1. コマンドプロンプトとは
Windows 11には、テキストベースのコマンドでシステムを操作できるツールがあります。
それが「コマンドプロンプト」(cmd.exe)です。
コマンドプロンプトは、Windows 11に最初から入っているテキスト入力式の操作画面です。
Windows回復環境(Windows RE)でも利用できるので、トラブル時の修復ツールとしても活用されます。

普段使っている画面(グラフィカルユーザーインターフェース、略してGUI)とは違い、文字を打ち込んでパソコンに指示を出します。
こうすると、細かい設定や作業が効率よく行えます。
1-1. 基本的なコマンド
初めてコマンドプロンプトを使う方は、以下の基本的なコマンドを覚えておくと便利です。
- 「dir」と入力すると、今いるフォルダの中にあるファイルとフォルダの一覧が表示されます。
- 「cd」の後にフォルダ名を入力すると、そのフォルダに移動できます。
例えば「cd Documents」と入力すると、ドキュメントフォルダに移動します。 - 新しいフォルダを作りたい場合は「mkdir」コマンドを使います。
例えば「mkdir NewFolder」と入力すると、「NewFolder」という名前の新しいフォルダが作られます。 - ファイルをコピーしたいときは「copy」、削除したいときは「del」コマンドを使います。
- コマンドの使い方がわからなくなったら、「help」と入力すると、コマンド一覧が表示されます。

コマンドは大文字でも小文字でも同じように動作します。
コマンドの詳しい使い方を知りたいときは、コマンドの後ろに「/?」をつけて入力します。
すると、そのコマンドの詳しい説明が表示されます。
2. コマンドプロンプトの起動方法
Windows 11でコマンドプロンプトを開くには、いくつかの方法があります。
- タスクバーの検索で「cmd」
画面下のタスクバーにある検索アイコンに「cmd」または「コマンドプロンプト」と入力します。
表示された「コマンドプロンプト」をクリックします。 - 「ファイル名を指定して実行」
WindowsキーとRキーを同時に押すと「ファイル名を指定して実行」という小さな窓が開きます。
「cmd」と入力してOKボタンを押す。 - スタートボタンを右クリック
スタートボタンを右クリックして「Windows Terminal(管理者)」を選ぶ方法もあります。
起動したら、下向き矢印のアイコンをクリックして「コマンドプロンプト」を選ぶか、CTRL+SHIFT+2キーを押します。

コマンドプロンプトを「管理者として実行」すると、パソコンの重要な設定も変更できます。
ただし、間違った操作をするとシステムに影響が出ることがあるので注意が必要です。
2-1. Windows Terminalという「器」に入っている

Windows Terminalって何?
Windowsのコマンドライン環境は、近年大きな進化を遂げました。
特にWindows 11では、Windows Terminalが中心的な役割を担っています。
このアプリは一つの窓で複数の入力環境(コマンドプロンプト、PowerShell、Linux用のWSLなど)を切り替えて使えます。

Windows 11では、Windows Terminalがコマンドを入力する際の標準アプリとして採用されています。
コマンドプロンプトとPowerShellを包み込む「器」のような存在です。
2-2. PowerShellはコマンドプロンプトの後継(スクリプト)
コマンドプロンプトは、長年Windowsで使われてきた古典的なコマンド入力画面です。
Windows Terminalからも簡単に起動できます。
PowerShellは、コマンドプロンプトよりも高度な機能を持つコマンド入力環境です。
単なるコマンド実行だけでなく、プログラミング言語としての性質も持っています。
特徴的なのは、データを文字列ではなく「オブジェクト」として扱う点です。
Windowsの基本システム(.NET Framework)と密接に連携しており、システム管理者やプログラマーにとって強力なツールとなっています。

コマンドプロンプトでできることはすべてできるうえに、より複雑な操作も可能です。



