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Windowsのいろんな復旧機能、どう使い分けるの?(最近の「リカバリーディスク」の作り方)

追記予定の注意書き

この項目は、随時追記します。なにかのヒントになれば嬉しいです。

Windowsのいろんな復旧機能、どう使い分けるの?(最近の「リカバリーディスク」の作り方)
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パソコンのデータが消えると大変なので、トラブルに備えてデータを外部に保存したり、復旧用のシステムを用意しておく必要があります。

Windows は、過去のものも含めていろんなバックアップ方法があります。

私は、今のところ 緊急用に「回復ドライブ」を作成しておいて、日常では「バックアップと復元」の機能で自動的にネットワークストレージにバックアップを作成しています。
パソコンが起動しないような大掛かりなトラブルのときには、回復ドライブから起動して、ネットワークストレージに作成してあるシステムイメージのバックアップからまるごと復元します。

とはいえ、ちょっとしたトラブルなら、システムは「復元ポイント」に戻すのが簡単ですし、大事なファイルは「OneDrive」で復元できます。

Windowsのいろんな復旧機能、どう使い分けるの?(最近の「リカバリーディスク」の作り方)

これまで内蔵ドライブが劣化などで物理的に破損したこともあったので、交換すればデータを復元できるようにしています。

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1. パソコンのトラブルに備えて

パソコンのデータは時として予期せぬ事故やトラブルによって失われる可能性があります。
そこで重要となるのが、パソコン復旧のための様々な機能です。

Windows の「コントロールパネル」を開くと「バックアップと復元(Windows 7)」の項目があります。
中には主に 3つの機能が用意されています。

  • バックアップと復元(Windows 7)
  • システムイメージの作成
  • システム修復ディスクの作成
パソコンのトラブルに備えて

今ひとつ違いがわかりにくいよね。

機能説明復旧できる内容復旧できない内容
バックアップと復元定期的にパソコン内のファイルやフォルダを外付けのハードディスクやネットワークに保存し、バージョン管理します。システム全体だけでなく保存したファイルやフォルダを個別に選んで復元できます。バックアップの後に作成や変更したファイルやフォルダは復元できません。
システムイメージの作成パソコン全体の状態や設定を含むイメージファイルを外付けのハードディスクやDVDに保存します。保存したイメージファイルからパソコン全体を復元できます。すでにイメージファイル作成時点に壊れているデータやその後作成・変更したファイルやフォルダは復元できません。
システム修復ディスクの作成パソコンを修復するためのツール(Windows RE)をCDやDVDに保存します。パソコンが起動しなくなったときに、システム修復ディスクから起動して、バックアップやシステムイメージから復元したり、トラブルシューティングしたりできます。システム修復ディスク自体にはデータや設定は保存されません。

データの保存先としては、「外付けドライブ」を用意するのが一般的です。

参考:「バックアップ」とは?
参考:「バックアップ」とは?
パソコンのトラブルに備えて

新しいパソコンに買い替えると、内蔵ドライブの容量が増えているから、それに合わせて外付けドライブも大きいものに買い替えないとね。

2. 初期設定後に役立つ「システムイメージの作成」

パソコンを購入して初期設定を済ませたら、まず「システムイメージを作成」しておくと安心です。

システムイメージの作成」は、パソコンのシステムドライブ(Cドライブ)や起動に必要なデータを「イメージファイル」としてまとめて保存する機能です。

システムイメージは、以前の「リカバリーディスク」に相当します。
その後 パソコンのシステムデータが壊れても、その時の状態にまるごと戻すことができるのです。

初期設定後に役立つ「システムイメージの作成」

昔は、買ったパソコンには復旧用の「リカバリーディスク」が付いていたけど、いつの間にかなくなったね。

初期設定後に役立つ「システムイメージの作成」

とくに、プリインストールソフトなどを復元できるのが大きいです。

この仕組みより原始的な方法では、内蔵ドライブと同じ容量の外付けドライブを用意して、クローンコピーしておくのでもできます。

2-1. システムイメージを保存するには外部ストレージが必要

「システムイメージ」を保存するには、外付けHDDやSSDなどの外部ストレージを用意します。

システムイメージを保存するには外部ストレージが必要

注意が必要なのが USBフラッシュメモリ
十分な容量があってもシステムイメージの保存先にはできません。

ただし、システムイメージは別のパソコンで復元することはできません。
また、復元するとシステムイメージ作成時点の後に作成・変更したファイルなどは失われるので、注意が必要です。

システムイメージを保存するには外部ストレージが必要

「システムイメージ」は、パソコンの「タイムカプセル」のようなものだね。

今 仕事などで使っていて、復元データに含まれていないファイルは、ちゃんと別に保存しておかないといけないね。

3. 起動しないときのための「システム修復ディスク」(と回復ドライブ)

システムイメージから復元するには、コントロールパネルから操作します。
しかし、そのためには Windows が動いているのが前提です。

パソコンが起動しないときに使うのが、「Windows RE(回復環境)」という、復旧用の簡易版 Windowsです。

参考:[Windows 11] 「回復パーティション」とは?(Windows REとパーティション)
参考:[Windows 11] 「回復パーティション」とは?(Windows REとパーティション)

Windows REを入れたCD/DVDを作っておくには、「システム修復ディスクの作成」をします。

3-1. 回復ドライブや回復パーティション

ただ、最近のパソコンは光学ドライブが付いていないものも増えていて、システム修復用に USBメモリ を使うことの方が多いかもしれません。

USBメモリに Windows REを入れて起動用メモリを作るには、コントロールパネルの「回復ドライブを作成」を使います。
だいたい 16GBの容量があれば作成できます。

参考:Windows 11のバックアップはどれ?
参考:Windows 11のバックアップはどれ?

