- パソコンを購入しようとすると「インターネット環境がないと設定が難しい」と言われることがあります。
- これは、パソコンを最初に起動した際に、Windowsの初期設定を行う必要があるためです。
- しかし、インターネットが一時的に必要なだけで「常時インターネット環境」は不要です。
- ただし、完全にインターネットなしで設定しようとすると、かなり複雑な手順が必要になります。
![パソコンを買う前に知っておきたいこと:インターネット環境は必須?[Windows 11]](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2021/08/sakurotu-ga-ru2.jpg)
今のパソコンは、インターネットなしでワープロとしてだけ使う用途は想定していないのかな。
1. 「インターネットの環境がないとパソコンの初期設定できない?」
通販で Windows 11のパソコンを購入しようと思います。
購入の電話したところ、「インターネットの環境がないと無理」と案内されました。
これは購入したらダメですか?
- 新しいパソコンを始めて起動すると、ユーザーアカウントの作成やセキュリティ設定など、いくつかの初期設定を行います。
- 基本的には画面に表示される手順通りに進めれば、1時間前後で完了します(ほとんどは更新の待ち時間です)。
- 初期設定にはインターネットを接続して行う作業が含まれます。
- これは、最新のシステムアップデートをダウンロードしたり、Microsoftアカウントを設定するためです。
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とはいえ、インターネット環境がない場合には、ローカルアカウントの使用もできます。
あるいは、基本的にインターネット接続が必要なのは初期設定のときだけです。
スマートフォンのテザリングなどでもインターネット接続を代替できます。
自宅にインターネット環境(光回線の契約など)がない場合でも、スマートフォンのテザリング機能を利用すればパソコンをインターネットにつなげます。
この方法でも、初期設定に必要なインターネット接続を確保できます。
1-1. ローカルアカウント(インターネットなしでもできるが……)
Microsoftアカウントでログインするにはインターネットを使います。
しかし、これは必須ではありません。
Microsoftの提供するクラウドサービスが不要なら、「ローカルアカウント」を選択することもできます。
Windows 11 Home版でのセットアップでは、「インターネット接続」画面が表示された際に「インターネットに接続していません」という選択肢から、ローカルアカウントの作成画面へと進めます。
ただし、この「インターネットに接続していません」という表示するのがややこしい。
「Shift」キー を押しながら「F10」キーを押してコマンドプロンプトを表示します1。
cd oobe
BypassNRO.cmd
と入力して、「C:¥Windows¥System32¥oobe¥BypassNRO.cmd
」を実行する必要があります。
このコマンドはレジストリを変更して再起動します。
そうすると「インターネットに接続していません」という選択肢が出てきます。
「BypassNRO.cmd」はWindows 11の初期設定(OOBE: Out of Box Experience)で使用されるコマンドで、インターネット接続を必須とするMicrosoftアカウントの設定を回避し、ローカルアカウントでのセットアップを可能にするためのスクリプトまたはコマンドです。
このコマンドを実行すると、レジストリが変更され、インターネットに接続せずにWindows 11をローカルアカウントで設定できるようになります。
1-2. ライセンス認証(インターネットがあるとスムーズ)
ただし、インターネット接続が必要なのは、Microsoftアカウントのセットアップだけではありません。
Windows 11やMicrosoft Officeの「ライセンス認証」も考慮する必要があります。
購入したパソコンなら、Windows 11のライセンス認証が済んでいるはずです。
しかし、そうでなければ「設定」から「アクティベーション」セクションへ進み、「電話でアクティブ化」のオプションを選んでいく必要があります。
![出典:富士通Q&A – [Windows 11] 電話でライセンス認証をする方法を教えてください](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2024/02/image-1-2-1024x576.jpg)
Microsoft Officeの方もライセンス認証が必要です。
これも、通常は Microsoft アカウントに紐づけるのが一般的ですが、電話による確認手段が用意されています。
たとえば、Microsoft Office 2021でも、アクティベーション手続き内で「電話によるアクティベーション」を選択できます。
手順に従って表示された電話番号にかけると、確認IDを聞くことができます。
これを入力すればアクティベーションを完了します。
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基本的には電話でも可能ですが、かなり面倒ではありますね。
1-3. 更新データ(インターネット接続が必要)
テザリングで注意する必要があるのが「モバイルデータ通信量」。
ライセンス認証であればそこまで気にしないでよいのですが、更新データなどは大きなサイズです。
インターネットにつながないのであれば、Windows Updateは適用しないという選択肢もあります。
しかし、Microsoft Officeなどのアプリケーションはそうもいかない場合があります。
工場出荷時にはパソコン本体に入っていない場合もあり、その場合は初期設定時にデータのダウンロードが必要になります。
2. だいたいテザリングでできるが更新データだけは心配
まとめると、インターネットなしでも、ローカルアカウントや電話認証で初期設定は可能です。
しかし、認証作業はかなり手間があるので、一時的にインターネット接続をした方がスムーズです。
ただし、テザリングの場合、更新データの通信量に注意する必要があります。
可能なら初期設定は、Wi-Fi 環境がある場所で行う方がよいです。
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