日本メーカーは、小売店との関係を重視して、消費者に直接販売することへの抵抗が強かったから。
いつ頃からかAmazonで電化製品を探すと、知らない中国メーカーの製品が圧倒的に増えました。電気屋さんの店頭のラインナップとは、だいぶ違いがあるように感じます。
これまで、どうしてAmazonと実店舗で品揃えに違いがあるのか、疑問に思っていきました。
この説明として、プレジデントオンラインの解説がわかりやすかったです。
今回は、「D2C」というキーワードをもとに、ネット通販の構造について考えます。
1. Amazonに中国製品が多い要因
日本のAmazonに占める中国製品の割合は約4分の1と言われています。
実際にAmazonで「パソコン・周辺機器」の「数量限定タイムセール」を見てみると、はじめの5つの製品はすべて中国メーカーの製品でした。
メーカーの国籍を調べるのは、ちょっと面倒です。
これほど中国製品が増えた理由として、
・安い(価格が安い)
・速い(製品化してから品質を上げる)
・既存販売網がない(小売店への気兼ねがない)
ということが考えられます。
しかし、もう一つの要因として、日本メーカーがAmazonなどのECサイトに積極的に出店してこなかったことが挙げられます。
2. 日本のEC化率と市場規模
「EC(電子商取引)」は、ネット通販などのことです。
経済産業省の電子商取引に関する市場調査の結果によると、
・日本のEC市場は拡大しているものの、
・EC化率が追いついていない
という現状が浮かび上がっています。
※1 本調査におけるEC化率とは、全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合を指します。
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)
EC市場規模 | EC化率 | |
日本 | 12兆2333億円 (前年比21.7%増) | 8.08% (前年比 1.32ポイント増) |
中国 | 約208兆1520億円 (11兆7600億元) (前年比10.6%増) | 30.0% (前年比 3.9ポイント増) |
米国 | 約89兆4270億円 (7879億ドル) (前年比32.4%増) | 14.0% (前年比 3.1ポイント増) |
もう中国の方がEC化が進んでいて、米国よりEC市場の規模が大きいんだね。
3. B2CとD2C
EC化率が低いということは、裏返すと実店舗での販売比率が大きいということです。
これまで、メーカーは、製造した商品を卸売店・小売店に販売してきました。
企業が消費者へ販売するモデルを「B2C(Business to Customer)」と言いますが、その中で特に、小売店を挟まずに生産者が直接販売するモデルを「D2C(Direct to Cunsumer)」といいます。
EC(電子商取引)を使って直接、消費者に販売するのは、メーカーにとっては新たな販路になります。しかし、小売の実店舗からすると競合になってしまうため、関係が悪化してしまう危険があるのです。
そこで、メーカーがECサイトで販売するのではなく、小売店がECサイトを運営するケースが多いです。
メーカーにとっては、小売店は「お得意様」でもあるんだね。
インターネット・サービスによって、
・ネット通販だけでなく、
・メルカリやウーバーイーツ、
・クラウドソーシングなど、
いろいろな取引の形が出てきました。
小売店との関係で日本メーカーが参入できないとしても、経済的に空いたスペースには必ず誰かが参入するものなんですね。
今後は、日本メーカーのD2Cも増えそうだよね。
そうなると、実店舗はさらに苦しくなるのかなー💧
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