「Web3(ウェブ スリー)」という言葉が話題になっています。
これは「第3世代のインターネット」という意味です。
これまでのインターネット利用と一線を画する違いは、「分散管理」です。
大規模なサーバなしでも、それぞれのスマホ・パソコンが協力することで、便利なサービスが運用できるようになってきました。
1. ピア・ツー・ピア(スマホの「群れ」を作る)
Web3のサービスでは、管理する企業や組織が不要になります。
どうして管理組織なしでシステムが運営できるかというと、
「ピア・ツー・ピア(Peer to Peer:P2P)」という構造になっているからです。
従来型のシステムでは、「サーバ」という大型コンピュータが、サービスを一元的に提供します(サーバ・クライアント型)。
それに対して、Web3では利用者それぞれのスマホやパソコンが、少しずつマシンパワーを持ち寄って、システムを担います。「同列の仲間同士」ということで、「ピア・ツー・ピア」と呼ばれるのです。
「ピア(peer)」は、「仲間・同僚」という意味です。
かんたんに言えば、みんなのスマホが合わさって、ひとつのシステムを作っています。
自分のスマホも、暇なときにシステムを手伝っているのか。
「スイミー」の魚の群れみたいだね。
2. 分散アプリをインストールするには?
どうやって、Web3を利用したらいいの?
Web3のアプリ・サービスを利用するには、「分散アプリ(Dapps:decentralized applications)」をダウンロードします。「分散アプリ」は、操作と取引をほかのデバイスと協調して、分散管理できるように設計されているアプリです。開発者が集まって開発・更新され、ソースコードという設計図が公開されている場合もあります。
分散アプリそのものは、通常のアプリと同じようにインストールします。例えば、ウェブブラウザの「Brave」や歩数計測アプリの「Sweatcoin」などの分散アプリは、Google Playストアでも公開されているので、簡単にインストールできます。
「分散アプリ」も、ふつうのアプリと同じようにインストールできるんだね。
これらのアプリには、独自のコインを発行する仕組みがあり、利用者全体で管理するようになっています。
このような電子マネーを管理するには、通常は大規模なサーバを用意する必要があります。
しかし、分散アプリなら、参加者のデバイスを利用して動作できるのです。
計算能力の「シェアリング」なのかもね。
3. ブロックチェーンとスマートコントラクト
分散アプリのシステムでは、利用者端末が協調してシステム内の処理を実行します。
したがって、分散システム内の取引は、プログラムに従って自動的に実行されます。
これを「スマートコントラクト」といいます。誰か一人が勝手にズルはできません。
また、取引結果のような個人情報は、暗号化した台帳に記されます。取引台帳は、ブロックごとに分散させて管理します。これが「ブロックチェーン」です。
相互に部分台帳を持ち寄ることで、勝手に改ざんされることを防いでいるのです。
このようにWeb3では、見ず知らずの参加者同士が「共通のプログラム」に従って協調することで、システムが運営されているわけです。
「法の支配」ならぬ、「プログラムの支配」なんだね。
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