Twitterアカウント3つ持っていて、どれもTwitter公式アプリで使用しています。
「連携アプリ」を確認してみると、1つのアカウント(A)だけ「連携アプリはありません」と出て、残り他2つのアカウントには「iOS」があります。

以前、「iOS」の連携を解除したら、Twitterアプリからログアウトされてしまったので、今 AのアカウントでもTwitterが使えるのが腑に落ちません。
このまま、連携アプリに iOS がない状態のままでも、大丈夫なのでしょうか?
結論から言うと、iOS のアップデートで、iOSとTwitterの連携は不要になりました(iOS 11:2017年〜)。
以前(iOS 5〜iOS 10)は、iPhoneの共有でツイートするのに、iOSを「連携アプリ」に設定する必要がありました。
残っていても問題はないですが、iOS 11以降なら 解除しても大丈夫です。
1. Twitterの「連携アプリ」とは?

そもそも、Twitterの「連携アプリ」って何なの?
Twitterの「連携アプリ(連携しているアプリ)」は、「Twitterアカウントを操作する許可を得た他社のアプリ・サービス」のことです。

Twitterには、「アカウント連携」機能があります。
他社のアプリ・サービスと連携して、
▶ タイムラインや返信を読んだり(読み取り)
▶ プロフィールやフォロワーの分析をしたり(読み取り)
▶ 予約投稿やリンク共有をしたり(書き込み)
することができます。
つまり、「連携アプリ」は、「アカウント連携」を許可したアプリのことです。

銀行の「自動引き落とし依頼」みたいな感じね。
例えば、アプリ連携をしていると、ライブ配信を開始するときに、ツイートで告知することができます。
![[Twitter] [Periscopeと連携]設定が削除されます 【ためしにライブ配信してみた】 – スマホ教室ちいラボ](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2021/03/ScreenShot-2021-03-05-14.29.38-1-1024x574.jpg)
@〜 としてTwitterでツイート
これは、アプリの初期設定で、自分で「アカウントへのアクセスを許可」をしているからです。

注意しておきたいのは、これは「Twitterアプリとほかのアプリが連携している」のではなく、「Twitterアカウントとほかのサービスが連携している」ということです。
つまり、Twitterアプリをアンインストールしても、アカウントへのアクセス許可は継続します。
1-1. 「連携しているアプリ」を確認する
すでに「連携しているアプリ」は、Twitterの設定から確認したり、アクセス許可を取り消すことができます。
Twitterアカウントに「連携しているアプリ」は、
▶ Twitterアプリの「設定とプライバシー」
▶ 「セキュリティとアカウントアクセス」
▶ 「アプリとセッション」
▶ 「連携しているアプリ」
から確認することができます。

「アプリとセッション」には、Twitterアカウントと連携しているアプリの一覧が確認できます。

「アプリの許可を取り消す」を選ぶと、そのアプリから直接ツイートしたり、プロフィールを変更したりすることができなくなります。

よくTwitterアカウントの「乗っ取り」というのも、この連携アプリへのアクセス許可が原因であることが多いです。
許可すると、アプリ・サービスは、勝手にツイートしたり、プロフィールを変更したりできるからです。
2. iOSが共有を管理する
ここまでは、Twitterの一般的な「アプリ連携」の話でしたが、iPhone/iPadの基本システムiOSには、特別な事情があります。
スマートフォンの便利な機能に「共有」があります。
ウェブページや写真などを、
メールやメッセージ、SNSなどで、
友だちに伝える仕組みです。
しかし、当初 iOSは「共有」を他社製アプリには解放していませんでした。共有は、「メール」「メッセージ」「インターネット」など iPhoneの標準アプリ同士でしか利用できませんでした。
iOSは「アプリにシステムの機能を使わせることに消極的」で、そのため Androidに比べてアプリの自由度が狭い傾向があります。
それは、「アプリは、それぞれのアプリ内だけで動作させる方が安全」という考え方が根底にあります。
というのも、「アプリ間の連携」は、スムーズな操作ができる反面、変なアプリに許可をしてしまうと不正アクセスの危険もあるからです。
2-1. ツイートがiOSに統合された(iOS 5)
ただし、iPhone ユーザーには、Twitter を利用している人が多かったので、特別に「共有」できるようにしていました。
iOS 5(2011年)では、設定に「Twitter」、共有に「ツイート」の項目が追加されました。

いちいち Twitterアプリを起動せずに、標準アプリの「共有」ボタンから
・写真、
・ウェブページ(Safariから)、
・位置情報(マップから)
などを、直接ツイートできるようになっていました。
iOS 5では、「設定」画面内に「Twitter」という項目が追加されている。SNSのユーザー数が増加し、もはやiOSユーザーでは一般化しているという認識なのか、OSとしてTwitterを設定に取り込んだ点は興味深い。
ASCII.jp:「iOS 5」―OSに統合されたTwitter機能を使いこなす (1/2)

