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パソコンが古くなったから、買い換えようと思うんだよね。
前のパソコンは「Core i5」だったけど遅くなったから、今度はやっぱり「Core i7」にしないとダメかな?
「Core i7」などのCPUの名前は、性能を比較するものです。
しかし、同じ名前でも年々 世代数が新しくなり性能も向上しています。
「Core i5」でも最新版のものなら、古い「Core i7」には引けを取りません。
また、2010年代までのパソコンではハードディスクの読み取り速度がネックになっていることが多かったです。現在は、記憶装置が ほとんど SSDになっているので、それだけでも十分 起動が速くなっているはずです。
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名前だけでCPUの性能を考えると、おかしなことになります。
ワードやエクセル、Zoomなどの作業用なら Core i5 が適しています。
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以前と用途が変わらないなら、同じ「グレード」のCPUで十分なんだね。
1. 「Core i7」という名前のCPUがどの程度の性能なのか
「Core i7」とは、インテル社が製造するCPUの「シリーズ名」で、比較的 高性能なものです。
「CPU」とは、パソコンの「中枢処理装置」。
いわば「頭脳」のようなもので、計算や処理を行う部品です。
「Core i3」、「Core i5」、「Core i7」、「Core i9」などのラインナップがありますが、おもな違いは「コア数」です。
つまり、計算処理の部品をいくつセットにしているかの違いです。
「コア数」を増やせば、たくさんの処理を同時並行でこなすことができます。
「Core i7」のパソコンは、一般的な作業(例えば、インターネットの閲覧や文書の作成)だけでなく、重い作業(例えば、写真やビデオの編集、3Dゲームのプレイ)まで、幅広い用途に対応できます。
ただし、同時並行にするほどでもないような軽い作業では、あまり性能の違いが発揮されません。
また、高性能のCPUにも デメリットがあります。
まず、価格が高くなることです。
さらに、電力消費量が多いため、電源供給や放熱の必要があります。
例えば、電源アダプターが大型になったり、冷却ファンの音が大きくなる傾向があります。
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高性能PCでは、ファンの音がうるさくて気になることがあるよね。
2. CPUの世代と性能の違いの例
ちなみに、「Core i7」という名前だけでは CPUの性能はわかりません。
同じ「Core i7」でも「世代数」によって実際の性能は大きく異なるからです。
「世代数」とは、CPUの製造年度や技術の進化度合いを示す数字です。
一般的に、世代数が新しいほど、性能が高くなります。
例えば、2022年の Core i7は 第11世代〜第13世代であるのに対して、2012年は 第3世代〜第4世代です。 つまり、「10年前のCPUは 8~10世代前」ということに違いになります。
カタログやチラシをよく見ると「Core i7-〇〇###X」のように書かれているはずです。
この、〇〇の部分が世代数になっています。
例えば、2022年の Core i7は、第13世代のCore i7-13700K(F)が最高で、一方、2012年では、第4世代のCore i7-4770Kです。
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だいたい世代数に 9足せば 製造年の下二桁になります。
新しく購入しても、中古品や再生品だと 中身が古い場合があるから要注意です。
3. CPUの性能と選び方について
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世代よってどれぐらい性能が違うの?
例えば、処理性能を表すPassMarkスコアを比較すると
- 第13世代のCore i7-13700K(F)は、約47,000で
- 第4世代のCore i7-4770Kでは、約7,000
製造年 | 2022年 | 2012年 |
---|---|---|
CPU | Core i7-13700K(F) | Core i7-4770K |
世代数 | 13 | 4 |
PassmMarkスコア | 46,9391 | 7,1312 |
周波数 | 3.4 GHz 5.4 GHz | 3.5GHz 3.9 GHz |
コア数 | 16 | 4 |
スレッド数 | 24 | 8 |
消費電力 | 125W | 84W |
つまり、大ざっぱに性能を比較すると、2022年のCore i7 は 2012年よりも 約7倍 のベンチマークスコアになっています(ただし、点数評価なので単純に「7倍速い」とも言えません)。
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- 「周波数」は、CPUが1秒あたりに何回計算できるかを表す数値で、高いほど処理速度が早くなります。
- 「コア数」は、CPU内部にある計算部品の数を表します。
- 「スレッド数」は、同時に実行できる処理の数を表します。
1つのコアで複数のスレッドを同時に処理できる仕組みになっていると、余裕のある処理を担当しているコアを別の処理に活用できます。
これらを総合して比較するため、特定の処理を実際にさせて評価したのが「スコア」です。
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厨房の「ガスコンロ」に例えると、周波数は「火力」、コア数・スレッド数は「コンロの数」です。
火力が強くて、コンロが多ければ、速くたくさんの料理を作ることができますね。
PassMarkの 「CPU Markスコア」は、Passmark PerformanceTest というソフトで測定される、CPUのシングルスレッド・マルチスレッドの性能を総合して数値化したものです。基本的には CPU Markスコアが高いほど、パソコンの処理速度が速いことになります3。
4. 「オーバースペック」のデメリットも考える
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とりあえず高性能のものを買っておけばよい?
そうとも限りません。
あまり「オーバースペック」なパソコンは、高価なだけでなく、電力を浪費してしまうので注意が必要です。処理速度だけを重視すると、電力消費量や発熱量が増えてしまいます。
ノートPCだとバッテリーの持続時間も短くなってしまいます。
CPUを選ぶときには、自分がどのような用途に使うかを考えることが大切です。
自分が利用する作業に対して、ある程度余裕があれば十分だからです。
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クルマを選ぶのでも、スポーツカーがいいとは限りませんよね。
軽自動車が使いやすかったり、ワゴン車がよかったり、用途によって選びますよね。
例えば、インターネットの閲覧やメールのやり取りなどは、「軽い作業」なので、比較的低価格なCPUで十分です。一方、ビデオ編集や3Dゲームなどは「重い作業」です。スムーズに動かすには、高性能なCPUが必要になります。ワードやエクセルは、高画質な写真などを編集すれば「中程度の作業」です。しかし、文章メインだったり、かんたんな年賀状作成程度なら「やや軽い作業」と言えるでしょう。
つまり、メールやインターネット、ワードやエクセル、Zoomなどを使うのであれば、最新の PCなら Core i5 が適しています。
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でも、YouTubeやInstagramなど、誰でも動画投稿をする時代だし、ちょっと余裕めのものを買っておいても損はないのかな。
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動画編集や3Dモデルの処理をするなら、「Core i7」も真価を発揮できます。
その場合は、画像処理に関わる GPU の性能もチェックです。
こちらもどうぞ。
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(補足)
- CPU性能比較表【2023年最新版】 | PC自由帳
- CPU性能比較表【2023年最新版】 | PC自由帳
- CPUスコアの目安とは?Passmarkやノートパソコンについて、比較も – ICTビジネスサポーター株式会社