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LINE Payライト残高は、サービス終了時に「払い戻し」されるはず(プリペイドの払い戻し)

LINE Payライト残高は、サービス終了時に「払い戻し」されるはず(プリペイドの払い戻し)

「LINE Payライト残高」は、もともと「出金」できないルールです。
しかし、サービス終了時には「払い戻し」が必要になります。

結論としては、急いで手数料を払って現金化せずとも、おそらく全額「払い戻し」になると思います。

ふだん釣り銭が出ない商品券でも、払い戻し時は全額返金されるからです。

LINE Payライト残高は、サービス終了時に「払い戻し」されるはず(プリペイドの払い戻し)

この一見して矛盾する仕組みについて考えます。

YouTube動画でも話しています。

注意

適法性・有用性についてはご自身の責任のもと考慮していただくようお願いいたします。

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1. LINE Pay終了前に使い切る必要はあるのか?

LINE Payのサービス終了が発表されました。
気になるのが、LINE Payの残高。
終了前に使い切ったり、出金しておかないとなくなってしまうのでしょうか?

とくに、LINE Payライトの残高の方も払い戻しはあるのでしょうか?

LINEの発表の「よくある質問」の「保有しているLINE Pay残高、LINE Payライト残高はどうすれば良いでしょうか」によると、「資金決済法第20条第1項に基づく払戻しまたは第61条第5項に基づく為替取引に関し負担する債務の履行を予定しています」となっています。

LINE Pay終了前に使い切る必要はあるのか?

保有しているLINE Pay残高、LINE Payライト残高はどうすれば良いでしょうか。

各サービスは2025年4月までに順次終了となりますが、コード支払いは2025年4月下旬までご利用いただけます。LINE Pay加盟店、またはPayPay加盟店にてお支払いにご利用いただくか、出金サービスまたは銀行振込サービスをご利用ください。
なお、2025年5月以降「LINE Pay」サービス終了後のLINE Payの残高に関しては、LINE Payアカウントの種類を問わず、資金決済法第20条第1項に基づく払戻しまたは第61条第5項に基づく為替取引に関し負担する債務の履行を予定しています。

LINE Payサービス終了に関するお知らせ(2024-06-29時点)

LINE Payには、LINE Pay残高とLINE Payライト残高があります。

LINE Pay終了前に使い切る必要はあるのか?

文脈上「LINE Payの残高」は、LINE Pay残高とLINE Payライト残高を合わせていると考えられます。

LINE Pay終了前に使い切る必要はあるのか?

ただ、なんとなくルールの整合性は検討し切れてないような気もしました。

個人的には「ほんとに払い戻しできるの?」と疑問に思い、出金前に本人確認書類等が必要になるのかな、と考えていました。

2. LINE Payライト残高とは?

「LINE Payライト残高」は、出金ができないようになっています。
つまり、「現金化」や「銀行口座への送金」ができません。

LINE Payライト残高とは、本人確認不要で友だちへ送ることができる残高です。

LINE Pay残高同様に、支払いに利用することもできます。

なお、出金や銀行振込サービスでの利用はできません。

LINE Payライト残高について

これは、単に LINE Payの利用規約によって制限されているだけではありません。
資金決済法(第20条など)での「第三者型前払式支払手段」として扱われているためです。

プリペイドと資金決済法

1980年代後半から1990年代にかけて、日本ではプリペイドカードや電子マネーなどの新しい決済手段が登場し始めました。
従来の現金や銀行預金とは性質が異なるため、新たな課題が生まれました。

  • 利用者保護の必要性
    (発行者の破綻リスクなど)
  • マネーロンダリング防止
  • 金融システムの安定性維持

これらの課題に対応するため、2009年、「資金決済に関する法律」(資金決済法)が制定され、法的に「資金移動業」や「前払式支払手段」が定義されました。

2-1. LINE Payライト残高は「預け入れ」でも「チャージ」でもない

LINE Payライト残高は「お金」に近い機能を果たしますが、銀行の預金とは違います。

支払い方法と法的な位置け
  • LINE Payライト残高
    資金決済法の「第三者型前払式支払手段」
  • LINE Pay残高
    資金決済法の「資金移動業」
  • 銀行預金
    銀行法に基づく「預金」

銀行預金は銀行法に基づく「預金」は、預金者と銀行の間の債権債務関係を形成します。

しかし、LINE Payライト残高は、「第三者型前払式支払手段」に該当する「電子的な価値」です。
「第三者型前払式支払手段」は、かんたんに言えば「いろんなお店で使えるプリペイド」です。

