楽天モバイルの「1年間無料」って、本当? 1ヶ月ならわかるけど…
無料といわれると、逆に不安になる方もいますよね。
楽天モバイルの大盤振る舞いのキャンペーンには、独自回線を普及させるため、というちゃんとした理由があります。
今回は、モバイルデータ通信の回線ネットワークについて、説明します。
楽天モバイルの1年間無料キャンペーン
たまたま、楽天モバイルの広告を目にして、びっくりしました。
プラン料金などが1年無料。
プラン料金が開通日から1年間無料
料金プラン詳細 | Rakuten UN-LIMIT VI(料金プラン) | 楽天モバイル
解約手数料とかあるんじゃないの?
まず、思うのが「契約期間」と「解約手数料」ですよね。
例えば、「2年縛り」になっていて、期間でならすと50%オフ(それでも十分な値引きですが)に相当する、こういう契約は多いです。
ところが、楽天モバイルには「いつでも無料で解約できる」とあります。
そんなことをしたら、1年無料で利用して、そこで解約すればよいことになります。
なんと、それができてしまうプランです。
すごいねー。
ふむ。 まぁ、契約変更は面倒だし、一度使ってもらったら、それだけ多くの人には継続してもらえる自信があるんだね。
楽天回線エリア
どうして そんなに割引するのかというと、「回線を使ってほしいから」です。
「Rakuten UN-LIMIT VI」の料金プランをよく見てみると、
「楽天回線」
「パートナー回線」という言葉があります。
大手キャリアと格安SIM事業者
携帯電話の回線ネットワークは、ドコモ、au、ソフトバンクのキャリア3社が保有しています。
莫大なインフラ投資で、全国に無線基地局をネットワーク状に張り巡らせています。
一方、格安スマホ会社は、独自の回線ネットワークを保有していません。
MVNO(仮想移動体通信事業者)といって この3社の回線を借りて利用者に貸し出す、という卸売サービスを運営しています。
「仮想」というのが、「卸売」であることを意味しています。
楽天回線に及ばないエリアを見方
楽天モバイルも、まずは大手携帯電話会社の回線を貸し出す事業からスタートしましたが、徐々に独自の楽天回線のエリアを拡大しています。
大津周辺を見てみると、紫や薄いピンクのエリアがあります。
これは、まだ楽天回線が及んでいないエリアです。
携帯基地局を整備するには、たくさんの利用者がいないと維持できません。
そこで、キャンペーンで将来の利用者を募っているわけです。
データ無制限と5G
楽天モバイルが、独自の回線ネットワークを整備するのは、「データ無制限」のプランにするためです。
5G(ファイブ・ジー)という新しい携帯通信では、インターネット通信がさらに高速になります。動画やゲーム、あるいはビデオ通話・ウェブ会議など、これまで以上に快適に利用できるようになります。
いまはビデオ通話だと、なんか相手の反応がワンテンポ遅れる気がするよね。ほんとうにリアルタイムになったら、便利だよね。
そこでネックになるのが、データ使用量の制限です。
いくら回線が高速でも、利用量の上限があればあまり使えません。
しかし、回線を貸し出す事業構造では、通信量に応じてキャリアに対して費用が発生してしまいます。利用者に無制限なデータ通信を認めてしまうと、利用される分だけ かえって損をしてしまう構造になります。
これが自前の回線だと、基地局の維持費として変動しにくくなるわけです。
回線エリア拡大のための大盤振る舞い
格安キャンペーンには、いくつかあります。
楽天モバイルの「1年間無料」キャンペーンは、この「大盤振る舞い」パターンといえそうです。
サービスを普及させるための大盤振る舞いのパターンは、ほかにもあります。最近では 2018年12月にあった PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」が記憶に新しいです。
ニュースでも散々取り上げられて、いっきにキャッシュレス決済が普及したよね。
サービス拡大時は、仕組みを知らないと「思ったより、使いにくい」など不満を感じることがあります。
ずっと前に ソフトバンクがはじめて携帯電話事業に参入したときも、携帯会社でつながりやすさが違う、と言ったもんだよね。
ソフトバンクがボーダフォンを買収したのが、2006年ですね。
今回の楽天モバイルでは、独自回線が届いていないエリアは、既存のキャリアの回線を利用するので、やや事情は違いますが、使い勝手が変わることは認識しておいたほうがよいでしょう。
まぁ、無料なら多少の不便は目をつぶってもいい、って思っちゃうよね。
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