- インターネットでのやり取りの安全性を高めるために、VPNを利用することが増えています。
- 特に、銀行取引やクレジットカード決済などに関する情報を保護する目的です。
- しかし、VPNの「通信の秘匿」は「認証(本人確認)」と衝突する側面もあるため、注意が必要です。
ただし、VPNは完全な匿名性を提供するわけではありません。
あなたのオンライン活動は他人から見えにくくなりますが、完全に隠すわけではないのです。
1. VPNの主な目的
VPNは「仮想プライベートネットワーク」の略です。
これは、インターネット上に作られた安全な通信路のようなものです。
VPNを使うと、あなたが送受信する情報が暗号化されます。
その主な目的は、
- 入力したパスワードや、クレジットカード番号などの大切な情報が、悪い人に盗まれないようにします。
- インターネット上であなたがどのようなウェブサイトを見ているのか、誰にも分からないようにします。
例えば、カフェでノートパソコンを使ってインターネットバンキングをする時、VPNを使えば情報が盗まれる心配が少なくなります。
また、VPNを使うと、あなたが今どこにいるのかを隠すことができます。
例えば、日本にいながら、アメリカにいるように見せることができます。
とくに、一部の国では、特定のウェブサイトの閲覧が制限されていることがあります。
VPNを使うと、そのような制限を回避できる場合があります。
暗号化とは、他の人には読めないような特別な形式に情報を変換することです。
2. VPNを使う時の注意点
しかし、VPNにはいくつか注意すべき点もあります。
というのも、銀行やクレジットカード会社が不審に思い、追加の確認を求めてくることがあるからです。
あるいは、オンラインショッピングの時にも問題が起きることがあります。
VPNを使うと、どこからアクセスしているのかがわからなくなります。
すると、普段と違う場所からアクセスしているように見えるのです。
- 携帯電話にメッセージを送って確認する
- 指紋認証を求める
- 取引を一時的に停止する
お店があなたが本当の買い物客かどうか確認しようとしているためです。
これらは、あなたを守るための対策ですが、少し面倒に感じるかもしれません。
VPNを上手に使うためのアドバイス
まず、常にVPNを使う必要はありません。
特に重要な情報をやりとりする時など、必要な時だけ使うのも一つの方法です。
また、VPN以外のセキュリティの仕組みを活用しましょう。
たとえば、銀行やクレジットカード会社が提供している多要素認証を利用しましょう。
パスワード以外の方法(指紋認証やSMSでの確認など)で本人確認を行う仕組みです。
最後に、利用するVPNサービスは、なるべく評判の良い(大手の)ものを選びましょう。
とくに無料のVPNサービスには注意が必要です。
VPNを提供している会社(VPNプロバイダー)を信頼できるかどうかも重要です。
信頼できない会社のVPNを使うと、逆に情報が漏れる危険性があるからです。
3. 消費者が学ぶ意義
VPNの仕組みは技術的に複雑で、一般の人には理解しづらい部分があります。
多くのVPNプロバイダーは、自社サービスの良い点ばかりを強調し、注意が必要な点についてあまり説明していません。
これでは、ユーザーが正しい判断をするのが難しくなります。
一般のユーザーも、VPNの利点だけでなく、注意点についても学習していくことが大事です。
VPNは、インターネットを安全に使うための有効なツールです。
特に、公共のWi-Fiを使う時や、重要な情報をやりとりする時に役立ちます。
しかし、銀行取引やオンラインショッピングの際に問題が起きる可能性があること、信頼できるVPNプロバイダーを選ぶことの重要性、そして必要な時だけVPNを使うことなどを心に留めておくと良いでしょう。
インターネットの世界は日々変化しています。
VPNを含む様々なセキュリティ対策について、「自分で情報を得る」よう心がけましょう。
そうすることで、より安全にインターネットを利用できるようになります。