最近ではデータのバックアップするために、インターネットをつないで預けることが増えました。
インターネット上のバックアップ先のことを「クラウド」と言ったりもします。
インターネットといえば、心配になるのがセキュリティ。
最近 何かとニュースもあり、どこでパスワードが漏れるかわかりません。
もし「誰かにパスワードが見られてしまったら……」と心配にもなりますよね。
とはいえ、闇雲に不安に思うよりも、気をつけるべきポイントを知っておく事が大事です。
今回は、会計ソフトのセキュリティについて考えてみましょう。
1. もしパスワードが知られてしまったら……
使っている会計ソフトが、クラウドでデータバックアップをするようになって心配ということで、こんな質問がありました。
会社で専用のパソコンに会計ソフトをインストールして使用しています。
最近、会計ソフトがデータをクラウド上にバックアップするようになり、インターネット回線に繋げて使用しています。
会計用のパソコンは会計の業務のみで使用して、 インターネットやメールの閲覧には使っていません。
会計ソフトには起動時のログイン、更に重要な項目を開く時にログインがあるのですが、もし、このパスワードを第三者が知った場合、 インターネットを通して外部からアクセスされる危険性はありますか?
最近 何かとニュースもあり、どこでパスワードが漏れるかわかりません。
もし「誰かにパスワードが見られてしまったら……」と心配にもなりますよね。
クラウドでのバックアップのメリットは、パソコンが故障してもデータが残ることで、
デメリットはデータ流出の危険があることです。
メリットとデメリットを考えながら導入することになります。
今回の質問については、結論から言うと、このように日頃からセキュリティの注意をしていれば、パスワードだけで外部からアクセスされることは考えにくいです。
1-1. セキュリティの2つの危険を区別する
セキュリティの危険には、2種類あります。
1-2. インターネットからの侵入者
インターネットからの侵入者は、映画に登場する「ハッカー」のイメージ。
コンピュータを操作して不正にアクセスします。
地球上のどこからでも攻撃できるため、標的になるのは、資金のある大企業であったり、たまたま引っかかる無防備な個人であったりします。
ウイルスや偽サイトなどをメールに仕込んで、セキュリティを解除させた上で不正アクセスします。
わたしたちが日ごろ遭遇するのは、無差別に送られる迷惑メールです。
「迷惑メールを不注意に開かない」ように注意します。
1-3. 物理的な侵入者
もうひとつは、物理的な侵入者で、イメージとしては「怪盗」や「スパイ」のようなものです。
警察官に偽装してパスワードを聞き出したり、宅配業者に偽装してパソコンやスマホを盗んだりして、不正アクセスするケースです。
注意すべきポイントは、「自分から問い合わせた場合以外は、どんな相手でもパスワードは教えない」や「パスワードを人の見えるところに書いておかない」などです。
2. 専用パソコンが遠隔操作される可能性
今回は、外部にパスワードが知られたときに不正アクセスされるのか、ということですが、まず区別しないといけないのが「何のパスワードなのか?」ということです。
会計ソフトで設定しているログインパスワードであれば、専用パソコンのソフトでしか通用できません。
つまり、「ローカルなパスワード」です。
それでは、専用パソコンの会計ソフトを、 第三者が外部から遠隔操作するためには、どんな条件が必要でしょうか?
「遠隔操作ソフト」は、外部からパソコンを操作できるように、扉を開けるソフトです。
遠隔サポートで使う合法的なソフトもあれば、反対にコンピュータウィルスで入ってしまうマルウェアもあります。
2-1. セキュリティソフトが遠隔操作ソフトを検知する
いずれにしても1・2が満たされてしまっても、3なければ遠隔操作できません。
そこで、セキュリティソフトが大事です。
セキュリティソフトは、常駐している遠隔操作ソフトを検知するようになっています。
もちろん、はじめから偽メールから変なウイルスに引っかからないように、注意しておくことも有効です。
今回の会計用のパソコンでは、インターネットやメールの閲覧はしていないということで、心配は少ないです。
3. 同じパソコン設定をしてサーバーにアクセスされる可能性
もし、知られてしまったパスワードが、会計サービス自体の IDとパスワードだった場合は、外部からサーバーに不正にアクセスされてしまうおそれがあります。
3-1. リスクベース認証で普段と異なる環境からのログインを検知できる
しかし、実はかんたんには不正アクセスできない仕組みがあります。
それは、「リスクベース認証」というセキュリティ保護の仕組みです。
「リスクベース認証」は、普段と異なる環境からのログインがあった場合、いったんアカウント自体をロックする保護です。
本人のログインであるかどうか電話などで確認して、ロックの解除をします。
多くの会計サービスには、このようなセキュリティ保護がありますので、確認してみてください。
ということで、今回のような会計ソフトの場合、ログインパスワードだけで不正アクセスさせてしまう可能性は低いと言えます。
インターネットにつないで、クラウド上にデータを保管しているというと、不安になりますが、セキュリティの仕組みも進歩しています。
もちろん、油断は禁物。しっかりパスワードは管理して、異変を感じたら必要に応じて変更するようにしましょう。
セキュリティは基本に忠実に。
セキュリティソフトの導入やフィッシングメール対策が有効です。
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