LINEの新機能で、「かんたん引き継ぎQRコード」が追加されました。
新しいスマホにLINEを引き継ぐときに、以前のスマホのQRコードを読み取ることで、できるようになります。
さらに、14日間のトーク履歴は、異なるOSでも引き継げるようになりました。
これまで異なるOS(iPhoneからAndroidスマホなど)でLINEを引き継ぐ場合には、トーク履歴が残せなかったので、一歩前進です。
電話番号での認証やパスワードが不要になったことで、引き継ぐつもりでアカウントを作り直してしまうミスが減りそうです。
ただ、14日間分だけでは少ないので、やっぱり同じOSでのトーク履歴のバックアップが必要だね。
1. LINE設定の「かんたん引き継ぎQRコード」
LINEの「設定」をみると、「バックアップ・引き継ぎ」というグループができていました。
「かんたん引き継ぎQRコード」の項目が追加されています。
LINEのアップデート(12.10.1:2022/06/22)で、「QRコードでアカウントの引き継ぎができる機能」が追加されました。
「かんたん引き継ぎQRコード」は、新しい端末でログインするときに使います。
新しい端末から、「かんたん引き継ぎQRコード」をスキャンすると、電話番号やパスワード入力なしでLINEアカウントにログインすることができます。
1-1. 引き継ぎ前にトーク履歴をバックアップしておく
実際にQRコードログインを試す前に、まずは、元のトーク履歴をバックアップしておきましょう。
2. 新しいスマホから引き継ぎQRコードをスキャンする
それでは、別のスマホからQRコードでログインしてみます。
新しい端末でLINEアプリを起動するとログイン画面が表示されます。
ここで、以前の端末のほうで表示したQRコードをスキャンします。
すると、「以前の端末で本人確認する」と表示されました。
勝手に引き継がれないように、元のスマホで「ロック解除パスワード」を入力しないと進めません。
2-1. 引き継ぎを許可すると古い端末側はログアウトされる
この「ロック解除パスワード」は、ふだんスマートフォンをロック解除するときに使うパスワード(あるいはPINコードなど)です。
LINEの「プライバシー管理」の「パスワードロック」ではありません。
LINEアカウントは、同時に複数のスマホでログインできない決まりになっています。
ですので、本人確認が完了すると、「以前の端末」はLINEからログアウトされてしまいます。
この「利用することができません」で「削除」を押すと、スマホ内に残っているトーク履歴などの情報が消去されて、初期設定のログイン画面に戻ります。
スマートフォンに残っているこれまでのトーク履歴などを確認したいときは、「閉じる」を押します。
2-2. 新しいスマホ側はログインされる
新しいスマホの方では、「〜としてログイン」という画面が表示されます。
ちゃんと自分のLINEアカウント名が表示されます。
「ログイン」を押すと、「トーク履歴を復元」するか聞いてきたので、とりあえず「あとで」を選択しました(今回は「14日分は引き継げる」というのを確認したかった)。
年齢確認とパーソナルデータの利用確認のあと、やっとLINEが使える状態になりました。
ただ、トーク一覧を見てみると、やっぱり少ないです。
確かに「過去14日分のトークを引き継ぐ」ことはできているのですが、逆に言うと 15日以前のトークは消去されてしまいます。
結局、やっぱり「トーク履歴の復元」が必要な気がしました。
やっと、AndroidからiOSにスムーズにLINEが引き継げるかな、と思ったのですが、まだ難しそうです。
3. キーフィンガープリントの引き継ぎ
このQRコード認証は、暗号情報の引き継ぎにも関連しています。
LINEのメッセージは、「Letter Sealing」という暗号化の仕組みで保護されています。
この暗号の鍵は、LINEサーバではなく、スマートフォン本体に保存されています。
そのため、機種変更のときには、鍵情報も転送する必要があります。
この引き継ぎ時の暗号化にQRコード認証が使われています1。
逆に言うと、引き継ぎQRコードを使わずに、新しいスマートフォンでログインしようとすると、メッセージのやり取りができなくなる可能性があります。
3-1. かんたん引き継ぎQRコードの中身
かんたん引き継ぎQRコードの中身について、見てみます。
QRコードリーダーアプリ(QRQR)で、QRコードの文字列をスキャンしてみました。
中身は、キー値が3つある構造化データで、どれも英数字が不規則に並んでいました。
全くのランダムなのか、「更新」を押して違いを確認してみました。
すると、変更されていたのは「qi」の文字列だけでした。
つまり、「qi」は、有効期限を指しているようです。
「si」と「pk」は同じなので、この部分が LINEアカウントを指す「暗号」になっているようです。
引き継ぎQRコードは、セキュリティに関わるので、有効期限が15秒と短く設定されています。
逆に言うと、15秒経つと無効になり、ログインには使うことができなくなります。
ただし、無効になったQRコードにも、個人のLINEアカウントにつながる情報が含まれていないわけではないので、取り扱いには注意が必要ですね。
基本的には見られても問題ない設計にはなっているけど、ちょっと気をつけた方がいいんだね。
こちらもどうぞ。
(補足)
- スマートフォンの機種変更などでLINEアカウントを引き継ぐ際には、古い端末から新しい端末へLetter Sealingの鍵を転送する必要があります – [LINE] レターシーリングはどんなセキュリティなの?(共通鍵交換と暗号化) – スマホ教室ちいラボ