- Chromeブラウザでは、タブを切り替えるとバックグラウンド処理が影響を受けることがあります。
- これは、非アクティブタブのリソース使用を制限する設計や、JavaScript実行の制限機能が原因です。
- 対策として、重要な処理中はタブを開いたままにするか、別ウィンドウでの実行やPWAの利用を検討することができます。
1. タブを切り替えるとAIの回答生成が進んでいない?
Chromeブラウザでタブを切り替えると、オンラインで実行している操作が途切れる気がします。
例えば、AIの回答生成や、データ変換処理などなのですが、サーバに指示は送られていれば進行するはずなのに、タブを戻すと進捗していないことが多いように感じます。
確かに、ブラウザのタブの切り替えでバックグラウンドの処理が影響を受ける可能性があります。
- ブラウザのリソース管理
- バックグラウンドスロットリング
- ウェブソケット接続への影響
Chromeはアクティブでないタブのリソース使用を制限する設計になっています。
これはメモリやCPU使用量を抑えるための仕組みです。
しかし、これが原因でバックグラウンドの処理が遅くなったり一時停止したりすることがあります。
2. クライアントサイドとサーバサイドの処理の違い
特に、バックグラウンドタブでのJavaScript実行が制限される仕組みが導入されています(Chrome 88以降)。
これにより、特に長時間実行される処理や計算集約的なタスクへの影響が大きくなります。
ただし、AIの推論やデータ処理などのサーバサイドで実行される処理は、基本的にタブの状態に関係なく継続して実行されます。
影響を受けるのは、主に以下の処理です。
- クライアント側から定期的にサーバー側の更新を確認する処理(ポーリング処理)
- 進捗状況の更新
- ウェブソケット経由での結果取得
- UIの更新処理
これらのクライアントサイド処理は、タブがバックグラウンドになると制限を受けます。
すると、サーバでの処理が完了していても、その結果の取得や表示が遅延することがあるわけです。
2-1. ウェブソケット接続が中断されている?
特に、AIの回答生成などでよく使用されるウェブソケット接続は、タブがバックグラウンドに移動することで影響を受ける可能性があります。
「ウェブソケット(WebSocket)」は双方向のリアルタイム通信を実現するプロトコルです。
チャット、ゲーム、ライブ更新などに適した通信方法ですが、バックグラウンドになると影響を受けます。
- Ping/Pongフレームの遅延
- Keep-Alive接続の管理
- 再接続メカニズムの動作
接続が一時的に中断されたり、データの送受信が遅延したりすることがあるのです。
ウェブサイト側は、以下の方法で対処することができます。
- 自動再接続の実装
- バックグラウンド検知時の接続管理
- Service Workerを使用したコネクション維持
3. PWAとしてインストールする
単純な対策は、重要な処理を実行中は該当タブを開いたままにすることです。
それに加えて、「アプリとしてインストール」することで「PWA(Progressive Web Apps)として開くと、より安定した動作が期待できます。
ブラウザのバックグラウンド処理は遅くなる一方、リソースを節約できているわけです。