- Windows と Macに共通するフォントに、「游明朝体」、「游ゴシック体」があります1。
- ただし、「同じフォント」が入っているといっても、扱いが微妙に異なるので注意が必要です。
- Windowsでは「游ゴシック」、Macでは「游ゴシック体」というフォント名で、文書ファイルに設定されたフォントがうまく認識されないことがあります。
- また、Mac の方が文字の太さ(ウェイト)を細かく設定できるため、Windows だと表現し切れないことがあります。
それぐらいなら、「源ノ角ゴシック」などのオープンなフォントを使った方が安定するかもね。
1. 「游ゴシック体」というフォント
「游ゴシック体」は、ビジネス文書から個人の日記まで幅広い用途で使われる、近年人気のあるフォントの一つです。
WindowsでもMacでも利用でき、日本語の文字を美しく、読みやすく表示するために設計されています2。
また、文字の太さ(ウェイト)が複数用意されているため、見出しや本文などで微妙な太さの違いを出すのにも向いています。
「フォント」は、パソコンやスマートフォンの画面上で文字を表示するための書体のことです。
2. 自分のパソコンに「游ゴシック体」がない場合は
Word文書などを他人と共有する際には、お互いのパソコンに同じフォントがインストールされている必要があります。
「游ゴシック体」は、全てのパソコンにインストールされているわけではないからです。
とくに古いパソコンには入っていないことが多く、自動的に標準のフォントに置き変えて表示されることがあります。
ただし、PDF形式で保存すれば、フォントもセットで共有できます。
2-1. Windowsの「游ゴシック」
Windows 8.1から標準のフォントセットに含まれるようになりました。
もし、見つからない場合は、自分でインストールできます。
- スタートメニューを開き、「設定」を選択します。
- 「個人用設定」を選び、「フォント」のセクションを探します。
- 「フォントを入手」を選択し、Microsoft Storeから「游ゴシック体」を検索します。
- 「インストール」をクリックして、フォントをパソコンに追加します。
Wordと游ゴシックの相性
読みやすい字体だと思うのですが、Word文書だと注意も必要。
文字の高さの関係で、標準の文字サイズ・行の高さだと、1行が 2行分になってしまって間延びしてしまうのです。
行間を調整すれば大丈夫なのですが、このひと手間で敬遠されることもあります。
2-2. Macの「游ゴシック体」
Macでは、OS X Mavericks以降で「游ゴシック体」が標準で含まれています。
しかし、無効になっていることも多いです。
游ゴシック体と游明朝体は、Mavericks(2013年10月22日リリース)からインストールされるようになったものの、macOS Sierra(2016年9月20日リリース)の時点で、既に游ゴシックはダウンロードフォント扱いになっていました3。
標準の「Font Book」アプリから有効化できます。
- 「Finder」を開き、「アプリケーション」を選びます。
- 「フォントブック」を開きます。
- フォントブックの左上にある「+」ボタンをクリックして、インストールしたいフォントファイルを選択します。
これで、「游ゴシック体」がWord文書などで利用できるようになるね。
3. ウェブサイトで游ゴシック体を使う場合
ウェブサイトを作っている場合でも、なるべく同じフォントを表示させたいものです。
とはいえ、様々なユーザーが異なる環境(WindowsやMac)でサイトを閲覧しているので注意が必要です。
CSSでフォントを指定する際には、例えば以下のように記述します。
font-family: "游ゴシック体", "Yu Gothic", YuGothic,
"ヒラギノ角ゴ Pro", "Hiragino Kaku Gothic Pro",
"メイリオ", "Meiryo", "sans-serif";
この設定では、ほとんどの端末で「游ゴシック」が表示されるはずです。
もちろん、古いOSではインストールされていない場合があるため、Mac用の「ヒラギノ角ゴ」とWindows用の「メイリオ」、それもインストールされていない場合のために「sans-serif」を代替案に指定しています。
4. 実は、微妙に見え方が違う
あれ?
