- リダイレクトは、ウェブサイトの移転や端末に応じた表示切り替えなどで活用される自動転送の仕組みです。
- 企業のキャンペーンサイトや商品案内など、様々な用途で便利に使用できます。
- しかし、フィッシング詐欺などの犯罪者が追跡を困難にする目的で悪用するケースがあるため、注意が必要です。
1. リダイレクトとは?
インターネット上では、「リダイレクト(redirect)」という仕組みがよく使われています。
これは「自動転送」とも呼ばれ、私たちの便利なウェブ閲覧を支える重要な技術です。
1-1. リダイレクトの一般的な用途(引っ越し)
リダイレクトの例として一番わかりやすいのは、ウェブサイトの「引っ越し」です。

企業が社名の変更などでウェブサイトを新しくする時、古いアドレス(URL)から新しいアドレスに変更することがあります。
この時、古いアドレスをブックマークしているお客さんがスムーズに新しいサイトに誘導する必要があります。
この自動的に新しいページに案内する仕組みが「リダイレクト」です。
代表的な方法は、古いサイト内の「.htaccess」という設定ファイルに転送先を記述します。



1-2. 相手に合わせて切り替えるパターン

リダイレクト機能は、ウェブサイトのリニューアル以外にも、多くの活用方法があります。
まずは、相手に合わせた専用ページに自動的に切り替えるパターン。
- 「example.com」というPCサイトにアクセスした場合に、「
m.example.com
」や「example.com/sp/
」といったスマートフォン専用ページに転送する - ブラウザの言語設定が日本語なら「
example.com/ja/
」に、英語なら「example.com/en/
」に自動的に振り分ける
1-3. リンク切れから切り替えるパターン
ネットショップでは、品切れ商品の詳細ページにアクセスしたユーザーが離脱するのを防ぐために、類似商品や代替商品のページへ案内することも多いです。
あるいは、キャンペーンやイベントでは、覚えやすい短いURLを告知して、正式なページに転送するパターンも多いです。
例えば、チラシやポスターなどに「example.com/cmp
」と案内し、実際の詳細ページ「example.com/campaign/spring2025/
」に転送する使い方です。
この方法のよいところは、次のキャンペーン時期に転送先を変更すれば、同じURLから「example.com/campaign/spring2026/
」などを表示できます。

過去のチラシやポスターがリンク切れにならず、有効活用できるんだね。

このように、リダイレクトは適切に活用すれば、様々な場面でウェブサイトの使いやすさを向上させる便利な機能なのです。
2. フィッシング詐欺でのリダイレクト
しかし、この便利な仕組みを悪用する人たちがいます。
その代表的な例が「フィッシング詐欺」や「悪質な広告」です。
不審なリンクをクリックすると、画面が表示されるまで時間がかかることが多いです。
ブラウザのアドレスバーを見ると、いくつかのURLが切り替わって、読込み直しています。
これは、複数の偽サイトを次々とリダイレクトされていることを示しています。
犯罪者がこのような手口を使うのは、追跡を困難にするため。
偽サイトの発覚を妨げたり、転送に使用したサイトはすぐに削除して証拠を隠滅したりするために、リダイレクトが悪用されているわけです。
スマホに届いた偽サイトへのリンクを、後から検証するためにパソコンからアクセスすると、無関係な企業のウェブサイトに飛ばされることも多いです。

偽サイトは通報されるとすぐにブラウザやセキュリティソフトが警告を表示するようになります。
そのため、犯罪者側はたくさんのサイトを作って、転々とするのです。



