「SVG」とは?(Scalable Vector Graphics)

「SVG」とは?(Scalable Vector Graphics)
  • SVG」は拡大縮小しても画質が変わらないベクター形式の画像です。
  • SVGファイルはテキスト形式でXMLで書かれており、メモ帳などで編集できます。
  • ウェブサイトのロゴやアイコン、様々な画面サイズに対応する必要があるデザインに適しています。
「SVG」とは?(Scalable Vector Graphics)

SVGは、テキスト形式の画像なので、生成AIとの相性もよいです。

sns_share_buttons
\記事が役に立ったらシェアしてね/
【スポンサーリンク】

1. SVGとは(拡大できる図形の設計図)

SVGとは(拡大できる図形の設計図)

スマートフォンで画面を大きく拡大したとき、画像がぼやけてしまうことがあります。
だけど、ウェブサイトのロゴやアイコンの中には、どれだけ拡大してもくっきり見えるものがあるんだよね。
これって何が違うの?

ロゴやアイコンは、「SVG」というファイルがよく使われます。
Scalable Vector Graphics(スケーラブル・ベクター・グラフィックス)」の略で、名前の通り、拡大縮小しても画質が変わらない画像形式です。

S SVGのロゴやアイコン ウェブサイトのロゴ 様々な画面サイズに対応 モバイルアプリのアイコン 鮮明なアイコン表示 インタラクティブなグラフ 動きのあるデータ可視化 印刷物のデザイン 大きなサイズでも鮮明に印刷

SVGファイルの中身は実はテキストで書かれています。

SVGのコードとその表示結果 SVGコード <svg width=”200″ height=”200″> <!– 赤い円 –> <circle cx=“50” cy=“50” r=“40” fill=“red” /> <!– 青い四角形 –> <rect x=“100” y=“20” width=“60” height=“60” fill=“blue” /> <!– 緑の三角形 –> <polygon points=“150,150 180,120 180,180” fill=“green” /> </svg> 表示結果 テキストエディタでSVGの数値を編集すると色や大きさ、位置を変更できる

つまり、メモ帳などのテキストエディタで開くと、中身を見たり編集したりできます。

SVGとは(拡大できる図形の設計図)

SVGは「タグ」という特殊な構文に則って図形を表現しています。

SVGとは(拡大できる図形の設計図)

ウェブページを作るときのHTMLや、プログラミング言語のLogoやProcessingに似ているね。

1-1. SVGコードとXML

SVGファイルの実体は、ただのテキストファイル。
メモ帳などの簡単なプログラムでも開いて中身を見ることができます。

SVGは、XMLという「説明書き言語」で書かれていて、例えば、赤い円を描くSVGコードは次のようになります。

<svg width="100" height="100">
  <circle cx="50" cy="50" r="40" fill="red" />
</svg>

この例では、幅100、高さ100の画像の中に、中心座標(50,50)、半径40の赤い円(circle)を描いています。

SVGコードとXML

XMLは、データを整理された形で記述するための言語(表現形式)です。
コンピュータだけでなく、人間が読んでも理解できるように作られています。

もう少し複雑な例として、家の形を描いてみましょう。

<svg width="200" height="200">
  <rect x="50" y="100" width="100" height="100" fill="brown" />
  <polygon points="50,100 150,100 100,50" fill="red" />
</svg>

この家は、茶色の四角形rect)と赤い三角形polygon)を組み合わせて描かれています。

SVGコードとXML

このようにSVGでは、基本的な図形を組み合わせて複雑な絵を作ることができます。

2. ラスター画像とベクター画像

スケーラブル」とは「拡大縮小できる」という意味です。

  • ウェブサイトのロゴアイコンによく使われています。
  • 印刷物でも活用されています。
    名刺やパンフレットなど、さまざまなサイズで印刷する場合、SVGなら常に鮮明に印刷できます。

デジタルカメラで撮影した写真や、スマホで撮った画像は、ラスター形式で保存されています。
ラスター画像は、小さな色付きの点(ピクセル)を並べて絵を作る方式です。

ラスターとベクターの拡大比較 ラスター画像 ・画像を点(ピクセル)の集合で表現 ・JPG、PNG、BMPなどの形式 拡大すると画質が劣化する ベクター画像(SVG) ・画像を数学的な式で表現 ・SVG形式(拡張可能なベクター形式) 拡大しても画質が維持される ラスター画像は拡大すると個々のピクセルが見えてぼやけるが、ベクター画像は常に鮮明
  • ラスター画像は「点の集まり」なので、拡大するとそれぞれの点が大きくなります。
    そのため、拡大すると画像がぼやけたり、モザイクのように粗く見えたりします。
  • 一方、ベクター画像(SVGもその一種)は、点ではなく「図形の設計図」のようなものです。
    拡大すると、この設計図に従って再計算して描画するので、どんなに大きくしても鮮明さを保てます。
ラスター画像とベクター画像

