- UQモバイルメール(
〜@uqmobile.jp
)にHTMLメールを送ると、テキストメールに変換されて表示されます。 - これは、UQモバイルメールが MMS という仕組みを採用しているからです。
- MMSは、2000年代に規格化された携帯電話向けのメッセージ方式で、一般的なパソコン用メールとやり取りできるものの、携帯電話に適した「軽量化」が施されています。
- つまり、GmailやiCloudメールなど同じようには動作しないので注意が必要です。
1. HTMLメールがテキストメールになる
フォントサイズや色を指定したHTMLメールを UQ mobileメール(〜@uqmobile.jp) に送ったところ、装飾が省かれたテキストメールとして表示されました。
元のHTMLメールをそのまま閲覧することができないのです。
当初は、迷惑メールフィルターの「HTML規制」が原因なのかな、と考えました。
HTML規制
HTMLメールを受信しないよう設定できます。
迷惑メールフィルター│格安スマホ/格安SIMはUQ mobile(モバイル)【公式】
しかし、「HTML規制」は「なし」になっていました。
それにメールの受信自体はできているので、受信拒否に設定されているわけではありません。
1-1. メールアプリ、CosmoSia
UQモバイルメールは、メールアプリ「CosmoSia」で受信するのが標準です。
UQモバイルは自前のメールアプリを提供していないからです1。
Androidスマートフォンでは「Cosmosia」アプリ、iPhoneでは「メッセージアプリ」でご利用できます。
メールサービス|格安スマホ/格安SIMはUQ mobile(モバイル)【公式】
「CosmoSia」のアプリ紹介を読むと、UQ mobileのメールアドレスは、IMAP4やPOP3と区別して「MMS」と書かれています。
・複数のメールサービスのメールボックスをまとめて管理できます
メールアプリCosmoSia:Gmail ヤフー ドコモ対応 – Google Play のアプリ
SMS、MMS(UQ mobile メール)、IMAP4(Gmail、ドコモメール、Yahooメール、Hotmail/Outlookなど)、POP3に対応しております
※UQ mobile メール または SMS の場合はデフォルトアプリに設定の上、ご利用ください。
その上で、「UQモバイルメール(MMS)は、HTMLメール非対応」と書かれています。
・デコメも思い通りに使えます(…)
メールアプリCosmoSia:Gmail ヤフー ドコモ対応 – Google Play のアプリ
※UQモバイルメール(MMS)、SMSはHTMLメール非対応のためデコメはご利用いただけません。
1-2. UQモバイルメールはMMS
どうして、UQモバイルメールだけダメなの?
当初、「UQモバイルメールで HTMLメールを受信できないのは、メールアプリである CosmoSia に原因があるのか」と考えました。
しかし、UQモバイルのサイトにある「メールサービス」2の記載を読むとそうではないことがわかりました。
「UQモバイルメールではHTMLメールは利用できない」と書かれていたのです。
デコレーションメール/HTMLメールはご利用いただけません。
メールサービス|格安スマホ/格安SIMはUQ mobile(モバイル)【公式】
そもそも、UQモバイルメールは、一般的なプロバイダメールとは設定の仕方から異なります。
メールアプリにメールアカウントとパスワードを登録する方法ではないのです。
UQモバイルメールを使うには、APN設定で「MMSC」「MMSポート」を指定します3。
- MMSC:
http://mms.ezweb.ne.jp/MMS
- MMSポート:
80
その上で、メール送受信にはUQモバイルのSIMが挿入されている必要があります(Wi-Fi 接続中でも)。
SIMとAPNの情報によって、メールの認証をしているのです。
UQモバイルで直接 スマートフォンを購入した場合は、このような設定があらかじめされています。
自分でスマートフォンを用意した場合には、機種変更時に設定しておかないと「メールが届かない」ということになります。
2. MMSの仕組み
MMSCとか、MMSポートってどういうこと?
