- インストーラは、パソコンにソフトを追加するときに必要な手間を省いてくれる、便利なソフトウェアです。
- ただし、最上級の管理者権限(TrustedInstaller)で動作するため、Windowsのシステムを壊すこともできてしまいます。
提供元が信頼できるかどうかには注意が必要です。

マルウェアやウイルスが入り込む元にもなります。
1. インストーラとは
Windowsでアプリケーションソフトを追加するときに、よく「インストーラ」というソフトウェアを使います。
「インストーラ」とは、アプリケーションを使えるようにするために必要なファイルのコピーや設定を自動的に行うソフトウェアです。
多くのインストーラの拡張子は .msi または .exe で、ファイルを開くとインストールが始まります。
内容を確認しながら「次へ」「次へ」と進んでいくと、パソコンにソフトが追加されます。
実は「.msiファイル」は実行形式ではなく、データベースファイルです。
.msiを開くと、msiexec.exe
( Microsoft Standard Installer)が起動してでデータベースに基づいてインストールを実行をします。
1-1. インストーラがしてくれること
インストールのメリットは、
- アプリケーションのインストールやアンインストールが簡単にできる
- アプリケーションのアップデートも自動的に行われるので、管理が楽になる
インストーラは、具体的には以下の4つの作業を順番に行います。
- アプリケーションの実行に必要なファイルを、特定のフォルダに展開します。
- アプリケーションを簡単に起動できるように、スタートメニューやデスクトップにショートカットを作成します。
- アプリケーションの設定を、Windowsの設定を記録する場所(レジストリ)に登録します。
- レジストリの変更を、Windowsの操作を行うためのインターフェース(Windows Shell)に通知します。
2. インストーラを使わない例(.zip)
Microsoft OfficeやAdobe Photoshopなどの多くの有名なアプリケーションは、インストーラで追加します。
インストーラは、アプリケーションを使えるようにしてくれるだけでなく、アプリケーションのアンインストールやアップデートも管理します。
一方、フリーのソフトではインストーラを使わない例も少なくありません。
圧縮フォルダ(.zipファイル)を好きな場所に解凍するだけで、アプリケーションは使えます。
ただし、使いやすくするための設定(ファイルの関連付けやショートカットの作成など)は、自分で行う必要があります。また、ソフトが不要になったときは自分でファイル削除します。
アプリケーションの中には、インストーラを使わないバージョンを「ポータブル版」として公開しているものもあります。
3. インストール中に与えられる権限
これは、インストーラには重要な注意点があるからです。
信頼できないファイルにこの権限を与えると、ウイルスやマルウェアに感染する危険があるのです。
msiファイルを実行するときには、Windowsの更新プログラムやセキュリティパッチなどと同じ、Windowsの中で最も強い権限(TrustedInstaller)が与えられます。
この権限を持っていると、Windowsの重要なファイルや設定を変更でき、システムを壊すことも可能です。
![[Windows]「PC 正常性チェック」というアプリが追加されている](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2021/11/image-63-1-1024x576.jpg.webp)

