/winzip-v2/?x-target=ppc&promo=ppc&utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=wz-dd-all-adwordsppc&utm_conten_t=144322767257&utm_term=&utm_id=19732162482&gad_source=5&gclid=EAIaIQobChMIlr69m_vgigMV2AuICR1JjhXqEAEYASAAEgKxnPD_BwE
- クリックしてしまったサイトは安全なものでしょうか?
- ダウンロードしてしまったファイルの正体と種類について?
- iPadでアンインストールの表示が出なかったため、ファイルの削除だけで対応しましたが、これで問題ないでしょうか?
2. WinZipの「課金誘導」
まず、URLを確認すると、WinZipの公式サイト(winzip.com
)だということがわかります。
WinZipは、圧縮・解凍ソフトウェアの開発元として長年の実績があり、サイト自体は危険なものではありません。
ただし、近年 WinZipの有料版への勧誘は、ややしつこいようにも感じます。
技術に詳しくないと、不要な支払いをしてしまう可能性もあります。
- 追加のソフトウェアが自動的にインストールされるオプションが、デフォルトでオンになっている
- 「Free Download」と表示されながら、実際は無料トライアル期間後に課金が必要
- 基本的な解凍でも「有料版が必要」という警告が頻繁に表示
- 「セキュリティ上の理由」を強調して、有料版へのアップグレードを促す
今回のダウンロードボタンと誤認するような広告も、そのような文脈でとらえることができます。
URLから「Google広告」経由でアクセスしたことも記録されています(&utm_source=google
)。
3. ダウンロードされたのはインストーラー
ダウンロードされたのは、WinZipをインストールするためのファイル(インストーラー)です。
WinZipは、多機能なファイル圧縮・解凍用のソフトですが、パソコン用。
そのため、 iPadでは開くことができなかったわけです。
Windows用のインストーラーは、「〜.exe」であることが多いですが、今回の「〜.dmg」はmacOS向けのインストーラーの形式です。
これは、iPadの Safari からアクセスしたためだと思います。
4. 不要なインストーラーをどうする?
iPadで未知のファイルをダウンロードした場合、基本的には「ファイル」アプリでダウンロードしたファイルを完全に削除すれば十分です。
iPadやiPhoneのシステムは、セキュリティが厳しく設計されていて、基本的に App Store からしかアプリを追加できない制限があります。
そのため、Windows用のソフトを誤ってダウンロードしても実行できず、たいした問題は考えにくいからです。
以下のような兆候がなければ、心配せずに大丈夫。
- 不審なポップアップが表示されるようになった?
- バッテリーの消費が急に早くなった?
- 見覚えのないアプリがインストールされている?
これらの症状が見られなければ、ファイルの削除で十分です。
ただし、今後はダウンロードするときには、事前に十分注意することも必要です。
より悪質な広告だと、偽の「ダウンロード」ボタンを押して「ウイルス警告」が表示された、などというケースもあるからです。