ニュースでドコモでフィッシング詐欺があったらしいんだけど、全額補償されるんだって。
全額補償って、すごいよね。
通常、携帯会社がフィッシング詐欺の補償をすることは珍しいですよね。
今回、ドコモが全額補償をした背景には、ドコモが決済サービスを提供していることが関係しています。
現在の携帯会社は、通信だけではなくコンテンツ配信・通販・決済とさまざまな分野のサービスを手掛けています。
YouTube動画でも話しています。
1. 偽メッセージでドコモオンラインショップで不正購入
ドコモのウェブページを確認してみると、「「NTTセキュリティ」などを装ったフィッシングSMSや不正なアプリによるドコモオンラインショップでのApp Store & iTunesギフトカード等の不正購入発生について(2021年10月2日)」というお知らせがありました。
びっくりしたのは、この一文です。
なお、被害にあわれたお客さまには、申告内容を確認させていただき、被害金額の全額を補償いたします。
被害状況 (10月1日時点)
ドコモからのお知らせ : 【お客さまへの注意喚起】「NTTセキュリティ」などを装ったフィッシングSMSや不正なアプリによるドコモオンラインショップでのApp Store & iTunesギフトカード等の不正購入発生について | お知らせ | NTTドコモ
被害にあわれたお客さまの人数:約1,200人
被害金額:約1億円
一人当たり、平均約10万円かぁ。
2. 携帯会社は補償しない
通常、フィッシング詐欺に引っかかったとしても、携帯会社の補償はありません。
アカウントがロックされて、パスワードを変更するように警告されることが多いです。
どうして、ドコモが補償するのか理由を考えてみましょう。
今回の事件の特徴は、ドコモオンラインショップで金銭被害が発生したことがあります。
悪意のある第三者が「ドコモお客様センターです。ご利用料金のお支払い確認が取れておりません。ご確認が必要です」などと記したフィッシングSMSをお客さまへ発信し、SMSに記載されたURLのリンク先から、「NTTセキュリティ」「NTT DOCOMOセキュリティセンター」を装った不正なアプリのインストールおよびネットワーク暗証番号の入力を促すことで、お客さまの意図せぬ決済が発生する事案が確認されました。
本事案では、ドコモオンラインショップにおいてApp Store & iTunesギフトカード等が不正に購入され、身に覚えのない決済による被害が確認されております。
2-1. ネット決済の不正利用
被害者の名義で不正にギフトカードが購入され、ドコモオンラインショップで決済が発生してしまいました。「身に覚えのない決済」ということで、これは クレジットカードの不正利用に近いです。
クレジットカード決済でも不正利用が確認できた場合は、キャンセルして補償されることがあります。これには、決済手数料の一部が保険になっている意味合いもあります。今回も、クレジットカードではないですが、本人以外による決済ということで、同様のパターンになるのです。
それでは、ドコモには問題点がなかったと言えるのでしょうか?
ドコモオンラインショップで決済するときの「本人確認」です。通常は、パスワード入力によるログインで、本人確認はできている、とみなされますが、決済のときにはもう少し丁寧な確認が必要です。
高額の購入であったり、ふだんと違うスマートフォンからの操作の場合には、スマートフォンに確認のショートメッセージを送信する方法が一般的です。
クレジットカードでも、たまに確認の電話がかかってくるよね。
ドコモの決済は、後払い、つまり利用者の「信用」によって決済しているので、今後はより丁寧な本人確認が必要になるでしょう。
3. ドコモはただの通信会社ではない
ドコモには、「dアカウント」という会員サービスがあり、多様なサービスを提供しています。
最初「ドコモが補償」と聞いたので、携帯会社が補償してくれたように思いましたが、ドコモは「決済会社」として補償しているんですね。
現在の携帯通信会社は、金融・決済サービスで大きな役割を果たしていることを改めて感じました。
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