LINEで利用されるプライバシー情報を減らすには、設定の「プライバシー管理」から操作します。
プライバシーが気になる場合は、コミュニケーション関連情報や位置情報、LINE Beaconや追跡型広告などを、無効にしておくことができます。
1. LINEの「プライバシー管理」の設定をするには?
LINEでプライバシー情報を利用されるのが気になる場合は、「設定」の「プライバシー管理」から項目ごとに許可しないように切り替えることができます。
1-1. プライバシー項目を誰に対してのプライバシー保護かで3つに分類する
LINEの「プライバシー管理」には、たくさんの項目があります。
主にプライバシーを保護する相手としては、3つに分けることができます。
(A)身近な人やLINE友だち
(B)知らない第三者(迷惑メッセージや通信傍受)
(C)LINEや関連企業
この中でも、LINEにプライバシー情報を提供するかどうかの選択は、主に下の方の4つの項目です。
プライバシー管理の設定 | 誰からプライバシーを保護する? |
---|---|
パスコードロック | A:身の回りの他人 |
IDによる友だち追加を許可 | B:知らない第三者 |
メッセージ受信拒否 | B:知らない第三者 |
Letter Sealing | B:通信の傍受・漏洩 |
QRコードを更新 | B:知らない第三者 |
アプリからの情報アクセス | A:友だちの利用する外部アプリ |
情報の提供 ・位置情報、電話番号など | C:LINEや関連企業 |
広告の設定 ・追跡型広告 | C:LINEや関連企業 |
文字認識用の写真の提供を許可 | C:LINE |
アバター用の写真データの取得を許可 | C:LINE |
2. 「情報の提供」でLINEに提供する情報を管理する
まず、LINEに提供するプライバシー情報で、一番重要な項目は、「情報の提供」です。
「情報の提供」では、LINEアカウントにログインしたときにも表示される、プライバシーに関する同意項目が3つ設定できます。
初期設定のときに、同意したとしても、後から機能を無効にすることができます。
2-1. 「コミュニケーション関連情報」は、LINEの運営管理で利用される
「コミュニケーション関連情報」は、何を指しているかイメージしにくいですよね。
オフからオンにすると「サービス向上のための情報利用に関するお願い」の同意画面が表示されます。
つまり、パーソナルデータの利用目的は、サービス向上や迷惑メッセージの送信などの不正利用を防止するためです。
LINE内に何かトラブルがないかの「見回り」をしているのね。
個別メッセージは利用されないが、公式アカウントとのやり取りは利用されている
次に気になるのが、どんなパーソナルデータが利用されるか、です。
「利用する情報の詳細はこちら」を見ると、細かい文字で書かれています。
まず、個別のメッセージやり取りの内容は、基本的に利用されていません。
メッセージは、一番のプライバシーだよね。
ただ、びっくりするのは、公式アカウントとのトークは、分析対象になっています。
コミュニケーション関連情報 | 通信内容 | 周辺情報 |
---|---|---|
友だちとのトーク | 利用されない | 日時・データ形式などは利用される |
無料通話の内容 | 利用されない | 相手・日時などは利用される |
公式アカウントとのトーク | 利用される | 利用される |
LINE VOOMの投稿 | 「自分のみ」の利用されない 「公開」「限定公開」は利用される | 利用される |
LINE Keepなどの機能 | 利用されない | 日時・データ形式などは利用される |
Webサイトの閲覧 | 閲覧先URLや 閲覧元トークルームは利用される |
実は、コミュニケーション関連情報を「同意をしない」にしても、個人のLINE利用には影響ありません。
かなり広い範囲のやり取り情報がLINEのために利用されるので、同意を拒否しても大丈夫です。
2-2. 位置情報は、利用者にあった「お知らせ」をするため
「位置情報」は、天気やニュース、近隣店舗の広告・クーポン表示、災害時の緊急通報などで利用されます。
「その人の位置を追跡・監視する」というよりは、あるエリアにいるかどうかを判定するのに利用されます。
LINEでニュースや天気を確認するなら、便利な機能です。
「同意しない」でも、LINEを利用できます。
2-3. LINE Beacon はBluetoothでお知らせを受け取る
LINE Beaconは、お店に設置された無線機器から情報を受取る仕組みです。
