【スポンサーリンク】

[Windows] bootrec /scanosでWindowsが見つからない?

勉強メモの注意書き

この項目は、個人的に勉強した内容のメモです。詳細はオリジナルの情報を参照してください。

追記予定の注意書き

この項目は、随時追記します。なにかのヒントになれば嬉しいです。

[Windows] bootrec /scanosでWindowsが見つからない?
閲覧中のユーザー数
(閲覧中のユーザー:0)
  • Windowsの起動問題を修復するbootrecコマンドでOSが見つからない場合、基本フォルダ構造や重要なシステムファイルが破損している可能性があります。
  • 修復には/fixmbrや/fixbootで物理的なブート領域を修復し、bcdbootでブート構成データを再作成します。
  • それでも解決しない場合はSFCやDISMコマンドでシステムファイルやイメージの修復が必要です。
特典ダウンロード
【ちいラボ読者特典】印刷してすぐ使える!
\記事が役に立ったらシェアしてね/
【スポンサーリンク】

1. bootrecと起動プロセスの関係

  • bootrec/scanosで「Windows のインストールとして認識された合計数:0」というエラー
  • Cドライブ(システムドライブ)にはアクセス可能でWindowsフォルダも表示できる
  • ファイルシステム自体は問題なく機能している

bootrec」は、Windowsシステムの起動に関する問題をWindows回復環境(WinRE)から修復するためのコマンドラインユーティリティです。
システムが起動しない場合に特に役立ちます。

ただし、

bootrecは、Windows回復環境(Windows RE)の一部で、通常のWindows環境では直接アクセスできません

ただし、起動プロセスのどこに問題があるかによって、対処方法が変わってきます。
bootrecは、コマンドオプションによって修復対象のデータを選びます。

  • /fixmbr
    – マスターブートレコードを修復
  • /fixboot
    – ブートセクターを新しいものに書き換え
  • /scanos
    – インストールされているすべてのWindowsをスキャンする
    システムに変更を加えない(読み取り専用の操作)
  • /rebuildbcd
    – BCD(Boot Configuration Data)ストアを完全に再構築
    見つかったWindowsインストールをBCDストアに追加するか確認を求める
起動の回復

bootrecは、「Boot Recovery」(起動の回復)に由来するコマンドです。

Windowsの起動プロセスに関する問題を回復・修復するために設計されています。
Windowsのブートローダーや起動関連の構成要素に問題が発生した際、それらを修復する役割を担っています。

bootrecと起動プロセスの関係

簡単に言えば、/scanosは情報収集のみを行います。
/rebuildbcdは内部的に/scanosと同様のスキャン機能を使用していますが、さらに一歩進んでBCDストアの再構築も行います。

1-1. 起動プロセスとコマンドオプション

Windowsの起動プロセスでは、
物理ディスク → MBR → パーティションテーブル → ブートセクター → ファイルシステム → BCDストア → Windowsローダー → Windowsカーネルという流れでアクセスしていきます。

起動プロセスとコマンドオプション

起動プロセスのどこかで問題があるはずです。

  1. 物理的なドライブの問題
    (接続不良やドライブの認識エラー)
  2. パーティション識別の問題
    (MBRがアクティブパーティションを識別する段階)
    diskpart で必要に応じてアクティブフラグを設定する
    /fixmbrでMBRを再構築する
  3. ブートセクターの破損
    (アクティブパーティションのブートセクターを読み込む段階)
    /fixbootでブートセクターを修復する
  4. BCDストアの破損
    (ブートローダーがBCDストアを参照する段階)
    /rebuildbcdオプションでBCDストアを完全に再構築する
  5. ファイルシステムの問題
    (BCDの情報に基づいてWindowsシステムファイルにアクセスする段階)

例えば、C:ドライブ(システムドライブ)にアクセスできる場合は、1, 5の問題は除外できます。

2. bootrecでOSをスキャンする

BCDストアを再構築するためには、物理的なディスク上でWindowsインストールを探す必要があります。
それが、bootrecの/ScanOSオプションです。

bootrecでOSをスキャンする

つまり、このプロセスは現在のBCDストアの内容には依存していません。

  • システムに接続されているすべてのハードドライブを検出
  • 各ドライブ上のすべてのパーティションをスキャン
  • 各パーティションで有効なWindowsインストールの特徴を探す

2-1. 「Windows のインストールとして認識された合計数:0」の理由

通常であれば、Windowsがインストールされているドライブが認識されます。

物理的にWindowsフォルダが存在していても /ScanOSでWindowsインストールが見つけられない場合は、bootrecがWindowsインストールとして認識するための重要なシステムファイルやフォルダ構造が破損している可能性があります。

有効なWindowsインストールは、以下のフォルダやシステムファイルで認識されます。
これらのファイルや構造が破損したり欠落したりすると、bootrecは有効なWindowsインストールを認識できなくなります。

基本フォルダ構造:

  • \Windows
  • \Windows\System32
  • \Windows\Boot

重要なシステムファイル:

  • \Windows\System32\winload.exe (Windows OS ローダー)
  • \Windows\System32\config\SYSTEM (レジストリのシステムハイブ)
  • \Windows\System32\ntoskrnl.exe (Windowsカーネル)
  • \Windows\System32\HAL.dll (ハードウェア抽象化レイヤー)

ブート関連ファイル:

  • \bootmgr (BIOS起動システム用のブートマネージャー)
  • \EFI\Microsoft\Boot\bootmgfw.efi (UEFI起動システム用のブートマネージャー)
  • \Boot\BCD (ブート構成データストア)

その他の重要ファイル:

  • \Windows\System32\drivers (重要なドライバー)
  • \Windows\System32\BOOTSECT.BAK (ブートセクターバックアップ)
  • \Windows\System32\winresume.exe (休止状態からの復帰に必要)
「Windows のインストールとして認識された合計数:0」の理由

ディスク上でWindowsインストールを探すのに、既存のBCDストアに依存しません。
しかし、WindowsをBCDストアに追加できるかを判断するために必要なブート関連ファイルを探します。
BCDストアに関連するブートファイル(bootmgr、winload.exeなど)の破損や欠落が問題になっている可能性があります。

3. BCDストアに関連するブートファイルを修正するには

BCDストアに関連するブートファイルを修正するコマンドは、直接的にはbootrec /rebuildbcd です。
しかし、Windowsインストールが見つけられない以上、その前提となるデータを修復していく必要があります。

まず、基本的なブートレコード修復(bootrec /fixmbrbootrec /fixboot)で物理的なブート領域を修復します。
それでも認識されない場合、ブート構成データの再作成(bcdboot)、システムファイルの修復(sfc)やシステムイメージの修復(dism)が必要になります。

BCDストアに関連するブートファイルを修正するには
  • bootrec /fixmbr(MBRの問題)
    MBRを新しいものに書き換える。
  • bootrec /fixboot(ブートセクターの問題)
    ブートセクターを新しいものに書き換える。
  • bcdboot(ブートローダーの問題):
    (bcdboot c:\Windows /s c: /f ALL)
    ブートローダー設定が対象で、BCD情報を再構築してシステムパーティションに書き込む
  • SFC(OS内部の問題):
    (sfc /scannow /offbootdir=C:\ /offwindir=C:\Windows)
    OSのシステムファイル(DLL、実行ファイルなど)が破損していれば、保護されたシステムファイルを元のバージョンと比較し、破損があれば置き換える
  • DISM(SFCより広範囲)1:
    (dism /image:c:\ /cleanup-image /restorehealth)
    Windowsイメージとコンポーネントストア全体を修復
    SFCが修正できない深刻な破損やWindows Updateの問題を解決する
BCDストアに関連するブートファイルを修正するには

まずBCD修復→SFC実行→DISM実行の順で段階的に試みます。

こちらもどうぞ。
SSDを丸ごとバックアップ・復元する(Clonezilla起動用USB)
SSDを丸ごとバックアップ・復元する(Clonezilla起動用USB)
Clonezillaを使うと故障したWindowsのSSDを外付けドライブにバックアップでき、トラブル解決後に元に戻せます。バックアップはイメージファイルとして保存され、同じサイズ以上のSSDに復元できます。SSD換装にも使える便利なツールで、復元するとOSやアプリを再インストールせずに元の環境を再現できます。現状のSSDを別の外付けSSDにバックアップしておきたい起動エラーになったWindowsの修理の前に、現状のSSDを別の外付けSSDにバックアップしておきたいと考えてい...

Windows 11の「修復インストール」
Windows 11の「修復インストール」
Windows 11に問題があるときに「インプレースアップグレード」で修復インストールすることができます。この方法では個人ファイルとアプリケーションを保持したまま、システムファイルだけを修復できます。ただし、修復インストールは、「Windowsを起動した状態」でないと利用できません。「調子が悪い」状態ならシステムの修復に使えますが、Windowsが起動できないときには有効ではありません。インプレースアップグレードで修復インストールWindows 11のセットアップメディア(U...

[Windows] 「自動修復を準備しています」から進まない【Dell Vostro 15-3568の事例(1)】
[Windows] 「自動修復を準備しています」から進まない【Dell Vostro 15-3568の事例(1)】
PCが急にエラーになって、「自動修復を準備しています」から進まなくなってしまいました。延々と、くるくる回っています。PCの修復作業の途中で、▶ 「回復ドライブの破損」や▶ 「Bitlocker暗号化」、▶ 「HDDの劣化」など、いろいろなトラブルが複合的にあったので、事例としてまとめておきます。まずは、本体の回復ドライブから修復しようと試みました。環境Windows 10、Dell Vostro 15-3568(2016年発売、2018年製造)◆復旧作業の流れまとめWindo...

Windows 10が正常に起動しないときの起動オプションのまとめ(MB-B504HS-Aの場合)
Windows 10が正常に起動しないときの起動オプションのまとめ(MB-B504HS-Aの場合)
Windows 10が正常に起動しない場合、強制終了を2回行うと回復環境にアクセスできます。回復環境から「Windows Rollback」機能を使うと、更新前の状態に戻せます。Windows 10の更新後に起動しなくなる問題は頻繁に発生するため、この方法が解決策になります。Windows 10 20h2の更新をしたら、また起動できなくなりました。環境:マウスコンピュータ、MB-B504HS-A、Windows 10 (1909→20H2)トラブル時の起動の手順をメモをしてお...

(補足)

  1. Windows Server: DISMコマンドでの修復手順 | Dell 日本
QRコードを読み込むと、関連記事を確認できます。

[Windows] bootrec /scanosでWindowsが見つからない?
【スポンサーリンク】
タイトルとURLをコピーしました