ちなみに、多くのパソコンには内蔵ドライブにも、隠しデータとして「回復パーティション」があります。
通常のWindowsに不具合があっても、内蔵ドライブが破損していなければ、復旧作業のための起動ができるようになっています。

Windows RE の保存場所
  • CD/DVD:システム修復ディスク
  • USBメモリ:回復ドライブ
  • 内蔵ストレージ:回復パーティション
回復ドライブや回復パーティション

Windows RE は、作成したパソコン以外でも使えます。
復旧作業用に 回復ドライブを1つ用意しておくと便利です。

3-2. システム修復ディスクや回復ドライブの限界

復旧時は UEFI(やBIOS)の起動オプションを変更して、USBメモリなどを介して起動します。

ただし、システム修復ディスク単体では、パソコンの起動に必要なシステムファイルだけしか復旧できません。
システムまるごと復元するには、外付けドライブに保存したシステムイメージも必要なのです。

パソコンが起動しないときは、回復ドライブから起動して、システムイメージから復元する。

4. 定期的にするなら「バックアップと復元」

ただし、システムイメージの作成を忘れるか先延ばしにすると、重要なデータが復旧できなくなることがあります。

バックアップの前提になる考え方は、

  • 定期的にバックアップをとる
  • バックアップの対象をよく考える
  • バックアップしたデータを安全な場所に保管する

また、システムイメージから復元すると すべてが「巻き戻って」しまうので、個別のファイルを選択して復元することはできません。

定期的にするなら「バックアップと復元」

あまり融通がきかないんだね。

そこで、Windowsでは「ファイルのバックアップ機能」が用意されています。

  • バックアップと復元(Windows 7)
  • ファイル履歴(Windows 8 以降1

バックアップと復元」は、Windows 7で使われていた機能で、パソコンのデータや設定を定期的に別の場所に保存し、必要なときに復元できるようにするものです。
バックアップと復元」の特徴は:

  • システムイメージだけでなく個別のファイルを選んで復元できる
  • バックアップする範囲を指定できる
  • スケジュールで定期的に自動実行できる
  • バージョン管理されていてファイルを過去の時点の状態に復元できる
定期的にするなら「バックアップと復元」

「システムイメージの作成」に、スケジュール機能とバージョン管理機能を追加して、ファイル単位でも復元できるようになったのが「バックアップと復元」なんだね。

バックアップと復元」では、

  • Windowsのシステム全体(システムイメージ)
  • 個人データ

の両方を保存できます。

バックアップの保存先には、やはり外付けのハードディスクやネットワークドライブが必要です。

ただし、バックアップしたデータを復元するには、やはり Windows が起動する必要があります。
トラブル時のために回復ドライブか修復用ディスクも用意しておきましょう。

データ移行ツールにもなる

PC のバックアップと復元機能を使って、お気に入りのすべてのファイルを Windows 7 PC から Windows 10 PC に移動することができます2

5. ファイルの復元なら「ファイル履歴」

ただし、現在「バックアップと復元(Windows 7)」は Microsoftによると「非推奨」になっています3
Windows 8 以降では、「バックアップと復元」をさらに使いやすくした「ファイル履歴」が用意されているからです。
「ファイル履歴」と「バックアップと復元」は、スケジュール処理が重なるため併用できません4

「ファイル履歴」は、パソコンの大切なファイルを定期的に自動でコピーして、別の場所に保存しておく機能です。バックアップのためには、外部ストレージ(外付けハードディスクなど)が必要になります。
これによって、もし元のファイルが消えてしまっても、過去に保存したコピーから元に戻すことができます。
この機能は1時間ごとに自動でバックアップするので、もしトラブルがあった時にも、最近のファイルを取り戻せる可能性が高くなります。

ファイルの復元なら「ファイル履歴」

「バックアップと復元」のスケジュールは、多くても 1日に1回です。

5-1. 「ファイル履歴」にシステムイメージは含まれない

ただし、「ファイル履歴」にはパソコン全体のシステムイメージは含まれません。
まるごとの復旧には使えないのです。

というのも、ファイル履歴は、バックアップに使う時間やディスク領域を節約するために、普段使っているファイルだけを選んでバックアップする設計になっているのです。
パソコンの「ライブラリ」や「連絡先」、「お気に入り」、「デスクトップ」などにあるファイルが主な対象です。

「ファイル履歴」にシステムイメージは含まれない

それじゃあ、システムイメージの代わりはどうするの?

