- 「ビジネスチャットツール」は、チームメンバー間でリアルタイムにメッセージを交換できるシステムです。
- メールより即時性が高く、個人間やグループでの会話、ファイル共有、過去メッセージの検索が簡単にできます。
- Slack、Chatwork、Microsoft Teamsなど各ツールには特徴があり、セキュリティ面でも認証や暗号化で情報を保護できます。

要は、「仕事用のグループチャット」ですね。
文書ファイルなどを共有する保存領域もあるので便利です。
1. ビジネスチャットの共通的な特徴
「ビジネスチャットツール」とは、仕事のメンバー同士がリアルタイムでメッセージを送り合うためのツールです。

メールに比べて、チャットは相手にすぐに届くため、素早い情報共有が可能です。
新しいメッセージが届いたときは通知があるので、とくに自分宛てのメッセージ(@マークを使った呼びかけ)を見逃さずに済みます。
- グループでもメッセージができます。
個人間の1対1の会話だけでなく、特定のチーム内での打ち合わせや会社全体に向けた連絡など、用途に合わせて使い分けられます。 - ファイルの共有も簡単です。
文書やプレゼン資料、写真、動画など、さまざまな種類のファイルを送信できます。
検索機能で、過去のやり取りから必要な情報がすぐに見つかります。 - セキュリティ面では、ログインには認証が必要でメッセージは暗号化されます。
2. 主要なビジネスチャットツール
- Slack
- Chatwork
- Microsoft Teams
- Google Chat
- Zoom Chat
- LINE WORKS
ツール名 | 主な特徴 | 欠点・注意点 |
---|---|---|
Slack | • リアルタイムコミュニケーションが可能 • チャンネル機能によるトピック別の会話整理 • 豊富な外部アプリ連携機能 | • メッセージ閲覧は過去90日間までに制限 • インストール可能なアプリは最大10個まで • 有料プランは比較的高価 |
Chatwork | • 日本企業向けに最適化された機能 • タスク管理機能が充実 • 既読管理機能 | • メッセージは直近40日以内の最新5000件まで • 外部サービスとの連携が限定的 • エンタープライズ向けの高度な管理機能が不足 |
Microsoft Teams | • Microsoft 365との深い統合 • ビデオ会議機能が充実 • 共同文書編集機能 | • 無料プランでは会議時間が60分まで • ストレージは1人5GBまで • インターフェースが複雑で初心者には扱いづらい |
Google Chat | • Google Workspaceとの完全統合 • Gmailからの直接アクセスが可能 • Google Meet とのシームレスな連携 | • 無料プランでは3人以上の会議は60分まで • 参加可能人数は100名まで • 単独での導入が難しい |
Zoom Chat | • Zoomのビデオ会議と連携 • シンプルなインターフェース • ファイル共有や画面共有機能 | • 無料プランは40分の時間制限あり • チャットツールとしての機能が限定的 • 長期的なプロジェクト管理には不向き |
LINE WORKS | • LINEの使いやすさをビジネス向けに最適化 • 日本企業での普及率が高い • モバイルでの使いやすさ | • メジャーなビジネスツールとの連携が少ない • プライベート用LINEとの混同の可能性 • セキュリティ面で企業要件を満たせない場合あり |