LINEは、お店に来店したLINEアカウントを伝えたことになります。
お店によっては、店舗内で情報発信をしているようですが、私の履歴には受信した形跡がありませんでした。
必要なければ、オフでよいと思います。
2-4. 「通知メッセージ」は友だち追加していない企業からのメッセージ
たまに、宅配のお知らせなどで、友だち追加していないのに、メッセージが送られてくることがあります。これは、「LINE通知メッセージ」です。
「LINE通知メッセージを受信」を許可していると、一部の企業アカウントは、電話番号を元にLINEメッセージを送信することができます。
企業の顧客情報にある電話番号から、LINEはLINEアカウントを教えたことになるので、これもパーソナル情報の利用にあたります。
郵便局や運送会社からの配送連絡が、LINEに届くのは便利です。
これは有効にしておいてもよいと思います。
3. LINEの「追跡型広告」の設定
個人の興味関心に合わせた広告を表示することを、「追跡型広告(ターゲッティング広告)」といいます。広告から実際の購買につながりやすいため、ネット広告でよく見られる手法です。
検索した商品がしばらく広告で表示されるのは、よくあるよね。
自分の関心に合った広告が表示されるので、気になる商品が見つかりやすくなるメリットもありますが、閲覧履歴を監視・分析されるのは、気持ち悪く感じる人も多いです。
個人の興味、関心、属性(例えば、「40代の女性で独身、園芸好き」など)は、閲覧履歴を集計することで分析します。これを「プロファイリング」といいます。
ただし、プロファイリングを利用者アカウントと直接 結びつけて管理しているわけではありません。その代わりに広告会社が勝手に割り振られた番号(ID)で閲覧履歴に印をつけて、興味・関心・属性を記録します。LINEでは、LINEブラウザ内データ(Cookie)やLINE内部識別子、という2つの方法で、利用者を識別しています。
追跡型広告を表示させたくない場合は、LINEアプリの「設定」ー「プライバシー管理」ー「広告の設定」から、CookieやLINE内部識別子を利用した広告を消すことができます。その場合、自分の関心とは無関係な広告を表示されることになります。
あれ?でも、これだと広告を表示しないだけで、興味などの記録・分析自体はされているんじゃない?
LINEのプライバシーポリシーでは、LINEの利用状況(検索結果や閲覧した情報)を取得して、広告識別子などと関連付ける場合がある、とあるので、そう考えられます。
3.b.サービスのご利用にあたり取得するパーソナルデータ
3.b.i.サービス利用状況
当社は、お客様が当社サービスをいつ、どのように利用したかを自動的に取得します。取得する情報には、当社が提供する各アプリをお客様が起動した日時、各サービスでの滞在時間、アプリ内で利用した検索結果、購入した追加サービス、閲覧・タップしたコンテンツや広告など、各種機能の利用状況が含まれます。
(中略)
3.b.iii.アプリケーション、ブラウザ、端末およびネットワーク情報
当社は、お客様がお使いの端末、ブラウザ、アプリに係る情報(端末・ブラウザを識別する広告識別子、Cookie IDや端末の種類、OS、言語・タイムゾーン設定、ブラウザの種類、アプリバージョンなど)や、ネットワーク情報(通信事業者の名称、IPアドレスなど)を取得します。
LINEプライバシーポリシー
また、当社は、取得した広告識別子を内部識別子と関連づける場合がございます。
基本的には、アプリの利用状況(検索や購入、閲覧など)はLINEに記録されている、と考えておいた方がよいでしょう。
4. 写真データの提供の許可
最後に残っているのが、2つの写真データの提供の許可です。
これは、LINEサーバの画像分析を利用とする機能を利用しなければ、必要ない部分です。
・文字認識用の写真の提供を許可
・アバター用の写真データの取得を許可
これらは、LINEサーバが画像分析をするために、データを転送するための許可です。
例えば、LINEのカメラでは、写真内の文字を認識して、読み取ることができます。
LINEアバターは、自撮りをもとに似顔絵を作る機能です。
うーん、あまり使っていませんね。
自分に合った情報を表示させたいなら、一部のパーソナルデータを利用するのもアリです。
そもそも、スマートフォンのパーソナルデータは、かなりアプリ・サービスで利用されてしまいます。
ネットワークに「つなぐ」っていうのは、そういうことなんだろうね。
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