- Windows 11に問題があるときに「インプレースアップグレード」で修復インストールすることができます。
- この方法では個人ファイルとアプリケーションを保持したまま、システムファイルだけを修復できます。
- ただし、修復インストールは、「Windowsを起動した状態」でないと利用できません。

「調子が悪い」状態ならシステムの修復に使えますが、Windowsが起動できないときには有効ではありません。
1. インプレースアップグレードで修復インストール
Windows 11のセットアップメディア(USBメモリやDVD)を使うと、現在のWindows 11からWindows 11への「アップグレード」または「修復インストール」が可能です。

この操作では、既存のWindows 11が修復され、ファイルやアプリケーションを保持したまま最新バージョンにアップグレードされます1。
ただし、修復インストールは、「Windowsを起動した状態」でないと利用できません。
起動エラーになってしまって、USBメモリなどのセットアップメディアから起動させたときには、利用できないのです。

「インプレースアップグレード」と「修復インストール」は実質的に同じプロセスを指します。
2. Windows 11復旧オプションの比較
- スタートアップ修復:
困っているときにはすでに効果が出ていない - システムの復元:
復元ポイントが作成しない設定だと使えない - コマンドプロンプトによる手動修復:
問題のシステムファイルを特定していく必要がある - インプレースアップグレード:
アプリとデータを保持しながらシステムファイルを修復 - 個人用ファイルを保持した初期化:
アプリは失われるがデータは保持しながら確実に修復 - クリーンインストール:
最終手段(データのバックアップが必須)
項目 | スタートアップ修復 | システムの復元 | コマンドプロンプトでの手動修復 | インプレースアップグレード (修復インストール) | 個人用ファイルを保持した初期化 |
---|---|---|---|---|---|
実行方法 | 詳細起動オプション→ トラブルシューティング→ スタートアップ修復 | 詳細起動オプション→ システムの復元 (復元ポイントが必要) | 詳細起動オプション→コマンドプロンプト | インストールメディアから 「アップグレード」選択 | 設定→システム→回復→ 「このPCを初期状態に戻す」 |
対象範囲 | 起動関連ファイル (BCD、ブートセクター) | システム全体 (復元ポイント時点) | システムファイル | システムファイル全体 | OS全体 |
個人ファイル | ✅ 保持される | ✅ 保持される | ✅ 保持される | ✅ 保持される | ✅ 保持される |
アプリ | ✅ 保持される | ⚠️ 復元ポイント後の インストールは削除 | ✅ 保持される | ✅ ほぼすべて保持 | ❌ すべて削除 |
システム設定 | ✅ 保持される | ⚠️ 復元ポイント時点に戻る | ✅ 保持される | ✅ ほとんど保持 | ❌ 初期設定に戻る |
影響度 | 非常に低い | 中程度 | 必要最小限 | 中程度 | 高い |
所要時間 | 10〜30分 | 15〜45分 | 1時間〜 | 30分〜2時間 | 20分〜1時間 |
推奨ケース | ・単純な起動問題 ・BCD/ブート関連 | ・最近の変更後の問題 ・復元ポイントあり | ・システムファイル破損 ・ファイルシステムの破損 | ・システムファイル破損 ・複雑な起動問題 | ・深刻なシステム問題 ・他の方法が失敗 |
成功率 | 単純な問題なら高い 複雑な問題には低い | 復元ポイントがあれば高い なければ不可 | 典型的な問題なら対処がスムーズ 失敗すると問題が複雑しやすい | 中〜高 深刻な破損では失敗も | 非常に高い |
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