- シニアの方(80代)から、「パソコンの動作が遅いので買い替えが必要か見てほしい」という相談がありました。
- メンテナンスで多少は動作が速くなったので、買い替えずに今のパソコンを使い続けることになりました。
- ケースにもよりますが、新しいパソコンに戸惑って挫折しては元も子もないからです。
使い慣れたパソコンを活用し、買い替えの時期を見計らうのも一案ですね。
1. パソコンの動作が遅い
シニア世代(80代)の方からの相談で、
「パソコンの動作が遅いので、買い替えが必要か見てほしい」
というケースがありました。
そのパソコンは、10年以上前に購入したもので、Windows 7をWindows 10にアップグレードしたものでした。
当時としては高性能のものを購入したこともあり、2024年の今でも動いています。
ただし、更新プログラムが溜まっていて、ハードディスクの使用率が常に100%の状態。
何をするにも起動に時間がかかっている状態でした。
1-1. 不要な機能を無効化し更新を完了させる
とりあえず動作を軽くするため、検索のハイライトやニュースの機能を無効にし、使っていないOneDriveの同期を止めました。
まだ、更新プログラムは残っていましたが、なんとか3分ほどで起動するように改善しました。
「これでもだいぶ速くなった♪」とおっしゃっていました。
今後のメンテナンスのために、ふだんのパソコンの更新の仕方を説明しました。
2. 買い替える必要性は?
さて、パソコンを買い替える必要があるかどうか?
主に3つの選択肢があります。
- すぐに新しいパソコンに買い換える
- 今のパソコンのハードディスクをSSDに交換する
- このまま使い続ける
このケースでは相談の結果、とりあえず「このまま使い続ける」を選ぶことになりました。
その理由は以下の通りです。
2-1. 急に新しい画面に変わる不安
まず、新しいパソコンに買い換えた場合、一番の問題は新しい画面の使い方に慣れること。
ところが、最近のWindowsはどんどん新機能が追加され、全画面で表示される選択肢を選ばないと進めないことが多いです。
パソコンの不安が大きくなると、まったく使わなくなってしまう恐れもあります。
たとえていうなら、いきなり引っ越してご近所付き合いも変わるようなもの。
かなり戸惑いが大きくなります。
こういうときは、今のパソコンをどのように、どれぐらい使っているのかが大事です。
相談者の場合、今のパソコンは、たまに調べものでインターネットを使うだけだそうです。
でも、最近は起動が遅くなったこともあり、使う頻度が減っているとのこと。
ここで、すぐに新しいパソコンにするとさらに利用頻度が減ってしまうことも考えられます。
しかし、スマートフォンを利用しておられないこともあり、インターネットにアクセスする唯一の手段。
なんとか社会とのつながりは維持したいものです。
2-2. SSD換装は「もったいない」かも?
SSDに交換することも検討しました。
起動は劇的に速くなるはずです。
しかし、Windows 10のサポート期限が来年(2025年)に迫っていることも気になります。
Microsoftによると、Windows 10は22H2が最終バージョンで、サポート期限は2025年10月14日です1。
今のパソコンの性能ではWindows 11にはアップグレードできず、Windows 10までしか使えません。
SSDに交換して起動が速くなっても、サポート期間が終了するとインターネットを安全に使い続けるのが難しくなります。
また、今いったんSSDに交換すると、サポート期限が来てもまた新しいパソコンを購入するのがもったいなく感じます。
サポート終了後にそのまま使い続けるのは、やっぱり危険。
3. まずは今のパソコンを「使い倒す」
以上の理由から、
- 今は何もせず使えるところまで今のパソコンを使う
- パソコンの故障やサポート終了で、どうしても必要になった時点で買い替える
ということになりました。
まずはパソコンをもっと使って慣れることが大事。
そうすれば、新しいパソコンを買い替えたときにも使いやすくなるはずです。
パソコン購入は、そうしてからの方が良いということになりました。
もちろん、さっさとパソコンを買い替えて早く新しいものに慣れていく、というのも有力な選択肢だとは思います。
しかし、80代の方の場合、慣れるまでの期間が大変なのも事実。
新しいパソコンに慣れることなく「挫折」してしまっては困ります。
更新作業を済ませて起動時間が許容範囲になったので、ゆっくりなら使い慣れたパソコンを利用できます。
Windowsのアップデートを意識すれば、今のパソコンの力をもう少し引き出せます。
正解があるわけではありません。
それぞれの事情や考え方に合わせて選んでいく必要があります。
(補足)
- Windows 10 は 2025 年 10 月 14 日にサポート終了となります。 現在のバージョンである 22H2 は Windows 10 の最終バージョンであり、すべてのエディションはその日まで毎月のセキュリティ更新プログラムのリリースで引き続きサポートされます。 – Windows 10 Home and Pro – Microsoft Lifecycle | Microsoft Learn