「クラウド」は「雲」のことですが、
パソコン・スマホでは、
「インターネットにつながった大型コンピュータ(サーバ)」を指しています。
「自分のパソコンではなく、空の上でコンピュータ処理が実行される」という、「クラウド・コンピューティング(cloud computing)」という考え方に由来しています。
「空の上にある、ぼんやりまとまっているもの」なんだね。
1. クラウド以前のパソコン
従来のパソコンの利用方法では、自分のパソコンに必要なソフトをインストールして、そのデータを処理しています。
例えば、パソコンのWordで、文書を作成する、という使い方です。
この方法の問題点は、そのパソコンでしかデータが利用できないことです。
もし、パソコンが壊れると消えてしまいますし、
買い替えのときには「データ移行」が必要になります。
2. クラウドによる処理
一方、インターネット通信が高速化されたことで、インターネットで複雑な処理ができるようになりました。
インターネット上のサービスを利用して、データもサーバ上に保存することができます。
初期のクラウドサービスの代表は「ウェブメール」です。
YahooメールやGmailなどがあります。
利用者は、インターネット上のウェブサイトにアクセスして
登録しているID・パスワードでログインすると、
自分宛ての受信メールを閲覧したり、
新しくメールを作成・送信することができます。
このウェブメールでは、「自分宛てのメール」を作ることで、メモやデータを保存することができます。これが、クラウドストレージやクラウドメモの源流です。
さらにデータ保管や文書作成など、それまでパソコンで処理していた複雑な作業も、インターネット上で代替できるようになってきました。
それが、「クラウドサービス」です。
例えば、Dropbox(クラウドストレージ)、Evernote(メモ)、Google Document(文書作成)などが有名です。
▼ Windows パソコンの OneDrive・Outlook、
▼ iPhone の iCloud、
▼ Androidスマートフォンの Gmail、Google Drive、
などは、基本システムに標準で組み込まれているクラウドサービスです。
そのほか、YouTube(動画投稿)、Facebook(プロフィール投稿)、Skype(ビデオ通話)、Zoom(ビデオ会議)、Amazon(ネット通販)なども、インターネット上で個人の情報を保管・編集できるサービスなので、広く「クラウドサービス」と呼ぶことができます。
いまや、身の回りのほとんどのものがクラウドなんだね。
3. クラウドのメリット・デメリット
この方法のメリットは、どのパソコン・スマホからでも同じように利用できることです。
データ移行の手間がないので、複数のスマホ・パソコンを利用する時代にあっています。
また、故障などでデータがなくなる心配も減ります。
反対に、主なデメリットも2つあります。
一つは、セキュリティの問題。不正アクセスによって、データが流出するリスクがあります。
もう一つは、処理速度の問題。一つ一つの操作を、インターネット経由で実行するので、通信に時間がかかることです。
すべての処理をインターネット上で操作すると、まだまだ応答時間がかかることも多いです。
そこで、サービスに対応した「アプリ」をインストールして、一部の処理をパソコン・スマホで実行するケースも多いです。
例えば、Zoomは、クラウドによるビデオ会議サービスです。
Zoomのサイトだけで利用することもできますが、
Zoomアプリをインストールして利用した方が、より動作が安定します。
クラウドとローカルの「ハイブリッド」が多いですね。
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