iPhoneで「トラッキングの要求」を許可にする方法はありますか?
iPhoneでは、「設定」ー「スクリーンタイム」ー「コンテンツとプライバシーの制限」ー「Appからのトラッキング要求の許可」から、アプリごとにトラッキングを許可したり、拒否したりできます。
しかし、18歳未満(数え年)だったり、セキュリティアプリの機能などで、トラッキングを許可できないことがあります。
1. 「トラッキング」を許可しないとポイントがもらえない
無料ゲームや漫画アプリなどの広告を視聴してポイントをもらう機能は、「トラッキング」を許可しないと利用できないことがあります。
しかし、Apple ID では 「18歳未満」だと年齢制限のため、「トラッキング」は許可できません。
場合によっては、たとえば以下に該当する場合などは、「App からのトラッキング要求を許可」設定をオンにすることができないことがあります。
App がアクティビティを追跡してもよいか確認してくる場合 – Apple サポート (日本)
- お子様用アカウントを使っているユーザまたは 18 歳未満 (生まれ年で計算) のユーザが自分の Apple ID でサインインしている場合*
- お使いの Apple ID が教育機関や企業によって管理されている場合
- デバイスが管理されていて、トラッキングを制限する構成プロファイルを使っている場合
- お使いの Apple ID が 3 日以内に作成されたものである場合
これは Apple ID の規約というよりは、日本国内、あるいは EU や米国などの各国のプライバシー保護の規制によるものです。多くのアプリやウェブサイトには、同様の年齢制限があります。
1-1. 18歳ぴったりだと「アウト」
「18歳未満」という言葉をみると、18歳になればトラッキングを許可できるように見えます。
しかし、Appleサポートによると、「18歳」に達しているかどうかは「生まれ年で計算(who are under age 18 by birth year)」されるそうです。
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誕生日ではなく誕生年だけを基準にする場合、18 歳の誕生日を迎えても翌年までは「18歳未満」は判断される可能性があります。
なぜなら、誕生日を無視するということは「2005年1月1日」も「2005年12月31日」も、同じ「2005年生まれのグループ」になります。
たとえば、2023年6月18日時点だと、本来 2005年4月10日生まれの人はすでに18歳ではあるのですが、まだ「2005年12月31日」は18歳に達していません。そうなると、18歳未満のグループに入ってしまうのです。
Apple IDの生年月日を変更すれば、年齢制限は解除されます。
ただし、反映されるのには少し時間がかかるようです。
1-2. フィルタリングサービス
また、年齢制限以外にもフィルタリングサービスによって、トラッキングを許可できないことがあります。
たとえば、セキュリティアプリの「セーフブラウジング」、「匿名化」、「VPN」などの機能は、トラッキングを阻止することがあります。
「広告識別子を匿名化」という機能は、トラッキングのブロックのことです。
2. トラッキングとパーソナライズ広告
「トラッキング(行動監視記録)」は、アプリやウェブサイトの運営者が、広告表示などのために閲覧履歴などを収集することです。一度調べたものの広告が出やすくなるのは、この「トラッキング」のせいです。
このような「利用者の行動や興味に合わせた広告表示」のことを「パーソナライズド広告(個人向け広告)」といいます。
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つまり、「トラッキング要求の許可」は、ウェブサイト側が個人の行動履歴を記録することへの同意をしています。
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「トラッキングを許可」っていうのは、「行動履歴を記録して、個人向けのネット広告を表示してもいいですよ」という意味なんだね。
2-1. プライバシー保護と同意
当初は規制がなく各ウェブサイトが勝手に利用者の行動をトラッキングをし、その結果をもとにネット広告を表示していました。しかし、徐々にプライバシー保護(自分の個人的な情報を自分で管理する)の観点から問題視されるようになりました。
各国の法規制によって、「トラッキング」をするには、事前に「本人の同意」を得ることが必要になったのです。
iPhoneでは、「設定」ー「スクリーンタイム」ー「コンテンツとプライバシーの制限」ー「Appからのトラッキング要求の許可」から、アプリごとにトラッキングを許可したり、拒否したりできます。
しかし、13歳未満の「子ども」や18歳未満の「未成年」の場合、この「同意」が適切にできません。
そのため、サービスでは一律に「トラッキングはできない」ようになっています。
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つまり、おおまかに言えば、未成年には「パーソナライズド広告」を見せてはいけないのです。
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19歳以上であっても、フィルタリングサービス(「あんしんフィルター」など)が有効だと「トラッキング」が制限されている場合があるみたいです1。
3. トラッキングを無効化できないアプリ
一方、無料のアプリやゲームは、広告表示やトラッキングのデータ収集によって運営しています。
「トラッキング要求」を拒否しても利用できるアプリも多いです。
しかし、一部にはトラッキングやパーソナライズド広告を前提としたシステムになっていて、利用者ごとに除外できない場合があります。
このようなアプリは、子どもアカウントでは利用できません。
もともとインストールができなかったり、アプリの一部の機能が利用できなかったりします。
たとえば、子どもアカウントだと、YouTubeやInstagramなどのアプリが機能制限されるのは、このためです。
そのほか、ポイント獲得アプリなどを使う場合にもトラッキングの許可が必要なことが多いです。行動履歴を提供する「引き換え」にポイントがもらえるわけです。
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アプリに年齢制限があるのは、内容の「過激さ」だけではないんだね。
こちらもどうぞ。
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(補足)
- 、「あんしんフィルター」等のフィルタリングサービスを利用中でしたら、保護者やキャリアにご相談されてみては- 19歳なのにApple ID が最低年… – Apple コミュニティ