iCloud Driveに保存していた Excelファイルが「破損」してしまったようです。
どうにか復元できませんか?
残念ながら iCloud Driveの機能で復元することはできません。
1. 復元できるのは「削除」したファイルだけ
確かに、iCloud Driveには「ファイル復元」機能があります。
間違えて削除してしまったファイルも、30日以内なら元に戻せます。
しかし、データが破損された状態で「上書き」してしまうと、元には戻すことができません。
破損されたデータしか残されていないからです。
したがって、どこかのローカルに同じファイルが残っていないか探すしかありませんが、現実的には厳しそうです。
Excelの自動保存なども、肝心なときにはデータが残っていません。
iCloud Driveは、ハードディスクなどのストレージと同じデータの保存場所ですが、ほかのバックアップを用意しておく必要があります。
バックアップは、複数あってはじめて意味があります。
「同期」しているものは、1か所と考えましょう。

クラウドストレージは、保存データを外部送信するため、保存処理に時間がかかります。
その分、途中で失敗してデータが破損してしまうことが多いです。
2. Appleのバージョン管理の考え方
Appleでは、iCloud Driveそのものではなく、別にファイル履歴を管理する機能があります。
- macOSの「Time Machine」機能(Mac PC内のデータをバージョン管理)
- Pages, Numbers, KeynoteなどのiWorkアプリの「書類バージョン」
2-1. macOSのTime Machine
Mac PC に外部ディスクをつないで TimeMachine を有効にしている場合は、記録した「過去の状態」に遡ることができます。

2-2. iWorksの「バージョンを戻す」
Microsoft Officeでは対応していないのですが、
Apple製の iWork なら iCloud Drive上にファイルバージョンが保存されます。
例えば、Pagesのメニューには「バージョンを戻す」機能があります。

- Mac PCで Pages や Keynoteで開いて「ファイル」の「バージョンを戻す」を選択します。
- バージョン履歴から好きな時点のデータに「復元」します。
iCloudでは、iCloud Driveに保存されているファイルのバージョンが定期的に保存されます。書類をiCloud Driveに保存していて、まだ必要と思われる内容を削除してしまったために前のバージョンに戻したい場合などは、以前のバージョンを復元することができます。
iPadのPagesで以前の書類バージョンに戻す – Apple サポート (日本)
3. OneDriveのファイル履歴
ちなみに、OneDriveには「ファイル履歴」という機能があり、上書き保存するたびに「バージョン」を残すことができます。
つまり、クラウド上の直接 Word, Excelのファイルを編集作業するなら、OneDriveが適しています。
クラウドストレージも、サービスによって少しずつ機能が異なるんですね。
また、ローカルでのバージョン管理なら、Windows PCにも TimeMachineに相当する「ファイル履歴」という機能があります。
![[iCloud] データの復旧できるもの・できないもの【30日以内なら可能性あり】](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2023/03/image-20-17-1024x576.jpg)


