MacBookに、USBハブを経由して充電器につないだところ、電力不足で充電できませんでした。
直接、接続したときには充電できていたので、テスターをつないで供給電力の違いを比較してみました。
充電器の対応電圧が低いと、接続する機器が増えると、極端に供給される電力が低下してしまうことがわかりました。
うまく充電できないときには、テスターで電流・電力を測定するとスッキリしますね。
1. USB接続できる電圧電流計を用意した
まずは、接続で比較した機器を確認してみます。
USB接続できる電圧電流計を用意しました。
これにつないで、USB充電器の違いで、供給される電力がどう変わるのかを調べます。
改めて見て気づいたんだけど、Pixel 3に付属されていたUSB充電器も PowerDelivery対応なんだね。
2. いろいろつなぎ変えてみた
USB充電器の違い、USBハブの有無で、4通り比較してみます。
2-1. 1)Anker PowerPort III mini
まずは、Anker PowerPort III miniにつないでみます。
(A-)B-C-E(-G)の組み合わせです(MacBook(A)とテスター(G)は共通なので、以下省略)。
USB充電器からは15.8W出力して、MacBookには14.3W給電されています。
2-2. 2)TC G1000(Pixel 3付属)
次は、TC G1000(Pixel 3付属)につないでみました。B-D-Fのパターンです。
こちらは、充電器からの出力が4.6W、MacBookへの給電が3.1Wです。
充電器から供給される電力が極端に少なくなっています。
2-3. 1b)ケーブルをPixel 3付属に
ケーブルによる違いを比較するために、Anker PowerPort III mini に Pixel 3付属のケーブルをつないでみました。B-C-Fのパターンです。
USB充電器から15.2W、MacBookへ14.5Wです。今回は、ケーブルによる違いはなさそうです。
Pixel 付属のケーブルも、それなりに急速充電対応なんだろうね。
2-4. 3,4)USBハブを取り除いた場合
USBハブを取り除いて、充電器とMacBookを直接つないだ場合でも、供給電力を確認してみます。
*-C-Eと、*-D-Fのパターンです。
Anker PowerPort III miniは、19.3Wの給電です。TC G1000も17.1Wと十分な給電ですね。
3. 比較まとめ:充電器の電圧が重要
これらの測定結果を表にまとめてみました。
USBハブ | 充電器 | ケーブル | USBハブへ | MacBookへ | 電圧 | |
1 | B | C | E | 15.8W | 14.3W | 19.8V |
2 | B | D | F | 4.6W | 3.1W | 9.0V |
1b | B | C | F | 15.2W | 14.5W | 19.6V |
3 | * | C | E | 19.3W | 19.3V | |
4 | * | D | F | 17.1W | 8.9V |
まず、USB充電器の商品説明では、給電電力が表記されているものの、重要なのは電圧であることがわかります。1-2, 3-4の比較から、電圧が上がると、給電力が増えることがわかります。
また、USBハブで実際に消費されている電力は、0.7〜1.5Wで、それ自体はそこまで多くありません。
1-3、2-4の比較から、同じ電圧でも、USBハブが接続されると、給電力が低下することがわかります。回路の電気抵抗が増えるからですね。特に2-4の比較を見ると、電圧が低いと、極端に給電力が減っています。
1と1bの比較によると、ケーブルは給電力には影響していないことがわかります。
つまり、以上のことから、USBハブを経由することで、MacBookが充電できなくなるのは、電圧が低いと、電流が流れにくくなるためだと考えられます。
充電器から供給される電力が固定されていて、機器ごとに必要電力が消費される、というわけではないのね。
電流や抵抗など、理科の電気回路を思い出しました。
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