「VPN」は、インターネット通信を暗号化するための仕組みです。
ざっくり言うと、公衆 Wi-Fi からインターネットにアクセスするときに、途中経路で情報漏えいすることを防ぎます。

「テレワーク」で、社外から社内システムにアクセスするときには、通信の暗号化が必要になります。
インターネットは公衆回線

「VPN」っていう言葉を見かけるんだけど、なんなのかな?
インターネットのセキュリティで、必要みたいなんだけど……。
もともとインターネットは、不特定多数のユーザーが利用する開かれた通信網、つまり「公衆回線」です。伝言ゲームのようにデータが行き来しているので、知識のあるハッカーであれば 通信内容を盗み見たり改ざんしたりできます。
特に、公衆 Wi-Fi は、パスワード保護されていなかったり、不特定多数がアクセスすることもあり、通信傍受の危険性が高いです。

VPNの暗号化
これまでは、拠点間を「専用線」で結ぶことで外部からの侵入を排除していました。
このような途中経路での通信傍受を防ぐための技術が、「VPN」です。
やり取りする2点間で「仮想的なトンネル」を作って覆うことで、通信内容が漏洩するリスクを減らします。


仮想的なトンネルって?
「仮想的なトンネル」とは、端的に言えば 暗号通信のことです。
通信データを暗号で保護すれば、トンネルのように周りから隠すことができます。
VPNは、「Virtual Private Network」の略で、「仮想専用線」と訳されることが多いです。
もともとは、「Private Network」という、社内システムなどを専用の回線で直接つなぐ方式がありました。ただ、費用がかかるので、インターネット回線と暗号技術で代用したのが「VPN」です。
スマホで使う VPNは、ウイルス対策アプリのようなもので、だいたい月額 300円〜1000円ぐらいかかります。

もちろん、もっと安いものも見つかりますが、セキュリティ会社自体の信頼性を考慮して選ぶ必要があります。

タダ同然でも、情報が抜かれていたら、かえって危険だもんね。
IPsecといえばトンネルモード
VPNでは、一般的に「IPsec」という方式で、インターネット通信を暗号化します。
IPsecで通信される情報は、
コントロールシステムの IPヘッダと、
通信内容の本体であるデータで構成されます。
IPsecには、
▶ トンネルモード(強い)
▶ トランスポートモード(弱い)
の2つのモードがありますが、基本的にトンネルモードが採用されます。

「トンネルモード」は、パケット全体が暗号化される仕組みです。
本体データも暗号化するだけでなく、元のIPヘッダを暗号化し、新たなIPヘッダを付加します。
ただし、経路上のルーターがIPsecに対応している必要があります。
「トランスポートモード」では、元のIPヘッダは暗号化せず、本データのみを暗号化する仕組みです。また、トンネルモードとは異なり、基本的にはホスト間(末端のデバイス同士)でVPN接続を確立します。
ただし、本データのみを暗号化するのでは、HTTPSのセキュリティ保護(SSL/TLS)と大差ないので、あまり利用されません。
「IPsec」は、「Security Architecture for Internet Protocol」の略です。
「インターネット通信のためのセキュリティ体系」ですね。
つまり、トランスポートモードだと内容だけが暗号化されるのに対して、トンネルモードだとどこに通信しているのか、というアクセス先情報も秘匿できます。

社内システムへの不正アクセスを防ぐためには、ログインページのアドレス自体を隠しておいた方がよいからです。
こちらもどうぞ。