つまり、LINE Payライト残高は「預け入れ」ではなく、サービス内で使える「商品券」として購入されたものなのです。

LINE Payライト残高は「預け入れ」でも「チャージ」でもない

LINE Payライト残高のほかに、ICOCAなどの交通系ICカードも同じ仲間です。

前払式支払手段

資金決済法では、前払式支払手段を以下の2つに分類しています。

  • 自家型前払式支払手段:
    発行者自身の商品やサービスにのみ使える
  • 第三者型前払式支払手段:
    発行者以外の加盟店でも使える

「第三者型」の方が利用範囲が広く、より「お金」に近い性質があります。

3. LINE Payライト残高がどのように生まれる?

ここでややこしいのは、「LINE Payライト残高」と「LINE Pay残高」との違いです。

LINE Payライト残高

LINE Payでのお支払いや、本人確認前でもLINE Payユーザー間での残高送付にご利用いただけます。

LINE Pay残高

支払いや送金以外にも、本人確認を行った方は銀行口座振込サービスや出金など、あらゆるLINE Payのサービスでご利用いただけます。

送る人のアカウントの種類によって、LINE Payライト残高でお相手が受け取ります。

LINE Pay残高ってどう使うの?

「LINE Payライト残高」が生まれるのは送金をもらった時です。

送る人が「LINE Cashアカウント」の場合、
  • 送金したタイミングで LINE Pay残高を支払って
  • 「LINE Payライト残高」が購入され、
  • それを もらう人に送っています。
参照:https://scdn.line-apps.com/lan/image/linepay_jp/android/ja/helpArticle/20027062.png
参照:https://scdn.line-apps.com/lan/image/linepay_jp/android/ja/helpArticle/20027062.png

3-1. 2つのLINEアカウント

LINE Payの利用者には2種類あります。

LINEアカウントの種類
  • 本人確認を済ませていない
    LINE Cashアカウント
  • 本人確認を済ませた
    LINE Moneyアカウント
2つのLINEアカウント

LINE Payライトを生み出すのは、 LINE Cashアカウントの方です。

LINE Payの場合は、「資金移動業」。
より銀行に近い送金サービスを提供し、それに応じた厳格な規制を受けます。
資金移動が可能ですが、そのためには本人確認が必要です。

犯罪収益移転防止法による規制で、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与の防止など、お金の不正な動きを防ぐためです。

  • 「特定事業者」の定義に資金移動業者が含まれています(第2条)。
  • 特定事業者に対し、取引時の本人確認を義務付けています(第4条)。
2つのLINEアカウント

つまり、LINE Moneyアカウントなら「資金移動」ができますが、LINE Cashアカウントはできません。

3-2. 本人確認なしで「送金」を可能にする仕組み

本来、LINE Cashアカウントは「資金移動」ができません。
そのため、いったんプリペイドである「LINE Payライト残高」を購入し、それを送る仕組みになっていました。

LINE Payライト残高は「前払式支払手段」であり、犯罪収益移転防止法の厳格な本人確認義務の対象外になるからです。

LINE Payライト残高は、ご自身でチャージできません。

本人確認を完了していないLINEの友だち(LINE Cashアカウント)が、LINE Pay残高を送った場合、自動的にLINE Payライト残高として送付されます。

