ChatGPTの回答との付き合い方は、インターネット情報と一緒です。
つねに誤情報の可能性を念頭において、吟味する必要があります。
とくに、ChatGPTは、暗黙のうちに「答えがある」と考えて回答するので、未知のことへの回答は推測が含まれています。
技術は真新しいけど、リテラシーの基本は一緒だね。
1. 本当に答えがある質問なの?(生成:ジェネレーティブ)
ChatGPTに質問するときには、注意しなくてはいけない性質があります。
それは、ChatGPTは「質問者の言うことを否定しない」ということ。
あるいは、「質問文を下敷きとして、回答を生成する」とも言えます。
「〜は、〜ですか?」という質問すると、ChatGPTは「少なくともその問いには答えがある(既知の事実)」ということを暗黙の前提として、回答を生成します。
しかし、実際には答えがない場合には、ChatGPT は答えを「生成」、つまり「でっち上げ」てしまいます。
ただ、明らかに一般的な事実と反するなら、ちゃんと否定もしてきます。
2. 答えがわかっていない前提で聞く(プロンプト・エンジニアリング)
ただし、聞き方を工夫すると、「でっち上げ」をしにくくなります。
それは、「~について、分かっていることと分かっていないことを教えて下さい」や「~は、どれぐらいだったと推測できますか?」などと聞くことです。
このように聞くと、はっきりとは わからない部分、推測の根拠なども含めて回答してくれます。
3. 裏取りの注意点(リテラシー)
ChatGPTの答えに疑問があったときには、他の情報源で裏付けを得る必要があります。
ただし、インターネット上などで目にしやすい情報は、二次情報がほとんどだということには要注意。
いくつかの情報が一致していたとしても、元をたどると実は同じ1つの情報源ということが往々にしてあるからです。
ChatGPTは 統計的(観測されたデータで多いもの)に回答を生成する仕組みですが、正しい答えは多数決で決まるわけではありません。
信憑性がある情報とは、一次資料を念入りに吟味し、批判的な検討を経た結果です。
平たくいえば、専門家が書いた本。
ただし、これは時間や手間がかかってしまうので、一般的には「ウソの可能性」も念頭において、ChatGPTと付き合うことが大事、ということになります。
結局は、「インターネットの情報」との付き合い方と同じですね。