- macOSではプリンタ設定で「ブックレットとして印刷」して、小冊子を印刷できます。
- しかし、Adobe Acrobat Readerで利用すると、プリンター側の印刷設定と重複するのか、印刷の向きや順序がおかしくなることがあります。
- 冊子印刷をしたいならAdobe Acrobat Readerの「小冊子印刷」を選び、短辺とじの両面印刷にします。
いっそ、Adobe Acrobat Readerで冊子印刷するのは諦めて、「プレビュー」アプリにした方がわかりやすいかもしれません。
1. Adobe Acrobat Readerで冊子印刷したら逆向きになった?
ふだんプリンターで印刷するときに、用紙節約のために「冊子印刷」を選ぶことがあります。
ところが、Adobe Acrobat Reader から PDFを印刷したところ、開く向きが反対になってしまいました。
同じプリンタの設定でもブラウザから印刷した場合には、正しい順序で印刷されます(ウェブページでもPDFでも)。
たまにPDFを印刷すると失敗するので、気をつけるポイントを教えてください。
Adobe Acrobat Reader(Mac版)2024.004.20272、
Canon G5030、
Google Chrome(Mac版)
Adobe Acrobat Readerで冊子を印刷するには、「小冊子印刷」を有効にして、両面印刷は「短辺とじ」にします。
プリンタドライバの「ブックレットとしてプリント」を使うと開く方向がおかしくなりました。
アプリ | 冊子印刷 | 両面印刷 | 成否 |
---|---|---|---|
Chrome | ブックレットとしてプリント | オン(Booklet) | ◯ |
プレビュー | ブックレットとしてプリント | オン(Booklet) | ◯ |
Adobe Acrobat Reader | ブックレットとしてプリント | オン(Booklet) | ✕ 左開き |
現実には印刷ミスをゼロにするのは難しいです。
なるべく少数のページでテスト印刷をするクセをつけるのも大切。
Adobe Acrobat Readerで印刷するときの設定画面は複雑だよね。
Wordやブラウザなど他のアプリケーションソフトから印刷するときには、スムーズなのに。
そこで、印刷順序を微調整をしたり、Adobe Acrobat Readerの小冊子印刷を利用したりして、正しく冊子印刷できるパターンを試してみました。
アプリ | 冊子印刷 | 両面印刷 | 成否 |
---|---|---|---|
Adobe Acrobat Reader | ブックレットとしてプリント | オン(Booklet) レイアウト方向 – S | ◯ |
Adobe Acrobat Reader | ブックレットとしてプリント (逆順で印刷) | オン(Booklet) | ◯ |
Adobe Acrobat Reader | 小冊子印刷 | オン (長辺) | ✕ 上下逆 |
Adobe Acrobat Reader | 小冊子印刷 | オン (短辺) | ◯ |
2. Macのプリンタ設定の「ブックレットとしてプリント」
冊子印刷や両面印刷の場合は、印刷順序が重要です
現在主流のプリンタは、多様な印刷に対応しています。
プリンタードライバー側で設定する方が安定して動作する傾向にあります。
Macには、プリント設定の「レイアウト」の「ページ数/枚」に「ブックレットとしてプリント」という項目があります。
この項目を有効にすると両面印刷になり、中央で折り曲げて綴ると冊子になるようなページ配置になります。
横書きの文書は右開き(左綴じ)、縦書きは左開き(右綴じ)にします。
1ページ目と最終ページ(4の倍数)が隣同士になる独特の印刷順になります。
Chromeや「プレビュー」アプリでPDFを開いてみました。
印刷設定で「ブックレットとしてプリント」を有効にし、レイアウト方向を「Z(左-右-上-下)」にしています。
すると、右開きの冊子が印刷されます。
些細なことだけど、アプリ上で表示される印刷プレビューは、実際の印刷結果と違っているね。
3. 印刷設定の重複を避ける
プレビューやブラウザでは正しく印刷できているので、プリンタ設定には問題はなさそうです。
とすれば、Adobe Acrobat Reader側の設定を変更すればよいはずです。
ここで重要なのは、プリンター側とAdobe Acrobat Reader側で設定が重複することを避けることです。
Adobe Acrobat Readerには、両面印刷や冊子印刷などの特殊な印刷にも対応した、さまざまな印刷設定があります。
しかし、かえって設定が複雑で印刷ミスの原因になることも多いです。
印刷設定は複雑にならないように必要最小限にして、うまくいかなかったときはいったんすべての印刷設定をデフォルトに戻してから再設定することが大事です。
今回の場合は、プリンタ設計の両面「ON(Booklet)」と、Adobe Acrobat Readerの「用紙の両面に印刷」の設定が重複しているみたいだね。
Adobe Acrobat Reader側では「両面印刷」をオフにしたらいいのかな?
ただし、ややこしいのは、Adobe Acrobat Readerとプリンターで連動している設定項目もあることです。
Adobe Acrobat Readerで両面印刷をオフにしてから、Macのプリンタドライバで「ブックレットとしてプリント」を選択すると、自動的に両面印刷が有効になっていました。
あと、「プリンタ」側で「全1ページ」と書かれていることも気になります。
設定時点では、実際のPDFのページ数が認識できていないようなのです。
結果から逆算して、「ブックレットとして印刷」でレイアウト方向を逆(S 右-左-上-下)にすれば問題は解決です。
しかし、この設定では他のアプリで冊子印刷するときにミスの元になってしまいます。
もう一つの方法は、Adobe Acrobat Readerの「印刷するページ」の「詳細オプション」で「逆順」に印刷することです。
Adobe Acrobat Readerだけでしか冊子印刷をしないなら
ただし、と違うのでミスの元になってしまいます。
4. Adobe Acrobat Readerの「小冊子印刷」
Adobe Acrobat Readerには、アプリケーションソフト側で「小冊子印刷」を行う機能もあります。
冊子印刷に対応していない古いプリンタでも、Adobe Acrobat Reader側で「小冊子」の印刷データを構成してから、プリンタに送ることができるのです。
まず、Adobe Acrobat Readerの印刷ダイアログを開き、「ページサイズ処理」の項目から「小冊子」を選択します。
「綴じ方」は、横書きの文書は左綴じ、縦書きは右綴じが一般的です。
ただし、この場合はプリンタ設定の両面印刷の向きが大事です。
通常の両面印刷は「長辺とじ」です。
しかし、小冊子印刷では印刷データが横並びになっているため、「短辺とじ」で裏返す必要があるのてす。
ちなみに、両面印刷に対応していないプリンタ用に2度に分けて印刷するため、「小冊子の印刷方法」では「片面で印刷(表側)」と「片面で印刷(裏側)」の選択肢も用意されています。
あとは、PDFに向きの異なるページが含まれている場合に備えて、「各シート内でページを自動回転」オプションを有効にしておくとよいでしょう。
印刷可能領域に合わせて各ページが適切に配置されます。