各ツールには特徴があり、企業の規模、業種、ITリテラシー、セキュリティ要件などに応じて適切なものを選択することが重要です。
導入前に十分な比較検討と試用期間を設けることをお勧めします。
3. これまでのビジネスチャットツールの進化
ビジネスチャットツールは、初期のシンプルなテキストベースのコミュニケーションツールから、現在の多機能な協業プラットフォームへと進化を遂げてきました。
近年では、リモートワークの普及と共に、さらなる機能の拡充と利用の拡大が進んでいます。
3-1. 初期のネットワーク通信
初期のコンピュータでは、ローカルネットワークにおけるコミュニケーション機能が生まれました。
- 1979年:AT&Tベル研究所のUNIXにwriteコマンドが導入され、指定した相手にメッセージを送る機能が実装された
- 1983年:カリフォルニア大学バークレー校の4.2BSDにtalkコマンドが追加され、複数ユーザー間でのテキストのやり取りが可能になった
当時は、まだ一般的なインターネットは普及しておらず、主に研究機関や大学のコンピューターサイエンス部門などの限られた環境でのコミュニケーションツールでした。
3-2. インターネットの普及とチャットツールの標準化(1980年代後半〜 2000年代)
インターネット黎明期には、IRCプロトコルの標準化で複数ユーザーによるリアルタイムチャットができるようになりました。
チャンネル概念を導入され、グループコミュニケーションができるようになりました。
- 1988年:IRC(Internet Relay Chat)が開発され、1993年にRFC1459として標準化された
- 1996年:IP MessengerとICQが登場し、チャットツールの一般への普及が始まった
- 2000年代初頭:AOL Instant Messenger、Google Talk、MSNメッセンジャーなど、様々なチャットツールが登場
- 2007年頃:企業内で掲示板やIPチャットが使用され始める
- 2009年頃:クローズドなチャットツールの利用が増加
3-3. 2010年代以降:モバイルメッセージングとクラウドサービスの台頭
2010年代になると、スマートフォンの普及とともに、チャットとビジネスツールを統合する動きが活発化しました。
- 2011年:LINEのサービス開始、Chatworkの開発
- 2012年頃:ビジネスでのショートメール利用が増加
- 2013年:Slackのサービス開始
- 2014年頃:ビジネスチャットツールとしてのLINEの利用が拡大
- 2016年:LINE WORKSのサービス開始
- 2017年:Microsoft Teamsのサービス開始
- 2019年以降:新型コロナウイルス感染症の流行とリモートワークの普及に伴い、ビジネスチャットツールの利用が急速に拡大
検索可能な履歴、外部サービスとの連携APIなど、ビジネスコミュニケーションの概念が根本から変わりました。
こちらもどうぞ。






HangoutはGoogle Chatになっている(ビジネスチャットツール)
Google Chatは、Google Hangoutの後継ツールで、ビジネス向けに拡張・発展させたものです。GmailやGoogle Docsなどとの連携がしやすくなっています。ZoomやSlack、そして Microsoft Teamsに対抗しているんだろうね。Google Hangoutは個人向けGoogle Chatは、テキストでのグループチャットができるコミュニケーションツールで、ブラウザやPC、スマートフォンのアプリとして利用できます。2013年:Goog...

「Slack」とは?
「Slack(スラック)」は、仕事向けによく使われるチャットツールです。Slackは、LINEのように手軽にコミュニケーションができます。それだけでなく、テーマや話題ごとに話したり、資料を共同編集したりできます。特に、パソコン版での使い方が洗練されています。スラッシュコマンドを活用すると、いわばコミュニケーションの「ターミナル」になります。Slackは、返信でのやり取りのほかに「スレッド」といって、SNSのコメントのような機能があるのが便利です。仕事の連絡で、メールだとまだる...

もしかして Slack より Microsoft Teams がいい?(ビジネスチャットの保存期間)
SlackやChatWorkは、無料プランだと過去のチャットの閲覧期間の制限があります。これが有料プランに変更する動機です。それに対して、Microsoft Teams のチャットには期間制限がありません。Microsoft Teamsは、ビデオ会議用のツールでもありますが、チャットツールとしても使いやすいです。教室では、Slackの有料プランを利用しているのですが、小規模なので Microsoft Teams でも十分な気もして迷っています。SlackとChatWorkの期...

「グループウェア」とは?
「グループウェア」は、組織内限定のコミュニケーション用アプリです。いわば「メンバー限定の非公開SNS」です。職場やチームのメンバー同士でアプリに登録し、スマホやパソコンから情報交換やスケジュール管理などをします。代表的アプリとしては、Slackや Microsoft Teams などがあります。

もしかして Slack より Microsoft Teams がいい?(ビジネスチャットの保存期間)
SlackやChatWorkは、無料プランだと過去のチャットの閲覧期間の制限があります。これが有料プランに変更する動機です。それに対して、Microsoft Teams のチャットには期間制限がありません。Microsoft Teamsは、ビデオ会議用のツールでもありますが、チャットツールとしても使いやすいです。教室では、Slackの有料プランを利用しているのですが、小規模なので Microsoft Teams でも十分な気もして迷っています。SlackとChatWorkの期...
QRコードを読み込むと、関連記事を確認できます。