余談ですが、当時は Safariから URL を iOSを対応していないウェブサービス(Evernoteなど)に共有するには、「ブックマークレット」という仕組みを使う必要がありました。
2-2. 共有の「ツイート」は iOS の機能
この「ツイート共有」機能は、実は Twitterアプリではなく、iOS に組み込まれた機能でした。
以前の iOS(iOS 10まで)では、一部のSNSサービスは iOS に「統合(integrate)」されていて、はじめから「設定」アプリに項目がありました。

「設定」アプリの「Twitterアカウント」から、自分のアカウントにログインすることができました。そこで、Twitterの「連携アプリ」に「iOS」が追加されることになります。
設定からログインしていれば、Twitterアプリをインストールしなくても、共有から「ツイート」を選ぶことができました。

他社サービスが、基本システムに統合される、って考えてみると、すごい話だね。
2-3. iOS がTwitterアカウントを管理する
ちなみに、Twitterアプリでログインすれば、「設定」アプリで「アカウントを追加」しなくても、設定されます。
iPhoneでは、公式Twitterアプリでログインすると、自動的にiOSにTwitterアカウントが追加され、「アカウントの使用を許可するAPP」にTwitterアプリが追加されました。
つまり、Twitterアプリではなく、iOS が Twitterアカウントを管理する仕組みになっていました。
従って、この時点のiOSでは、Twitterの「連携アプリ」にある「iOS」を解除すると、「ツイート共有」ができなくなるだけでなく、Twitterアプリからもログアウトされてしまいました。
3. 「App Extension」の導入(iOS 8)
しかし、その後 Androidスマホがいろんなアプリで「共有」できるのを受けて、iOSでも「共有」を広くいろんなアプリで利用できるように変更しました。
現在では、インストールしたアプリが対応していれば、Safariの「共有」から共有先アプリを選べるようになりました。

これは、iOS 8(2014年)から「App Extension(アプリ拡張)」という仕組みが追加され、アプリ同士が「共有」を使ってデータをやり取りできるになったからです。
App Extensionを使用すると、Appの枠を超えてカスタム機能やコンテンツを拡張でき、ユーザーが他のAppやシステムを操作している間でも、その機能やコンテンツを利用できるようになります。
Share
App Extensionの概要 – Apple Developer
ユーザーが他のどのAppからでもデベロッパが提供するソーシャルネットワークサービスに投稿できるようにします。
「共有」拡張機能は、ソーシャル共有Webサイトやアップロードサービスなど、他のエンティティとコンテンツを共有するための便利な方法をユーザーに提供します。 たとえば、[共有]ボタンを含むアプリでは、ユーザーはソーシャル共有Webサイトを表す共有拡張機能を選択し、それを使用してコメントやその他のコンテンツを投稿できます。
App Extension Programming Guide: Shareより和訳

Androidの「インテント」という仕組みを模倣したものです。
つまり、iPhoneでは、ほかのサービスに先駆けて、Twitter の共有機能が提供されたものの、現在ではアプリの共有機能が解放されたため、特別扱いが不要になった、と言えます。
3-1. ツイート共有はどちらが管理する?
「App Extension」が導入されてすぐの iOS 8 や iOS 9の頃(2015年ごろ)は、共有ボタンの「Twitter」の処理は、少し複雑になります。
というのも、
Twitterアカウントは、iOSが管理しているものの、
ツイート共有は、Twitterアプリでも受け取れるようになったからです。
しかし、iOS と Twitterアプリ が競合すると不具合になります。iOSでサインインしているTwitterアカウントと、TwitterアプリでサインインしているTwitterアカウントが異なると、動作しなくなってしまったのです。
これで、iOS 9標準機能でツイートできるようになります。要点は以下の2点です。
「設定」に登録したすべてのTwitterアカウントと「Twitter公式アプリ」に登録したすべてのアカウントを同一のものとすること
iOS 9 アプリの共有ボタンからツイートできない?原因はTwitter公式アプリ | Solomonレビュー[redémarrage]
「設定」の「Twitter」の「アカウントの使用を許可するAPP」の「Twitter」を「オン」にすること

他のアプリは、アプリでログインするだけで、共有機能が使えるのに、Twitterでは、「設定」にあるアカウント設定と整合性が取れないとエラーになってしまうのでした。
3-2. Twitterアプリが必要になった(iOS 11)
「App Extension」が導入されたため、SNSアカウントを iOSが管理する必要がなくなりました。
iOS 11(2017年)になると、それぞれのアプリ内で SNSアカウントの管理するようになり、はじめから「設定」アプリにあった、「Twitter」や「Facebook」などの項目はなくなりました。
Twitterアプリがないと、「共有」からツイートできなくなりました。
逆に言うと、このタイミングで Twitterアカウントを iOSと連携する必要がなくなりました。
ただし、以前から iPhone でログインしていたTwitterアカウントには、「iOS」が「連携アプリ」として残ったままになっていることがあるわけです。
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