5-2. システムの復元

Windows 8以降ではシステム部分だけを復旧して、ファイルは後で復元することが想定されています。

回復方法処理内容
リフレッシュユーザー・アカウント情報やネットワーク設定(ドメイン情報など)、一部のシステム設定など以外は削除される。アプリケーションなどもすべて再インストールする必要がある
リセットWindows OSを新規インストールするのとほぼ同じ
自動修復Windows OSの起動が失敗する原因(ブート構成やディスク・ドライブ、ファイル・システムのエラーなど)を検出して、可能なら修復する5
システムの復元保存されている過去の任意の復元ポイントの状態へ戻す機能。
復元ポイントはデバイス・ドライバやソフトウェアのインストール、Windows Updateなどのタイミングで自動的に作成されることもあるし、ユーザーが手動で明示的に作成させることも可能
イメージのバックアップ/復元システムを定期的に(もしくはユーザー指定の任意の時点で)バックアップしておき、そのバックアップ・イメージへ戻す機能

システム復旧の本命は、「システムの復元」です。
復元ポイントは、アプリケーションのインストールや Windows Update のタイミングで自動的に作成されるので、システムの不具合の前の状態に戻すことができます。

ただし、「システムの復元」の保存設定には注意しましょう。
そもそも「システムの復元」が動いていない設定のこともありますし、トラブルに備えるなら保存場所は外部ドライブの方がよいです。

リフレッシュ」と「リセット」は、「システムの状態を元に戻す」というよりは、「Windowsを再インストールしている」のが実態です。
とりあえずパソコンは起動できますが、初期化によってアプリケーションも含めてほとんどのデータが削除されてしまいます。
「復旧」には使いにくいです。

自動修復(スタートアップ修復)」は、起動エラーのときに実行されます。
予備のシステムファイルから不具合を自動的に直す機能ですが、失敗することも多いで信頼性は高くありません。

5-3. 改めて「システムイメージの作成」も役立つ

そう考えると、「システムイメージの作成」は今も役に立ちます。
忘れずに(できればソフトのインストール時など)システムイメージを作成しておけば、システムをまるごと復元できます。

「ファイル履歴」との併用なら、そこまで頻繁にシステムイメージを作成しなくても、毎日の作業で作成・編集するファイルは復元できるからです。

6. 外付けドライブがないならクラウドの「バックアップ」

外付けドライブの代わりに「クラウド」をバックアップ先にする方法もあります。
OneDriveの「バックアップ」機能です。

容量が限られているので、写真やビデオの保存には向いていませんが、かんたんな文書ファイル中心なら手軽です。

ただし、意図せず OneDriveのバックアップになって、容量不足の警告にびっくりすることも多いです。

外付けドライブがないならクラウドの「バックアップ」

意識的に使うなら、WordやExcelなどの文書ファイルだけをOneDriveに保存しておく使い方もありですね。

外付けドライブがないならクラウドの「バックアップ」

外付けドライブを持っていない人なら、そもそも写真やビデオはバックアップしていないか、DVDやUSBメモリに保存しているのかな。

7. まとめ:使い方や予算に組み合わせ

システムとファイルをバックアップする方法はたくさん用意されています。
自分に合った組み合わせを選んでみてください。

起動の復旧システムファイル
システム修復ディスク
回復ドライブ
回復パーティション(内蔵)
システムイメージの作成
バックアップと復元
システムの復元
バックアップと復元
ファイル履歴
OneDriveのバックアップ
  • 予算が少ない…最低限のファイルをOneDriveにバックアップ
  • 予算が1万円ほど…外付けドライブにシステムイメージを保存
  • 予算が3万円ほど…ネットワークストレージに常にバックアップ
まとめ:使い方や予算に組み合わせ

ノートパソコンにいつも外付けドライブにつなぐのはしんどいから、ふだんのバックアップは最小限にしたいな。

とりあえず初期設定時は外付けドライブにシステムイメージを作成しておいて、普段は、システムの復元に任せつつ、ファイルは OneDrive に入るだけでいいかな。

まとめ:使い方や予算に組み合わせ

私は、今のところ 回復ドライブ・システムの復元・「OneDrive」を併用しつつネットワークストレージに「バックアップと復元」を保管しています。

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(補足)

  1. Windows 8ではファイルやデータのバックアップ方法として、新たに「ファイル履歴」機能が導入された。 – 第9回 ファイルを自動バックアップするファイル履歴機能:Windows 8レボリューション(1/2 ページ) – @IT
  2. バックアップと復元を使って Windows 7 PC からファイルを移動する – Microsoft サポート
  3. Windows 7 のバックアップと復元は非推奨 – Win32 apps | Microsoft Learn
  4. ファイル履歴では、バックアップ スケジュールが存在するかどうかとアクティブかどうかがチェックされ、バックアップ スケジュールが見つかると、ユーザーはそれを有効にできなくなります。 – Windows 7 のバックアップと復元は非推奨 – Win32 apps | Microsoft Learn
  5. 経験的には、自動修復はしょっちゅう失敗するので頼りない印象……
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