- コンピュータで使用されるカタカナには全角と半角の2種類があり、初期のコンピュータでは半角カタカナが先に導入されました。
- その後、コンピュータの性能向上により、漢字やひらがななどを含む全角文字が使用可能になりました。
- 現在では主に銀行システムなど一部の歴史あるシステムで半角カタカナが必要とされています。
1. 「半角カナ」
コンピュータで利用できるカタカナ文字には、「全角カタカナ」と「半角カタカナ」の2種類があります。
- 全角カタカナ(全角カナ)
- 半角カタカナ(半角カナ)
「全角カタカナ」と「半角カタカナ」は、見た目にそんな違いがありませんが、コンピュータの世界では区別される文字です。
ですので、銀行口座を指定するなど、正確に入力する必要がある場合は、間違った文字で入力するとエラーになってしまいます。
これは、日本語入力ならではのこと。
あと数字・英字にも全角・半角の区別があります。
2. 「半角英数」は世界共通
初期のコンピュータは英語圏で導入されました。
そのため、最初は半角の英数文字・記号しか表示できませんでした。
これが「半角英数字」で、「ASCII(アスキー)」というコードで電子データと文字の対応関係が決められています。
「ASCII」は、「情報交換用 米国標準コード(American Standard Code for Information Interchange)」の頭文字です。
初期のパソコンから利用される半角の英数文字・記号は、世界中のコンピュータで利用できる、いわば「世界共通」の文字です。
今でもパスワードやメールアドレスには半角英数しか利用できないのは、これが理由です。
2-1. まず「半角カタカナ」が誕生した
経緯を説明すると長くなるので少し端折りますが、まず最初にできたのは「半角カタカナ」です。
英語圏で作られたコンピュータを日本で導入するときに、なんとか日本語も表示したいと生まれたのが「半角カタカナ」です。
1980年代当時のパソコン画面をみると、半角カタカナが使われています。
「バンゴウ ヲ センタク シマセウ」が半角カタカナです。
この時点では、漢字・ひらがなは諦めて、カタカナだけが追加されました。
当時のパソコンが処理できる一文字のデータサイズが 8Bit と今より小さく、文字の種類は、256文字以内に抑える必要があったからです。
また、文字の幅も英数字に合わせていました。
昔からあったカタカナは「半角カタカナ」なんだね。
2-2. 利用できる文字がどんどん広がった
その後、パソコンの性能が向上するとともに、扱える文字が増えました。
ひらがなや漢字、そのほか いろんな記号などが使えるようになります。
漢字やひらがなと組み合わせるために、通常の活字サイズのカタカナ、つまり「全角カタカナ」もできました。
今はもっと使える文字の範囲は広がって、外国の文字や絵文字なども利用できます。
3. 今でも振込依頼で半角カタカナが必要なことがあります
今では、「半角カタカナ」で入力する機会はあまりありません。
しかし、その珍しいケースが銀行や郵便です。
これらのシステムは歴史が古いものが多く、長く利用されています。
そのため、通帳やATMでは、今もこの「半角カナ」を目にすることがあります。
例えば、現在、ウェブサイトで銀行口座の名義人を入力する場合は、「半角カタカナ」を指定されるケースと、「全角カタカナ」を指定されるケースが混在しています。
最近でもオンラインショップAmazonで返金を依頼するときに、口座名義人を「半角カタカナ」で入力しないといけないことがありました。
たまにしか利用しないので忘れやすいですが、区別できると戸惑わずに済みます。
文字コードの話はちょっと複雑でしたか?
なんとなく理由を知ることで、思い出すきっかけになれば嬉しいです。