ノートパソコンdynabookを使っていて、表示されたソフトウェアの更新の通知。
そこで、「バックアップナビクラウド」というソフトを更新するように、メッセージが表示されました。
今回は、バックアップとクラウドサービスが最近どのように変わってきているか、一緒に考えてみましょう。
1. バックアップナビクラウドを更新してみる
「バックアップナビクラウド」は、dynabookで提供されている、バックアップソフトです。
まずは、このような通知が表示されました。
dynabookのソフトウェアの更新情報を管理している、「dynabook サービスステーション」というプログラムの通知です。
通知をクリックして、ソフトウェアの更新情報を確認してみると、「ダウンロード」のボタンがあります。
「ダウンロード」ボタンを押すと、更新用のプログラム(アップデーター)がダウンロードされます。
ダウンロードが終わると、データが展開され、更新を「開始」するか確認する画面が表示されます。
「開始」をクリックしました。
「ユーザーアカウント制御」の画面で、システムに変更を加えてよいか確認されます。
「バックアップナビ クラウド」と発行元「Dynabook Inc」を確認して、「はい」をクリックします。
1-1. バックアップナビクラウド セットアップ ウィザード
そうすると、「バックアップナビクラウド セットアップ ウィザードへようこそ」という画面が表示されます。
「セットアップ」とは、プログラムの追加と初期設定のことです。
ここでは、ほとんど「インストール」と同じ意味ですね。
「ウィザード」とは?
パソコンのソフトを使っていると、たまに「ウィザード」という単語を目にします。
「ウィザード」というのは、いくつもメッセージが順番に表示されて、設定を補佐してくれるプログラムのことです。
まるで「魔法使い」のように、説明しながらうまいこと設定してくれる、ということから、「ウィザード」という名前が付きました。
ほとんど「次へ」と押していくだけで、なくとなくインストールができます。
今回は、インストール先フォルダを決めるだけで、設定は完了です。
特にこだわりがなければ、はじめから表示される場所のままで大丈夫です。
あとは、少しプログラム データをコピーするのを待てば、インストールは完了です。
ウィザードのお陰で、かんたんですね。
これで、dynabookサービスステーションに表示される、更新リストから、「バックアップナビ クラウド」がなくなりました。
すっきりしましたね
2. バックアップナビ クラウドとは?
アップデートすると、デスクトップに「バックアップナビ クラウド」のアイコンが表示されました。
「バックアップナビクラウド」は、クラウド ストレージを利用したバックアップを、簡単に設定できるようにするためのアプリです。
「クラウド ストレージ」と「オンライン・ストレージ」は、同じ意味です。
会員登録をして、インターネット上にデータを預けるサービスです。
パソコンに保存されている写真データや音楽データ、Officeのデータ等を随時検索して、自動的にクラウドストレージ(OneDrive、SugarSync、Dropbox)上にバックアップするのが、その機能です。
「バックアップナビ クラウド」は、自動的に動作するプログラムなので、通知アイコンにも表示されています。
試しに、デスクトップのアイコンをダブルクリックして起動してみました。
すると、バックアップに利用するクラウドサービスを選択する設定画面が表示されます。
ここでは、OneDrive、SugarSync、Dropboxの3つが選ぶことができます。
今回は、設定するつもりがなかったので、「×(閉じる)」を選択しました。
3. どうやってバックアップを復元する?
