LINEのトーク履歴のバックアップで、PINコードを設定する手順が追加されました。
決めたPINコードは、LINEに改めてログインする時に、トーク履歴の復元する前で入力します。
ただし、PINコードは入力を「スキップ」でき、その場合でも iCloud(あるいはGoogle Drive)にバックアップしたトーク履歴は復元されます。
どうも、このPINコードは、LINEサーバに保管されている 直近14日のメッセージ・写真を復元するときの本人確認に利用されているようです。

iCloudやGoogleドライブでバックアップ・復元する方法とは、直接関係ないようです。
バックアップ時にPINコードの登録が必要になった(LINE 12.13.0〜)
LINEの最近のアップデート(LINE 12.13.0:更新日2022-08-15)で、トーク履歴に「PINコード」を登録するようになりました。

iPhoneでも、Androidでも同様の更新があります
(ここでは iPhoneの画面で説明しています)。

バージョン履歴
12.13.0
あらかじめPINコードを登録することで、古い端末を紛失した場合にも直近2週間分のトークを復元できる機能を近日中に追加予定。
AppStore
はじめは、「バックアップをPINコードで保護する」機能かと思いました。
しかし、PINコードの入力を「スキップ」しても、iCloudのトーク履歴が復元できました。
どうも「トーク履歴のPINコード」は、スマホを紛失・故障したときでも、LINEの「QRコード引き継ぎ」と同じような復元ができるように追加された機能のようです。

最近はスマホの機種変更時に、以前のスマホを「下取り・返却」する割賦プランが増えています。以前のスマホがないと、「QRコード引き継ぎ」ができないために、PINコード方式が追加されたのかな、と思います。
PINコードを作成してトーク履歴をバックアップ
まず、目立った変化としては、トーク履歴を iCloud にバックアップしようとするタイミングで、PINコードの登録を求められることです。

「設定」の「トークのバックアップ」を見ると、「今すぐバックアップ」がなくなって、代わりに「PINコードを作成してトーク履歴をバックアップ」があります。
バックアップを手動で作成するには、6桁の暗証番号を決めておく必要があります。
「バックアップ用のPINコード」を作成すると、バックアップが実行されます。

メニューに「今すぐバックアップ」と、バックアップ用のPINコードの確認・変更が追加されます。
つまり、今後は トーク履歴をバックアップするのに、PINコードの登録が必須になりました。

「バックアップ中です」の画面も、少し変わった気がするね(*^^*)
「PINコード」とは、暗証番号のことです。”Personal Identificaion Number(個人認証番号)“の略で、英数字を組み合わせるパスワードと違って、数桁の数字で構成されます。
ログイン時にPINコードはスキップしても復元できた
これだけ見ると、他人に勝手に復元されないように、「PINコードでトーク履歴を保護している」ように見えます。しかし、実際に LINE を再インストールして試してみると、そうではないようです。
まず、「電話番号でログイン」しました。
通常通り、認証番号をSMSで受け取ります。

そこで、「iCloudからトーク履歴の復元」しようとすると、PINコードの入力画面が表示されました。

ところが、このPINコードの入力を「スキップ」しても、「トーク履歴を復元しています」の画面に進みました。つまり、「PINコードがないと復元できない」というわけではなさそうです。
もしPINコードを登録せずに初期化したら?
ちなみに、もしPINコードの登録がまだの状態で初期化した場合も試してみました。
すると、最新のバージョン(LINE 12.16.0)でも「バックアップ用のPINコードを入力」画面は表示されず、そのまま「復元しています」に進みました。

PINコードを登録しないと、復元できないわけではないようだね。
考察:バックアップ復元の2つのソース

PINコードを「スキップ」できたら、意味がないじゃない?
新機能ができたばかりだからなのかな。
どうも、こういう設計の気がします。思い当たることがあるのです。
それは、ちょっと前にLINEのトーク履歴を復元したときのこと(2022年7月ごろ)です。
復元されたトーク履歴を見ていると、iCloudにバックアップした時点にはなかったはずの、比較的新しいメッセージも復元されていたことです。
iCloudへのバックアップを自動更新せず、半年ほど前の時点で停止していたのですが、最近のメッセージ・写真などが残っていたのです。よく確認してみると、14日前以降に送られたものが残っているようでした。
このことからわかるのは、復元元のデータは、
▼ iCloudにバックアップした履歴だけでなく、
▼ LINEサーバに保存されているメッセージ・写真も利用されていた、ということです。
LINEのヘルプによると……
今回、PINコードの設定は、このLINEサーバ保管分の14日間のバックアップについてのもののようです。
LINEのヘルプセンターでは、
▼ LINEアカウントの引き継ぎで
▼ 元の端末の操作できない時に
▼ 直近14日間のトーク履歴を自動的に引き継ぐことができる
書かれています。
バックアップ用のPINコードとは?
バックアップ用のPINコードを事前に登録しておくと、LINEアカウントを引き継ぐ時に、端末を紛失して手元にない場合や、手元にはあるが故障して操作ができない場合でも、直近14日間のトーク履歴を自動的に引き継ぐことができます。
「直近14日間のトーク履歴」という内容から推測されるのは、iCloudに保存されているトーク履歴のバックアップではなく、LINEサーバに残っているトーク履歴を読み込んでいるだろう、ということです。
「14日間」という期間は、「QRコード引き継ぎ」の期間とも符合します。
これまでは、LINEサーバのバックアップデータは、自動的に(勝手に)復元に利用されていたようです。そこに、本人確認の手続きが加えられたのかな、と思います。
ちなみに、ヘルプセンターでは、「設定されたPINコードは、トーク履歴の復元に必要」とありますが、「スキップ」しても復元処理が進んだので、ちょっと整合性がない気がします。

もう一度、丁寧に復元されたトーク履歴を確認する必要があります。
もしかすると、PINコード登録前のiCloudバックアップを復元している可能性もあるからです。
ただ、基本的には、iCloud内のLINEのトーク履歴のバックアップは、一時点のものだけのはずなので、ちょっと考えにくいです。