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「mAh」とは?(スマホのバッテリー)

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モバイルバッテリーの「mAh」は、「ミリアンペア・アワー(miliampere-hour)」の略です。
これは、バッテリーが放電できる電荷の量を表しています。
つまり、mAhの値が高いほど たくさんの電気を蓄えることができます。

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スマートフォン何回分?

バッテリーの容量が大きいと長時間使用できます。
低いバッテリーよりも電圧が安定するので、電気機器に負荷がかかりにくくなります。

ただし、mAhが高いバッテリーは、価格が高くなり、重たくなる傾向があります。

モバイルバッテリーなら、自分のスマートフォンの内蔵バッテリーと比較することで「だいたい何回分」なのかわかります。

例えば
  • スマートフォンのバッテリーは、通常1000mAh~3000mAh程度です。
  • ノートパソコンのバッテリーは、通常4000mAh~8000mAh程度です。

ただし、モバイルバッテリーからスマートフォンに充電し直すときに、ある程度 エネルギーがロスしてしまいます。だいたい、7割ぐらいに目減りすると言われます。

モバイルバッテリーはどうやって電力を蓄えるの?

スマホのバッテリーやモバイルバッテリーは、リチウムイオンバッテリーを採用しています。

リチウムイオンバッテリーは、「左右の区画の陽イオンの濃度差」によって充電・放電をします。

ざっくり仕組みのイメージを言えば、

  1. バッテリー内部の液体(電解質)には、リチウムイオンが溶けています。
    中央にはリチウムイオンだけは通す小さな穴の空いた膜(セパレータ)があります。
  2. バッテリーを電源につなぐと陽イオンを片方に引き寄せられていきます。
    これにより電源のマイナス極につながった区画は、リチウムイオンが濃くなります。
  3. バッテリーを電源から外すと回路がつながっていないので、電子は帰れません。電子と陽イオンはそのままの状態で待っています。
  4. 反対に、バッテリーを電子回路につなぐと 偏ったイオン濃度を平準化する方向に膜を通り、電子は回路を通って反対側に戻ります。
    このときに蓄えられたエネルギーが放出されます。

つまり、mAh というバッテリー容量は、どれぐらい陽イオン濃度を偏らせることができるのか、ということを示しています。

化学的なしくみですが、やっていることは「バネ」や「ゼンマイ」と同じです。
エネルギーを別の形で蓄えているんですね。

1mAh は どれぐらいの量なの?

1 mAh ってどれぐらいの量なの?

あまり意味がありませんが、
単位換算すると 1mAh は
電子 2250京個分 になります。

計算

1mAh = 0.001[C] * 3600 [秒]
= 3.6 C
= 2.25 * 10^19 個
= 2250京個

1mA は「電流」の単位です。
1秒間に 0.001C(クーロン)の電荷が流れるペースを示しています。
1mAh なら、これが 1時間(3,600秒)流れ続けることになります。

C

1Cの電荷というのは、電子 6.24×10^18個分 に相当します
1

ここから、移動したリチウム陽イオンの質量を計算してみます。

1mAh のリチウム陽イオンが 2.25 × 10^19 個 ということは、
アボガドロ定数(6.02×10^23)で割ると、3.74 × 10^-5 モル です。
リチウムの原子量は 6.94 u なので、その質量は 2.60 × 10^-4 g です。

3000mAh のバッテリーなら、
質量でみると 0.780 g 分のリチウムイオンが移動したことになるはずです2
内蔵バッテリーの重量が 40g ほど3なので、ほとんど誤差のような気もします。
それぐらいのイオンの移動でもスマホが充電できるんですね。

電力量とバッテリーの電位差

ただし、mAhでは本当の意味で どれぐらいエネルギーがたまっているのかを測ることはできません。

これは、電気機器の計算処理や発光などで消費されるのは「電力」だからです。
慣れないとややこしいですが、「電力」は 電流だけでなく電位差(電圧)との掛け算で決まっています。

電力(W) = 電流(A) × 電位差(V)

スマホのバッテリーは「mAh」で表記されるものも多いですが、
電気自動車のバッテリーなどでは「Wh(ワット・アワー)」の方が よく用いられます。
家庭の電気料金の請求とかでも kWh(キロワット・アワー)で計算されますね。

画面を表示しているときのスマートフォンの消費電力を計測してみると、約 1.7 W ほどでした4

つまり、1.7 Wh の電力量で 1.7Wの電力を1時間分 提供できます。

モバイルバッテリーの場合、電圧(電位差)は 3.7V の規格になっています5
計算すると 3000mAh は 11.1 Wh になります。

つまり、3000mAh のバッテリーなら 約 6.5 時間分。
体感と近いことがわかります。

計算式

3000mAh * 3.7 V / 1000 = 11.1 Wh
11.1 Wh ÷ 1.7 Wh ≒ 6.5 h

(補足)

  1. ちなみに、1回の落雷が 約 0.2C から 20C と言われます – 雷 技術および最新情報 – J-Stage
  2. 本当に計算が合っているのか自信ないです。後日、要検証。
  3. Moto G4用 スマートフォン交換用互換バッテリー GA40 3000mAh 重量 43g – 【海外【海外MOTOROLA Moto G4 Plus Moto G4 用 スマートフォン交換用互換バッテリー GA40 バッテリー・充電器 | eclipstek.com
  4. ちなみに、30インチのテレビで消費電力は 50W ほど
  5. モバイルバッテリー内に使用しているリチウムイオン電池の種類によって、電圧は3.7Vと7.4Vとがあります。エレコムでは容量は3.7V換算で統一 – 【モバイルバッテリー】mAhの数字が大きいほうが充電できる量は多いので…
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「mAh」とは?(スマホのバッテリー)
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