- 「RAT Serving Cell Info」は、iPhoneが現在接続している無線通信ネットワークの基地局セルに関する情報です。
- 基地局が「4G LTE」や「5G」など、どの無線アクセス技術(RAT)に対応しているかがわかります。
- ただし、RAT Serving Cell Infoは、個々のiPhoneとの通信の詳細を示すものではありません。
キーワードは「基地局セル」。
どの基地局につながっているのかを調べるものなんだね。
1. 「RAT Serving Cell Info」を確認する
iPhoneの「電話」アプリで、
「*3001#12345#*
」
に発信すると、情報画面が表示されます。
この「RAT」は、携帯電話ネットワークの「無線アクセス技術(Radio Access Technology)」の略。
例えば、5G、LTE、GSM、UMTS、などの違いです。
2. RAT Servicing Cell Infoの内容
「Serving Cell」は、スマートフォンが現在接続している基地局のセルのことです。
基地局は、モバイルネットワークで通信を中継するための無線装置。
その基地局のカバー範囲内の特定の区域のことを「セル」といいます。
つまり、RAT Servicing Cell Infoには、現在 接続している無線基地局についての技術的な詳細が表示されます。
この中から通信速度に関係するものを挙げるなら
- Radio Access (通信技術)
- Bandwidth (帯域幅)
ぐらいです。
ただし、数値を見ただけで即座に通信品質が良いか悪いかを判断するのは難しいです。
例えば、帯域幅が広くても、その地域で多くのユーザーが同じ帯域を共有していれば、速度は遅くなります。
あとは、ほとんど基地局を識別するためのIDです。
項目 | 意味 | 数値の評価 |
---|---|---|
PLMN | Public Land Mobile Networkの略。 ネットワークの識別子です。 | 固有の数値 |
Band Info | 現在使用している周波数帯域を示します。 | 特定の帯域が良いというよりは、使われている技術に依存します。 |
Bandwidth | 帯域幅。どれだけの周波数幅を使用しているかを表します。 | 数値が大きいほどデータを多く処理できます。 |
CellID | スマホが接続している基地局のセルを特定するためのIDです。 | 固有の数値 |
Radio Access | 現在利用している無線アクセス技術を示します(例:LTE)。 | 技術によって速度や安定性が異なります。 |
PCI | Physical Cell IDの略。 セルを物理的に識別するためのIDです。 | 固有の数値 |
TAC | Tracking Area Codeの略。 複数のセルをグループ化するためのコードです。 | 固有の数値 |
EARFCN DL | E-UTRA Absolute Radio Frequency Channel Numberの略。 ダウンロードの周波数チャネル番号です。 | 固有の数値 |
3. RAT Service Cell Infoの制約
RAT Service Cell Infoは、あくまで接続しているネットワークの状況を示すもの。
問題の原因を特定するための診断ツールではありません。
最終的に通信品質を評価するには、実際の通信速度や接続の安定性などの実体験を考慮する必要があります。
わかること | わからないこと | 説明 |
---|---|---|
現在の無線アクセス技術 | 通信品質の詳細 | RAT Service Cell Infoだけでは、信号の強度や品質の詳細はわかりません。 |
使用している周波数帯域 | 通信速度 | 現在のダウンロードやアップロードの速度はわかりません。 |
セルID | 他のユーザーの影響 | 同じ基地局に接続している他のユーザーの数やその影響はわかりません。 |
基地局の位置 | 現在のデータ使用量 | この情報からは、現在のセッションでどれだけのデータを使用したかはわかりません。 |
EARFCN DL | 通信の遅延 | ネットワークのレイテンシー(遅延)情報は提供されません。 |
通信が途切れた場合、問題の原因を特定するためには、信号の強さやデータの速度など、より多くの情報が必要になります。
通常、ユーザーは速度テストアプリを使用してダウンロード速度、アップロード速度、レイテンシー(ピン)を測定し、それに基づいて品質を評価します。
RAT Service Cell Infoは、専門的な知識を持つユーザーや技術者がネットワークのパフォーマンスを分析する際に役立つ情報を提供するものと言えるでしょう。