送付されたLINE Payライト残高を受け取ることで、LINE Payライト残高を保有できます。
※LINE Payライト残高は出金できません。

ただし、受け取ったLINE Payライト残高は、出金できなくなります。

本人確認なしで「送金」を可能にする仕組み

ちょっと言い方が悪いけど、LINE Cashアカウントからの送金が、LINE Payライト残高に「汚染」されるんだね。

トランプのババ抜きの「ババ」みたいだね。

ちなみに、受け取ったLINE Payライト残高は分けて管理されていて、自分でチャージした残高より先に使われます。

LINE Payライト残高とLINE Pay残高には優先順位があります。

支払い:LINEポイント → LINE Payライト残高 → LINE Pay残高

送金⋅送付や支払いの優先順位はありますか?また優先順位は変更できますか?
本人確認なしで「送金」を可能にする仕組み

実は、LINE Payライト残高が出金できないのには、セキュリティ上のメリットもあります。

仮にアカウントが乗っ取られた場合でも、そのまま大金を引き出されず、被害額を最小限に抑えられるからです。

3-3. 【参考】さまざまなサービスの「電子的な価値」

「お金」のような役割を果たす電子データには、以下のようないろんなパターンがあります。

さまざまなサービスの「電子的な価値」
  • 電子マネー(交通系ICカード)
    主に交通機関での利用を目的とし、小売店でも使用可能。
    ICチップにデータを保存。
    Suica、ICOCAなど
  • 汎用電子マネー
    主に小売店での支払いに使用。
    ポイントプログラムと連携していることが多い。
    Edy、nanaco、WAON
  • モバイル決済サービス
    スマートフォンアプリを通じて利用。
    QRコードやバーコードでの決済が主流。
    PayPay、LINE Pay、メルペイ、楽天ペイ
  • プリペイドカード
    特定のサービスやプラットフォーム内での利用に限定されることが多い。
    Amazon ギフトカード、iTunes カード、Google Play ギフトカード
  • ゲーム内通貨
    特定のゲーム内でのみ使用可能。
    現実の通貨で購入することが多い。
    V-Bucks(フォートナイト)、Robux(ロブロックス)
  • ポイントサービス
    購買に応じてポイントを付与。
    多くの場合、ポイントを使用して支払いも可能。
    Vポイント(Tポイント)、楽天ポイント、dポイント、航空会社のマイレージ、ホテルのポイントプログラム
  • 仮想通貨(暗号資産)
    ブロックチェーン技術を用いた分散型のデジタル通貨。
    法定通貨との交換や、一部店舗での決済に使用可能。
    Bitcoin、Ethereum、XRP(リップル)
  • 企業独自のデジタルトークン
    特定の企業や団体が発行し、限定された経済圏内で使用。
    JPモルガンのJPMコイン1
  • 中央銀行デジタル通貨(CBDC)
    中央銀行が発行するデジタル通貨。
    法定通貨のデジタル版として機能することを目指す。
    中国のデジタル人民元(試験運用中)
【参考】さまざまなサービスの「電子的な価値」

「お金」みたいなものって、いつの間にかたくさんあるんだね。

4. プリペイドと返金・払い戻し

ふつうは、一度 購入したモノが返金される保証はありません
また、資金決済法や犯罪収益移転防止法によって、LINE Payライト残高からお金を引き出すことも原則として禁止されています。

しかし、サービスが終了する場合は別です。
前払いしただけで約束どおり使えなければ、消費者にとっては大問題だからです。

4-1. 「払い戻し」は商品券と同じ

金融庁によると、前払式支払手段はサービス終了時に「払い戻し」手続きの対象になります。
デジタルの場合でも、紙の商品券などと考え方は同じです。

商品券(プリペイドカード)の払戻しについて

(注)ここでいう商品券とは、資金決済に関する法律(以下「資金決済法」という。)第3条第1項に規定する「前払式支払手段」のことです。
 前払式支払手段とは、商品券、ギフト券、磁気式やIC式のプリペイドカード、サーバ型前払式支払手段等の総称です。

商品券(プリペイドカード)の払戻しについて:金融庁
「払い戻し」は商品券と同じ

「サーバ型前払式支払手段等」に含まれるんだね。

プリペイドサービスを終了する場合は、払い戻し期間を公表する必要があります。

金融庁のホームページでも一覧表が公開されています。

商品券(プリペイドカード)の払戻しについて:金融庁
商品券(プリペイドカード)の払戻しについて:金融庁
たとえば、

JR東海ツアーズの旅行券「ふれあいぷらっと」の廃止の事例(2024年3月31日)では、2024年4月1日~2025年2月28日の払い戻し期間が設けられています2

払い戻しは、

  • 店頭への持ち込みだと現金で、
  • 払戻し事務局への書類郵送だと指定銀行口座への振込、

となっています。
(書類の郵送費も JR東海ツアーズが負担しています)

先例から考えると、LINE Payライト残高の払い戻しではユーザー側が指定した銀行口座への振込の形になることが予想されます。
また、振込の手数料も事業者負担にはなるのではないでしょうか。

つまり、LINE Payのサービス終了前に、自費で急いで出金する必要はないと考えます。

「払い戻し」は商品券と同じ

この払い戻し手続きでは、法的には本人確認は必要ないはずです。
もらった商品券でも払い戻しができるからです。

あとは、LINE Payのルール次第ですが。

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  2. JR東海ツアーズ旅行券「ふれあいぷらっと」廃止及び払戻しについて|JR東海ツアーズ
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