「インターネットバンキング」の意味を考える(銀行取引の進化)

「インターネットバンキング」の意味を考える(銀行取引の進化)
  • インターネットバンキングは、銀行窓口での対面取引からATMを経て進化した、24時間365日利用できる銀行取引サービスです。
  • 多層的な認証システムと暗号化通信により、セキュリティ面での安全性が確保されています。
  • これからはAIエージェントとの連携など、さらなる発展が期待されます。
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この記事では、わかりやすさを重視して説明しています(やや厳密さには欠ける表現もあります)。イメージが掴めたら、より専門的な解説へと進んでください。

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1. 「インターネットバンキング」と銀行取引の進化

「インターネットバンキング」と銀行取引の進化

「インターネットバンキング」って何なの?

なんか危ないイメージがあるけど。

「インターネットバンキング」の登場で「急に怖くなった」ように感じるものですが、これまでの銀行取引の進化の延長線上に考えることができます。
銀行取引の方法は、窓口での対面取引から、ATMを経て、インターネットバンキングへと進化しているのです。

比較項目窓口取引ATMインターネットバンキング
取引手段通帳・銀行印キャッシュカードパソコン・スマートフォン
本人確認方法• 通帳の口座情報
• 銀行印の照合
• 行員による対面確認
• ICチップ情報
• 暗証番号(4桁)
• ログインID
• ログインパスワード
• 取引用パスワード
• ワンタイムパスワード
• 生体認証(指紋・顔など)
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1-1. 窓口取引からの始まり

銀行取引の基本は、窓口での対面取引です。
現在の窓口取引では、通帳や銀行印、身分証明書が本人確認の基本です。

銀行の起源から概観してみると、貸し借りの記録の管理は、預けた人、預かった人の信頼関係を前提にしていました。
基本的には社会的なネットワークの中で、互いの身元を確認する相互信用が基盤になっていたのです。
元来、「貸し借りの契約」は、口頭でも成立します。
しかし、トラブルを防ぐために書面に残すようになっていきます。

1-2. 両替商や為替

さらに、遠隔地との取引が活発になると、「両替商」が生まれます。
貨幣の交換だけでなく、預金管理や融資、遠隔地への送金(為替)などの決済システムを提供するようになります。
この決済システムは、預り証や為替手形などの支払いを約束する契約書によって動かしていました。

原理的には通帳は、預り証などの記録証書をまとめたものといえます。
厳密には契約書とはみなされませんが、預金契約を証明する書類の一つです。

2. オフライン時代の支店間取引

今でこそ、銀行のどの支店でも預金や引出しができるのが当たり前です。
しかし、このような全店サービスは、銀行にオンラインシステムが導入されて以降の、比較的新しいものです。

もともとは各支店が独立して口座管理し、他支店での取引には時間がかかったのです。
取引支店とは別の支店でお金を引き出すには、口座残高を確認する電話連絡などの手続きがあったのです。

2-1. ATMやオンラインシステムの登場

銀行にオンラインシステムが導入されると、全国どの支店でもすぐに同じサービスが受けられるようになりました。
それによって登場したのが「ATM」、現金自動預払機です。

ATMでは、キャッシュカードに記録された情報と4桁の暗証番号で口座の認証をし取引します。

ATMやオンラインシステムの登場

ATMも導入されたときは、「知らないところでお金が引き出されるかもしれないから、キャッシュカードを作らないでおく」という考え方も多くありました。

ATMやオンラインシステムの登場

今のインターネットバンキングと似ているね。

3. インターネットバンキングの現在

銀行のオンラインシステムは、銀行内だけの閉じたネットワークです。
その「接点」を増やして、インターネットから間接的に操作できるようにしたのが「インターネットバンキング」です。

窓口やATMまで出向かずとも、パソコンやスマートフォンから取引ができるようになりました。
インターネットバンキングの最大の特徴が、時間や場所を問わず利用できること。
深夜でも休日でも、自宅やオフィスはもちろん、海外からでも取引が可能です。

できる取引の種類も豊富で、残高照会や振り込み、定期預金の設定、投資信託の取引、公共料金の支払い、ローンの申し込みなど、多岐にわたります。

インターネットバンキングの現在

インターネットの登場で国際的な取引が急増したことが要因なんだね。
ちょうど中世に遠隔地との交易が増えて「両替商」が生まれた歴史と同じなのかな。

3-1. 認証におけるセキュリティ

インターネットではどこからもアクセスできるので、セキュリティはより重要になります。

本人確認の方法は以前より厳重になり、複数の段階を経る必要があります。
具体的には、ログインIDとパスワード、取引時の専用パスワード、さらに1回限り有効なパスワード(ワンタイムパスワード)を使います。
また、何度もログインに失敗すると利用できなくなる仕組みや、一定時間操作がないと自動的にログアウトする機能も備えています。

認証におけるセキュリティ

最近では指紋や顔認証などの生体認証の活用も増えています。

3-2. 情報通信のセキュリティ

また、インターネットバンキングの安全対策は本人確認だけではありません。

通信内容は暗号化され、第三者に内容を見られないよう保護されています。
不正な取引を検知するシステムも導入され、万が一の事態に備えています。

4. オンライン取引とAIエージェント

オンライン取引やキャッシュレス決済はどんどん広がっています。
クレジットカード決済やインターネットバンキングなど、信用と通信技術を融合した仕組みが増えています。
ブロックチェーン技術やデジタル通貨なども登場しています。

今後、AIエージェントが普及していくと、社会システムをデジタル化して連携する動きはさらに広範化することが予想されます。
例えば、AIエージェントに入金確認させるには、銀行口座をインターネットとつないでいないとできないからです。
これらは、これまでの銀行取引の広がりと効率化の延長にあるのかもしれません。

オンライン取引とAIエージェント

銀行口座は、現金の保管ではなく、クレジットカード決済の「プール」という役割が重要になっているよね。

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