「iPhoneのインターネット共有が原因で本名が知られてしまうかも」と聞くと不安になりますよね。さらに、「ほかの人の接続を許可」とあると、侵入されて何でも個人情報を盗まれてしまうような怖さがあります。
しかし、インターネット共有は、そこまで怖いものではありません。機能の仕組みがわかると、何に気をつければよいかハッキリします。
自分が使わない機能であっても、知っておくことが安心につながるのですね。一緒に確認してみましょう。
1. 「インターネット共有」って怖いの?
先日、「iPhoneから本名がバレるかもしれない」という、ネット記事を読みました。
・iPhoneから本名がバレる?設定名が表示される場所と身バレしないための設定方法|TIME&SPACE by KDDI(2022/06/29)
気になったので、自分の iPhone でも、コントロールパネルを確認してみました。
ちゃんと「インターネット共有」は「検出不可能」になっていました。
ただ、ちょっと触れると「検出可能」になってしまいました。慌てて もう一度 タップして「検出不可能」に戻したのですが、「設定」アプリから「インターネット共有」を確認すると、「ほかの人の接続を許可」は「緑」になっていました。
以前から気づかずに「ほかの人の接続を許可していた」のか、と急に心配になってしまいました。
誰かが、私の iPhone に繋がっていたり、中を覗けたり、iPhone設定してある名前がわかってしまったり(一応、適当な名前にしてありますが)、検索に上がってきたりしたのかと、心配です。あと、iCloudメール送信者名なども、見えてしまう危険はありませんか?(送信者名は、本名ひらがな表記にしていたので…)。
「インターネット共有によって、プライバシーが心配」ということですが、質問者の方は ちゃんと安全に利用できていると思います。
・ふだんから「検出不能」な状態になっていること、
・デバイス名を適当な名前にしていること、
が、その理由です。
1-1. インターネット共有とは?
そもそも、インターネット共有って、何を共有しているの?
「インターネット共有」は、「インターネット通信のおすそ分け」です。
外出先で PC がインターネットにつなげないときに、自分のiPhoneを経由させて接続することができます。
2. 「検出可能になる」とは?
インターネット共有を「オン」すると、周囲のスマホ・PCに「Wi-Fiネットワーク」が検出できる状態になります。
2-1. どうやって接続するの?
iPhoneでは、デバイス名(初期状態では「〜のiPhone」)をネットワーク名に転用するので、デバイス名が表示されます。
つまり、近くのスマホで「設定」から Wi-Fiネットワーク一覧 を表示すると、自分のiPhone名も表示されてしまいます。
基本的には「インターネット共有」は、無効にしておけばよいでしょう。
◆ 「ほかの人の接続を許可しない」と「検出不可能」の微妙な違いについては
2-2. インターネット共有はだいたい半径10mほどの範囲
気づかずに「オン」の状態だと、誰かにiPhoneの名前を見られてしまうのね💦
というと心配になるかもしれませんが、Wi-Fi電波はそんなに遠くまで届きません。
この「周囲」というのは、半径 約10mほどの狭い範囲です。
なので、その範囲に誰もいなければ、心配はありません。
つまり、
(1)インターネット共有が「オン」の間に、
(2)半径 約10m以内の誰かが、
(3)スマホ・PCで周囲のWi-Fiネットワークを検索、
の3条件が重なった場合に、自分のiPhoneのデバイス名が表示されることになります。
2-3. インターネット共有は1分45秒で自動停止する
電車内などの人混みの中でオンのままにしていると、誰かが見ているかもしれないんだね。
確かにそうですね。ただし、iPhoneには インターネット共有を自動停止する仕組みもあります。
iPhoneのWi-Fiの「インターネット共有」は、
・接続数が0で
・1分45秒経過すると、
自動的に「検出不可能」になる仕組みになっています。
つまり、放っておいても、オンにするボタンを押さなければ、検出不可能になっているはずです。
テザリング接続数がゼロで、スリープ(画面OFF)して1分45秒経った場合
テザリング接続数がゼロで、「設定」→「インターネット共有」画面以外に移って1分45秒経った場合
iPhoneのWi-Fiテザリングをスリープさせず常時利用可能にする方法とTIPS【安定性アップ】 | TeraDas
2-4. iPhoneの名前を変更しておけばよい
あとは、デバイス名に本名など、個人情報を含まれないように変更しておく、ということも大事です。
デバイス名は、「設定」アプリの「一般」ー「情報」ー「名前」から、自由に変更できます。
3. パスワード保護されている
もし、オンの状態だと、ほかの人につながってしまうの?
多くの場合は、このデバイス名が表示されるだけで、それ以上は進まないはずです。
というのも、「インターネット共有」の「ほかの人の接続を許可」は、無条件に許可しているわけではないからです。パスワード入力は必要なのです。
通常は、他人が Wi-Fi に表示された「〜のiPhone」に接続しようとしても、パスワードがわからないので接続できません。
3-1. もし、接続されても怖くはない
ちなみに、万が一「インターネット共有」で他人が接続されたとしても、そこまでプライバシーの心配はありません。
「代わりにインターネットを見てきてあげるよ」というのが、インターネット共有です。
接続相手には、中継したネット情報を転送するだけです。
他人が、自分のiPhone内の情報に自由にアクセスできるわけではないんです。
「接続を許可」といっても、自分のiPhoneに「侵入」されるわけじゃないのね。
知らないうちにインターネット共有に接続されてしまった場合、一番重要な「損失」は、モバイル通信量が使われてしまう(月の通信量)ことでしょう。
とはいえ、誰かがインターネット共有に接続すると、画面上部の時刻表示が青で表示されるので、気づくと思います。
ちゃんと分かるようになっているんだね。
4. iCloudメール送信者名とインターネット共有は無関係
iCloudメール送信者名などが、バレてしまう危険はない?
インターネット共有で表示されるのは、「本体のデバイス名」だけです。
ニュース記事の中で、iPhoneのプライバシーに関する注意事項をまとめて掲載されていると、こんがらがるかもしれませんが、「メールのやり取りの中で、意図せずに送信者名が伝わってしまうことがある」という別の話題です。iCloudメール送信者名はインターネット共有とは関係ありません。
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