SVGは、スマートフォンの小さな画面でも、大きなパソコン画面でも、同じように鮮明に表示できます。
また、ポスターのような大きなサイズでも、細部までくっきり表示できるのです。

ちなみに

SVGはアニメーションやインタラクティブな機能を持たせることもできます。
マウスを乗せると色が変わるボタンや、動きのあるグラフなどは、SVGで作られていることも多いです。

3. 画像形式の選び方

用途によって、最適な画像形式は異なります。

  • SVGは、ウェブサイトのロゴアイコンによく使われています。
  • 印刷物でも活用されています。
    名刺やパンフレットなど、さまざまなサイズで印刷する場合、SVGなら常に鮮明に印刷できます。

一方、写真複雑な画像を扱う場合は、JPGPNGなどが適しています。

画像形式の選び方

将来的に拡大する可能性がある画像はSVGで作っておくと安心です。
例えば、小さく作ったロゴを後で大きなポスターに使いたい場合など、SVGなら問題なく拡大できます。

3-1. 画像形式とファイルサイズ

同じ図のファイルサイズ比較 サンプルロゴ(シンプルな図形) 3.0MB 2.0MB 1.0MB 0MB BMP 2.5MB JPG 0.5MB SVG 0.1MB BMP:非圧縮 JPG:画質依存の圧縮 SVG:シンプルな図形では最小サイズ
  • BMP最も単純なラスター画像形式です。
    画像データをそのまま保存するため、高品質ですが非常に大きなファイルになります。
    写真1枚で数十MBになることもあります。
  • JPG写真に適した圧縮形式です。
    データを圧縮して小さくするため、インターネットでの共有に向いています。
    ただし、圧縮により画質が少し落ちるというデメリットがあります。
  • SVG図形やロゴに最適な形式です。
    シンプルな図形であればファイルサイズも小さくなります。
    ただし、写真のような複雑な画像の表現には向いていません。

3-2. SVGを作成・編集するツール

SVGを一から手で書くのは難しいかもしれません。
しかし、専用のツールを使えば簡単に作成できます。

Adobe IllustratorInkscapeといったソフトウェアでは、マウス操作で絵を描くだけでSVGを作成できます。
また、ウェブ上でも無料でSVGを作成できるサービスがあります。

これらのツールを使うと、プログラミングの知識がなくてもSVGを作ることができます。
描いた絵はSVGとして保存でき、ウェブサイトやデザインソフトで利用できます。

SVGを作成・編集するツール

SVGは、デジタル社会で画像を扱う上で非常に便利な形式です。
特に、様々な画面サイズに対応する必要がある現代のデジタルデザインにおいて、その価値はますます高まっています。

こちらもどうぞ。
[Inkscape] ロゴをSVGで作り直した
[Inkscape] ロゴをSVGで作り直した
InkscapeというベクターグラフィックソフトウェアでSVG形式のロゴを制作する方法を解説します。図形ツールやテキストツールを使用して基本的な要素を配置し、整列機能やグループ化で効率的にデザインを調整できます。色の設定においては、RGB値を正しく指定することでSVGエクスポート時の色の変化を防ぐことができます。SVGのよいところは、拡大縮小で劣化しないことと、あとから色を変更できることです。「新規ドキュメント」を作成これまでPowerPointで作ってPNG形式にしていたロ...

InkscapeのmacOS用インストーラが探しにくかった(検索結果の古い版)
InkscapeのmacOS用インストーラが探しにくかった(検索結果の古い版)
Googleで「inkscape mac」で検索したら、最新版のパッケージが見つけにくかったのでメモしています。検索エンジンを鵜呑みにしてはダメなんですね。MacでInkscapeを使い方スライドやアイキャッチ画像のデザインで、「袋文字」を使いたいと思いました。今は、KeynoteやPowerPoint、あるいはCanvaで作成しています。「袋文字」を作るには同じ文字を重ねて配置し、段階的に枠線の太くしています。しかし、文章内容を修正するときに、いちいち大変です。そこで別の方...

「RSS」とは?
「RSS」とは?
「RSS」は、ウェブサイトの更新情報を、自動的に受け取るための仕組みです。ウェブサイトの更新情報をまとめた「RSSフィード」というXMLファイルを公開することで、更新情報を配信します。「RSSリーダー」という対応アプリを使うと、複数のサイトを登録して更新情報をまとめて受け取れるので便利です。
QRコードを読み込むと、関連記事を確認できます。

「SVG」とは?(Scalable Vector Graphics)
タイトルとURLをコピーしました