「バックアップナビ クラウド」がどんなソフトか知るために、まずは、復元の仕方を説明します。
設定が終わると、バックアップナビクラウドの基本画面から「バックアップしたファイルを探す」ことができます。
3-1. OneDriveがわからないとバックアップは戻せない
ただし、このボタンは、OneDrive(あるいは ほかのオンライン・ストレージ)のログイン画面へのリンクに過ぎません。
ファイルは、自分でOneDriveにログインして、探す必要があります。
バックアップされたファイルは、OneDriveの「バックアップナクラウド」フォルダの中に、2階層のフォルダ分けをして保存されています。
ウェブ版のOneDriveの使い方がわからないと、バックアップしたファイルを戻すことができません。
3-2. OneDriveがわかるなら、もっとシンプルにバックアップできる
ちなみに、ややこしいのが、OneDriveでもバックアップ機能ができるようになったことです。
Window 10を利用していると、OneDriveでファイルをバックアップするようにメッセージが出ることがあります。
あまり良くわからずに使っていると、二重にバックアップしてしまうのです。
4. 時代の変化によって不要になってしまった
これまで dynabookでは、2つの機能を提供してきました。
それぞれがクラウド化の中で、どのように変化したのか説明します。
4-1. 顧客囲い込みとしての「PC設定の引っ越し」
「PC設定の引っ越し」は、「PC引越ナビ」というソフトで提供しています。
メールやインターネットの設定情報をひとまとめにして、新しいdynabookで読み込むことができます。
同じメーカーの製品だからこその移行しやすさで、引き続きdynabookを使ってもらうことができます。
これまでは設定情報はUSBメモリなどにコピーして、新しいパソコンで読み込みましたが、バックアップナビクラウドでは、設定情報をオンライン・ストレージに保存します。
ところが、最近はWindows 8, Windows 10へとアプリの仕組み自体が変わってきています。
アプリの管理もクラウド化されたのです。
そうすると、例えば、ストアアプリ版Outlookなど、バックアップの対象外のものも出てきているのです。
残念ですが、「PC引越ナビ」を利用しても、それだけで設定完了とはなりません。
メール設定やインターネット設定も、完全には移行できないケースが増えています。
4-2. 以前はデータは外付けHDDにバックアップしていた
「データの自動バックアップ」は、もともとは外付けハードディスク(HDD)に保存するのが一般的でした。
パソコン本体のデータを、予め外部ディスクに保存することで、パソコンが破損したときのための保険になります。
写真や文書など、日々 追加するデータを定期的にコピーしておくには、人間がするよりも機械に任せてしまった方がラクですし、保存し忘れがなくなります。
自動バックアップソフトは、パソコンの中のバックアップするデータを探して、定期的に外部ディスクにコピーすることが、その機能でした。
しかし、時代はクラウドになります。
dynabookでも、データのバックアップ先として、外付けHDDではなく、オンライン・ストレージに変更します。
それが、「バックアップナビクラウド」です。
はじめは、SugarSyncというオンライン・ストレージと連携しましたが、オンライン・ストレージが普及するにつれて、その後 DropboxやOneDriveにも保存できるようになりました。
4-3. オンライン・ストレージ自体にバックアップ機能ができたことで……
すると、ここで機能のバッティングが起こります。
オンライン・ストレージのサービスは徐々に高機能になり、自動でバックアップする「同期」が一般的になります。
「同期」の設定をすると、指定した場所のデータは、自動的にバックアップされます。
オンライン・ストレージのサービスにバックアップの仕組みができたことで、わざわざバックアップソフトを動作させる意義が薄れてしまったのです。
オンライン・ストレージが自動バックアップできるようになった
また、外付けHDDと違って、オンライン・ストレージにデータを保存する場合にはデータ量の問題があります。
オンライン・ストレージで利用するデータ量が増えると、有料の契約が必要になるからです。
写真や動画が増えると、けっこう簡単に無料の枠を超えてしまいます。
何も考えずにデータをバックアップすると、オンライン・ストレージの有料契約が必要になる
Windows10では、標準で利用できるOneDriveにも、バックアップ機能があります。
バックアップナビクラウドを利用している状態で、OneDriveのバックアップ機能をオンにしてしまうと、二重コピーになって、ますますデータ容量が足りなくなります。
よくわからないとOneDriveの「バックアップ」もオンにしてしまいがち
バックアップナビクラウドは、クラウドサービスの仕組みを知らなくても、手軽にバックアップができる、というのがメリットのハズです。
しかし、結局 OneDriveやDropboxといったサービスの使い方や仕組みを知らないと、詰まってしまいます。
データ容量がすぐに足りなくなるので、パソコンを買った時に設定してもらって、あとは放置、というわけにもいかないんですよね。
このように、「クラウドバックアップナビ」は、過去のサービスの延長として提供されていますが、すでに他社サービスとのバランスが悪くなっているので、わざわざ利用するメリットは少ないです。
わたしは、オンライン・ストレージの「OneDrive」の設定をすれば、十分だと思います。
今回は、アップデートの一覧に表示されたので、更新してみましたが、そもそも使っていなければ、アンインストールしても良いかもしれませんね。
一つ理解してほしいことがあって、これは、けっして dynabookが「悪い」わけではないんです。
一つの企業でサービスが簡潔しない、というクラウド時代だからこそ起きることです。
最後までお読みいただいて、ありがとうございます。
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