Google や Facebook、Amazon や Twitter といったスマートフォンで利用するサービスは、「困った時に人が対応してくれない」という「冷たい」特徴があります。
しかし、「大規模無償サービス」として成功するには、この「冷たさ」への割り切りが必要だったことは理解しておくことが大事です。
現在、話題になっている ChatGPTなどの AI がアメリカで発展した背景にも、大規模サービスで対応を自動化しようとする考え方が背景にあったと言えます。
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ある意味「サービスへの割り切り」が AI を発展させたのかぁ。
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「接客」を機械にさせる、というのは なんか受け入れにくいなぁ。
1. 「冷たい」トラブル対応
近年、私たちの生活はデジタル化が進み、さまざまなサービスがオンライン上で提供されています。その中には、基本料金が無料で利用できる大規模なサービス(大規模無償サービス)が少なくありません。例えば、 Google や Facebook などがそうです。費用なしで便利なサービスが利用できるために、あっという間に世界中に普及しました。
一方、こうしたサービスの特徴に、「困ったときに冷たい」という点があります。
トラブルになっても、人間が電話で温かく対応してくれるというわけではありません。
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やっぱり困ったときに親身に対応してくれることを期待してしまうよね。
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2. サービスの自動化
なぜ、大規模な無償サービスでは、自動化が必要なのでしょうか?
その理由は、多くの人々にサービスを提供するためには、効率的で迅速な対応が求められるからです。
インターネット以外でも、多くのサービスが自動化されてきました。
例えば、銀行を思い浮かべてみましょう。
以前は、預金や振込といった手続きを行うには、銀行の支店に足を運び、笑顔で挨拶を交わしながらすることが一般的でした。しかし、現代では、多くの人々がATM、あるいはスマートフォンやパソコンを使って手続きをしています。
顔の見えないオンライン上でのやり取りは冷たさを感じるものの、型通りの手続きは便利でスムーズになりました。
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順調なときは機械の処理でも困らないよね。
3. サポートの自動化とAIの必要性
実は、サービスの自動化とAI(人工知能)技術は、密接に関わっています。
新井紀子さんの『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』では、日本ではなくアメリカで AI投資が実現した理由の1つとして、GoogleやFacebook、Twitterなどの「大規模無償サービス」での 自動判定の必要性 を挙げています。
もう一つの理由は、AIへのリアルなニーズが多くの米企業にあることです。
アメリカでは、グーグルやフェイスブックなどが、途方もないデータが自動で蓄積される「無償サービス」を世界規模で拡大しています。 大規模無償サービスでは、「人手をかけずにサービスを提供できるか」を正確に判断することが経営の成否に直結します。例えば、ツイッターは、脅迫などの不適切ツイートや残酷画像やアダルト画像などの不適切画像の削除に、常に追われています。 適切と不適切をAIが自動判定できるか否かが、Twitterの存続そのものを左右するのです。
新井 紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』, 東洋経済新報社, 2018年
大規模無償サービスは、世界中からの大量のアクセスをさばくので、いちいち人手をかけてしまうと、サービスの発展が頭打ちになってしまいます。
高度な判断が必要なトラブル対応についても、自動的に処理できるように、AI などの自動認識システムが発展してきたということになるわけです。
そのときどきで、AIの自動判定の「誤検知」の問題がありましたが、それでも頓挫せず 徐々に精度を上げてきました。ChatGPTなどの生成AIが、MicrosoftやGoogleなどの巨大IT企業の投資によって登場したのは偶然ではありません。
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日本でコールセンターを増やしている間1に、米国ではどんどんAI技術に投資していったのかな。
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一方、日本を振り返ってみると、製造業では「ロボット大国」と言われます。
これは、日本文化では「正確できちっとしたモノづくり」が好まれることと関係しているのかもしれませんね。
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(補足)
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