ちょっと違うよ。
同じ「游ゴシック」という自体を使用しても、見え方が異なる場合があります。
WindowsとMacでは、デフォルトでインストールされているフォントが微妙に異なるからです。
4-1. フォント名が微妙に違う
まずは「フォント名」です。
OS | フォント名 |
---|---|
Windows | 游ゴシック, Yu Gothic |
Mac | 游ゴシック体, YuGothic |
「游ゴシック」は両OSにインストールされていますが、「游ゴシック体」「Yu Gothic」「YuGothic」などとシステムに登録されている名称が異なります。
これが原因で、同じファイルを別のOSで開いたときに、指定したフォントが正しく認識されないことがあります。
4-2. フォントの太さ
まずは、フォントの「太さ」。
- Windowsは、各フォントに標準と太字の区別しかありません。
ですので、それ以外の太さは別のフォント名で登録されています。 - Mac では、フォントの設定でライト(Light)、ノーマル(Regular)、ボールド(Bold)など、より多くのウェイトから選べます。
Windowsだと標準と太字の2種類に慣れていますが、Macだと「ウェイト」は複数選択できるんですよね。
さらに Macはより細かく表示できる「Retinaディスプレイ」を採用しているため、細いウェイトを採用することも多いです。
これをWindowsで表示すると文字がかすれて見えることがあります。
最近は気にする必要がありませんが、Internet Explorerだと「游ゴシック」の文字下に余白が入り、文字がズレることがあります。
5. FAQ
5-1. Q. 游明朝フォントはMacとWindowsでどう違う?
A. 游明朝フォントは、MacとWindowsの両方で利用可能ですが、フォント名の表記(Windowsでは「游ゴシック」、Macでは「游ゴシック体」となる)や文字の太さ(ウェイト)の設定可能範囲に差異があります。特に、Macでは文字のウェイトをより細かく設定できるため、同じフォント設定でも、OS間で見た目が異なる場合があります。
5-2. Q. MacとWindowsで共通して使用できるフォントはある?
A. はい、游明朝体や游ゴシック体など、MacとWindowsの両方で利用可能なフォントがいくつか存在します。しかし、文書の互換性を高めるためには、「源ノ角ゴシック」のようなオープンソースフォントを使用することが推奨されます。これらのフォントは、OS間での表示の一貫性を保つのに役立ちます。
5-3. Q. WindowsとMacで游ゴシックフォントの扱いに何か注意点はある?
A. はい、WindowsとMacでの游ゴシックフォントの扱いにはいくつか注意点があります。フォント名が微妙に異なる(Windowsでは「游ゴシック」、Macでは「游ゴシック体」として認識される)ため、文書ファイルをOS間で共有する際にフォントが正しく認識されないことがあります。また、Macではフォントのウェイトをより細かく設定できるため、Windowsでは表現できない細かいウェイトの差が出ることがあります。
5-4. Q. ウェブサイトで游ゴシック体を使う場合の注意点は何?
A. ウェブサイトで游ゴシック体を使用する場合は、ユーザーが異なるOSでサイトを閲覧していることを考慮して、CSSでのフォントファミリー指定に注意が必要です。具体的には、「游ゴシック体」、「Yu Gothic」など、複数のフォント名を列挙し、さらにOSに依存しない「sans-serif」を代替フォントとして指定することで、ほとんどのユーザーに対して一貫したフォント表示を提供できます。
(補足)
- 欧文フォントだと、Arial、Georgia、Impact、Times New Romanなども
- ひとことでいえば普通のゴシック体です。 – 字游工房|JIYUKOBO | 游ゴシック体開発ノートより
- Mavericks(リリース日: 2013年10月22日)から、游ゴシック体と游明朝体がインストールされるようになったようですが、macOS Sierra(リリース日: 2016年9月20日)では、既にダウンロードフォント扱いでした。 – せきゆおうさん: / X