- 「Grok」は、Xに新たに追加された対話型AIで、Xにある多様な情報を要約して回答することができます。
- Grokの特徴は、Xのリアルタイム情報から素早く調査して結果を提示できること。
- 現在、Grokは「Xプレミアム」以上の有料会員のみが利用可能です。
「Grok」は、Xの膨大な情報を収集するときの「水先案内人(pilot)」のような役割が期待できます。
YouTube動画でも話しています。
フォローや検索・タグとは違った、対話型の情報収集が主流になっていくのかな。
1. Xに「/」が追加された
Xアプリの画面下部に「 / 」のマークが追加されていました。
これは、対話型AI Grok(https://twitter.com/i/grok)です。
ほかの生成AIのように、質問すると返答が返ってきます。
チャットボットGrokの名前は、1960年代のSF小説『宇宙の孤児』に出てくる造語「grok」に由来しています。
「grok」の主な意味は「理解」ですが、単なる理解を超えた、より深く直感的な理解を表しています。
「grok」は、対象を完全に理解し、自分自身の一部として受け入れることで、対象との一体感を感じることでもあります。
東洋での「悟り」や「梵我一如」にも通じるような言葉みたいですね。
1-1. X内のリアルタイム情報も調査できる
Grokは、Xのリアルタイム情報から調べてくれるのが特徴です。
というより、Xの内容を「要約」するのが Grokの仕事。
「調査中」と表示される時間は短いにもかかわらず、複数の情報源を元に結果を提示しています。
この検索能力(RAG性能)は、ほかのAIと比較しても優れています。
たとえば、ChatGPTのブラウジング機能では、もっと時間がかかりますし、内容も浅くなりがちです。
Grokは、Xにある多様な情報をまとめて紹介する「コンシェルジュ」みたいな感じだね。
ただ、今のところ情報源はやや英語圏に寄っている印象でした。
1-2. ユーモアモードと標準モード
回答の「ランダム性(temperature)」を切り替えることができます。
既定の状態は「ユーモアモード」ですが、もう少し厳密な「標準モード」があります。
「ユーモアモード」をデフォルトにしちゃっているのが、イーロン・マスクっぽいね。
あと、画面右上の「+」が「新しいチャットの開始」。
仕切り直しになるので、会話が削除されます。
今のところ、利用者側からチャット履歴を見ることはできないようです。
2. Grokはサブスクリプション限定
あれ?
Grokに聞けないよ?
XでGrokを利用するには、サブスクリプション登録が必要です。
「X プレミアム(¥980/月:2024-05-12時点)」以上の有料会員になる必要があります。
3. GrokのStories on X(日本は未対応)
Grokは、話題のニュースやトピックを要約する「Stories on X」にも採用されているようです(日本では現在利用できません)1。
Xの月間アクティブユーザー数(MAU)は膨大で、最新ニュースが大きな話題を集めることが多いため、生成AIで膨大な情報を処理することは利便性につながるからです。
3-1. ニュースの要約だけではない、汎用な生成AI
しかし、それだけでなくテキストプロンプトに加えて、図表や写真、空間情報などのマルチモーダルな情報を処理できる点や、OpenAIのGPT-4やAnthropicのClaude 3に匹敵する推論・問題解決能力を持つ点にも注目が集まっています。
また、Grokを開発する xAIは、オープンソースを活用しています。
これは、自社開発にこだわる OpenAIやAnthropicとは対象的です。
生成AIによるニュース要約は、膨大なデータを活用した学習にも役立つため、将来的には、Grokを活用した新しいAIサービスがリリースされる可能性もあります。
(補足)
- なお、日本では現在利用できないようだ。 – X、話題のニュースをAI(Grok)で要約する「Stories」 – Impress Watch 2024年05月04日