- CPUの性能を比較するのに、これまでは「Core i5」「Core i7」などとグレードで区別していたのが、i を外して
「Core 3」「Core 5」「Core 7」が通常モデル、
「Core Ultra 5」「Core Ultra 7」「Core Ultra 9」が上位モデルと、グループ分けされるようになりました。
「5, 7」のように、重なる部分もあります。 - CPUにGPUやNPUを載せる設計になったこともあり、
「Core Ultra」はより重い処理(動画編集やAI処理など)に適しています。
これまでは「重い処理をするなら Core i7」でしたが、
今後は「重い処理をするなら Core Ultra から選ぶ」と考えればよいのでしょう。
前は、Core iシリーズ自体が高性能モデルだった気がするけど、最近は Core i3だと廉価版なイメージだもんね。
スーパー・ウルトラ・ミラクル・マーベラス……
1. CoreとCore Ultra
2023年6月に Intelは 「Core i(コア・アイ)」 シリーズというCPUのブランド名を変更することを発表していました。
「Intel Core i7」などの既存のブランド名は、「Intel Core 7」、「Intel Core Ultra 7」などの新しい表記に変わります。
実際に、2023年12月に「Intel Core Ultra」の型番の CPU が登場しました。
ちなみに、前は「Intel Core 7」というのを見たら「Intel Core i7」の間違いだと考えたものですが、これからは正しい表記になります。
まだ、検索エンジンは「Core i7」の間違いだと認識していますね。
1-1. どうして?→シンプルに
Intelは変更の理由を、3つ挙げています。
- Meteor LakeがCPUアーキテクチャとして大きな変革期(AI処理への適応)
- 一般消費者の認知度を上げるためによりシンプルなブランドが必要
- CPUの最新世代を明確に示すブランド名が必要になった
ざっくり言えば、Core iシリーズを 通常版の Core と 上位版の Core Ultra に分けることで、一般の消費者にも違いをわかりやすくするためのようです。
Intelが i3、i5、i7といった小文字の i を使わなくなる理由の1つに、Appleブランドとの混同を避けるため、ということも考えられます。
Apple は、iPhone, iOS, iCloudなど、先頭に小文字の i を付加したブランド名を多用しています。
2. CPUの性能を比べたい
確かに、パソコン売り場で「どのCPUがいいなのか」ぱっと見ではわかんないもんね。
ただ、この変更で本当にわかりやすくなるの?
CPUは、パソコンの性能を左右する重要な部品の1つです。
2-1. グレードと世代
CPUの大まかな性能は、「グレード」と「世代」で決まります。
これまでの IntelのCPUの型番は、グレード・世代・型番(同じモデルの性能違い)・タイプ(付加価値・用途の違い)をあわせて表記されていました。
今回の変更では さらに 無印とUltraの区別が追加されるようです。
ごちゃごちゃあるけど「Ultraがついていたら高性能」みたいなイメージでいいのかな。
うーん、結局、型番全体をみないと性能は比較できない気もする。
2-2. グレードだけでは比較できない
グレードの違いは、ざっくり言えば 搭載している CPU の数です。
ただし、グレードが上なら高性能かと言うと、そうとも限りません。
同じ世代のCPUならグレードが上の方が高性能ですが、上位グレードでも世代が古いなら性能が落ちる場合があるからです。
中古PCで「Core i7」とだけ書かれていると高性能に見えるけど、実は古くて遅いみたいなことがあるよね。
逆に、最新のパソコンでも安い機種なら、古いパソコンよりも遅かったりするし。
3. 「Ultra」は何が違うの?(AI処理)
高電力モデルと低電力モデルの違いなのかな?
Core Ultra 7 165Hの発表では、GPUやNPUを組み合わせた「AI処理性能」を強調していました1。
- 「GPU(Graphics Processing Unit)」は、画像処理装置や映像処理を専門に行うプロセッサ。
- 「NPU(Neural network Processing Unit)」は、人工知能の機械学習に特化したプロセッサ。
いろんな用途に使う(汎用)CPUと違って、パターン化された計算処理を膨大に行うのに適した設計になっています。
現在のAI処理はクラウドベースで実行されていますが、将来的には一部をローカルで実行することで反応を速くすることが考えられています。
「オンデバイスAIモデル」です。
こうしたニーズに対応するため、CPUも進化しているわけです。
AppleのMチップやGoogleのTensorでも AI技術との親和性を強調しているように、「プロセッサ」の性能は CPU単体ではなく GPUやNPUも含めて考えられるようになっているのです。
もちろん、GPUやNPUが多ければ消費電力は大きくなるので、用途(ハイエンドか廉価版か)とも密接に関係しています。
なんでも AIブーム だね。
そのうち「CPU」という言葉も「ハードディスク」みたいに死語になるのかな。
「プロセッサ」と一括りにする感じで。
(補足)
- CPUとGPUに加えて、AI処理に特化したNPUも備えており、いずれもAI処理が可能で、最大34TOPSの処理性能を提供する – Intel、ついに「Core Ultra」正式発表。Ryzenより高速、AIも推進 – PC Watch