「MMS」は、「Multimedia Messaging Service」の略です。
携帯電話用のメッセージングサービスの規格で、2001年頃に標準化されました。
メッセージングサービス?
電子メールじゃないの?
MMSは、「SMSの仲間」とも「電子メールの仲間」とも言えます。
MMSは、SMSの発展形として生まれましたが、「メールアドレス宛の送信をサポートする」ようになったおかげで、パソコンなどとも電子メールでやりとりができるようになりました。
しかし、通常の電子メールとは少し異なる仕組みになっています。
MMSに「マルチメディア」を冠しているのは、メール(メッセージ)に画像、音、ビデオ、リッチテキストを含めて送受信できるようになったからです。
そういう意味で、テキストだけだった「SMS(Short Messaging Service)」の発展形なのです。
2-1. 日本における携帯電話
ちなみに、「携帯電話の電子メール = MMS」とは言えません。
確かに、MMSは「携帯電話で電子メールをやり取りする方式」として、多くの国の携帯事業者で採用されました。
しかし、日本では事情が異なります。
というのも、2000年ごろの日本では、すでにドコモの「iモードメール」や auの「EZwebメール」など、MMS規格ではない独自の方式を採用されていたからです。
大手キャリアの中ではソフトバンクの「S!メール」は MMS規格を採用しています。
日本独自の方式が国際的に標準化できなかったから「ガラケー(ガラパゴス携帯)」などと呼ばれることになったんだね。
ちなみに、スマートフォンが主流になった現在では、多くのキャリアメールがパソコンなどと同じメールサーバを使う方式に移っています。
2-2. MMSは受信の仕方が独特(MMSC)
MMSの配送方法では、通信事業者のMMSC(MMSセンター:Multimedia Messaging Service Center)が重要です。
MMSCは、SMSのSMSC(SMSセンター)と似た仕組みです。
一般的な電子メールサービスの場合、送られてきたメールはインターネット上のメールサーバに届きます。
端末側はサーバに定期的にアクセスして新着メールを確認します。
それに対して、MMSでは送られてきたメールは通信事業者のMMSCに届きます。
すると、MMSCは端末に(表示されない)SMSが送ります。
携帯電話はその合図でメールを受信しにいくのです。
つまり、MMSCから携帯電話を呼び出してもらう仕組みです。
そのためには、あらかじめメールアドレスと自分の携帯電話の電話番号との対応を覚えおいてもらう必要があります。
これが、MMSCやMMSポートを設定したり、SIMが必要な理由です。
このような方式が採用されたのは、携帯電話では現在のように常にはインターネット回線を利用できなかったからです。
SMSで採用されていたSMSCの方式を、電子メールに合わせて改良していることがわかります。
「携帯電話とパソコンで電子メールができる」と思っていたけど、パソコン用のメールとは仕組みが違ったんだね。
2-3. Content Adaptation(コンテンツ適応)
また、MMSの規格では、受信したメールをMMSC内で軽量化できることが認められています。
これを「Content Adaptation(コンテンツ適応)」といいます。
MMSCでは携帯電話で表示しやすいように、リッチテキストの装飾を落としたり、画像の画質を落としたりするのです。
これはパソコン向けに送られてくるメールを、(当時の処理性能が貧弱な)携帯電話でも読めるようにするための工夫でした。
UQモバイルでHTMLメールが表示できないのは、この「コンテンツ適応」が原因なわけです。
MMSは、2000年代の携帯電話が、パソコンともなんとか電子メールがやり取りできるように生まれた規格だったんだね。
(補足)
- UQ モバイルにはドコモメールアプリやauメールアプリのようなアプリがないのです。
- メールサービス|格安スマホ/格安SIMはUQ mobile(モバイル)【公式】[
- UQ mobileの製品以外でメールサービスをご利用される場合、MMSC、MMSポートの設定が必要になります。 – メールサービス|格安スマホ/格安SIMはUQ mobile(モバイル)【公式】