iPhoneをアップデートしたら、個人データを「Appleと共有」 「共有しない」という選択肢が表示されました。
もし、「共有する」を選ぶと、どのようなデメリットがありますか?
iCloud解析・iPhone解析で個人データをAppleと共有しなくても、サービスは利用できます。
ただし、共有される個人データには、ランダムデータを混ぜるので、個人の行動を特定できなくしているので、そこまで心配はありません。
YouTube動画でも話しています。
1. 使用状況を「Appleと共有」する?
iPhoneの初期設定のときに、「使用状況をAppleと共有するかどうか」確認する画面が表示されます。
これらは、アプリの品質改善に協力する「ボランティア」みたいなもので、「共有しない」を選んでも機能的に問題ありません。
「製品の試用テストに協力する」みたいなものなんだね。
むしろ、iPhoneのバッテリーやモバイル通信データ量の節約するためには、不要なデータ送受信が減らしたほうがよいかもしれません。
1-1. App解析やiCloud解析への共有をオフにする
後からでも「設定」アプリの「プライバシー」から、設定を変更することができます。
データ解析の協力を求める画面は、初期設定のときだけでなく、iOSのアップデートのタイミングでも、表示されることがあります。
2. iCloud解析・iPhone解析
iCloud解析やiPhone解析は、Appleのサービスの向上のために、利用データを提供します。
iCloud解析
iCloudアカウントの使用状況とデータの解析を可能にすることで、Siriやその他のインテリジェント機能を含む、Appleの製品およびサービスの向上にご協力いただけます。これはあとから”設定”で変更できます。すべての解析はディファレンシャルプライバシーのようなプライバシー保護技術を使用して行われ、あなた個人またはお使いのアカウントに関連付けられることはありません。
ディファレンシャル・プライバシーって何?
個人データを送信するときに、適度に「ウソ」を混ぜることで、特定されなくする方法です。
サービス提供者が知りたいのは、特定の個人の行動、というよりも、利用者全体の傾向です。
サービスの利用状況を知ることは、サービスを改善することに役立ちます。あまり使われていないサービスは終了しても問題ないですし、よく使われるサービスを重点的に改良していけばよいからです。
テクノロジー企業は、収集される大量のデータ(ビッグ・データ)を分析することで、経営方針を決めるのに利用しています。
例えば、「利用者がSiri(シリ:音声アシスタント)に語りかけた音声データ」がイメージしやすいです。
Appleは、利用者が「Appleと共有」を選択してくれた場合、語りかけた音声と、利用者がどう反応したのか?というやり取りを収集することができます。
特に、利用者の反応が悪かった場合、Siriが間違った受け答えをしていることになるので、プログラムを修正することになります。
3. App解析
「App解析」の情報共有は、主に「不具合報告」で利用されます。
App解析
AppアクティビティやクラッシュデータをApple経由でAppデベロッパと共有することを選択することでAppの品質向上にご協力いただけます。これはあとから”設定”で変更できます。
「個人を特定する」というよりは、「アプリが不具合が発生したときの状況」を報告するために、データが送信されます。
アプリの開発者は、なるべく不具合の内容にアプリを設計しますが、機種や使用方法によっては不具合が生じることがあります。利用者からの報告による伝聞だけでなく、不具合時のアプリの内部データがわかれば、修正箇所のヒントになり、スムーズに修正が進みます。
飛行機事故のときの、フライトレコーダーみたいなもんかー。
4. データ収集とアプリの進歩
「匿名」で収集されるとはいえ、「自分の音声」などの個人データがどこかで分析されている、というのは、ちょっと恥ずかしい気もします。
しかし、このようなデータの集積があって、新しい技術が進歩していっている側面もあるんですね。
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