- Excelは「表計算ソフト」で、分析しやすい形式で表を作るのがコツ。
- 特に、表の1行目と1列目には重要な意味があり、正しく設定するかどうかで、フィルター機能やVLOOKUP関数、差し込み印刷などその後のデータ処理のしやすさが変わります。
- 反対に、空行やセルの結合で見た目を整えると、データ処理には不向きになってしまうことがあります。
![[Excel]表の1行目と1列目には重要な意味がある](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2020/09/instructor-m.png)
YouTube動画でも話しています。
1. 表計算処理しやすくする表作りの工夫
Excelは自由に表を作ることができます。
しかし、「表計算処理」機能を活用するには、表の作り方にコツがあります。
- A1から隙間なくデータを入力する
- 1つのセルに1つのデータ
- 1つのシートには1つの表
![表計算処理しやすくする表作りの工夫](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2024/09/image-1-20240918-112727-1024x576.jpg)
「表計算処理」とは、表に入力されたデータを使って、様々な計算や分析を行うことです。
そのためには、Excelが理解しやすい形式にデータが整理されていることが重要なのです。
![表計算処理しやすくする表作りの工夫](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2020/09/instructor-m.png)
はじめのうちは「印刷のための表」と「表計算処理のための表」を明確に区別することが大事です。
つまり、集計する前提で表を作るのです1。
- 印刷のための表
例えば、会議の資料や報告書など、紙に印刷して使うことを目的とする表があります。
読みやすさのために、セルの結合や色付け、罫線の調整などのデザイン要素を多く使います。
表題や注釈を入れたり、空白行を使って見やすくしたりすることもあります。 - 表計算処理のための表
データの分析や計算を行うための表なら、見た目よりも処理のしやすさが重要です。
1行目は項目名を入れ、1つのセルに1つの情報を入れるようにします。
なるべく途中には空行を入れないようにし、セルの結合は避けます。
![表計算処理しやすくする表作りの工夫](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2021/08/sakurotu-ga-ru2.jpg)
いろんなツールで「エクスポート」した表も、表計算処理しやすい形式になっているよね。
2. 表の1行目と1列目の特別な意味
「Excelが理解しやすい形式」とは、A1のセルから入力するのが基本です。
1行目は項目名を入れ、1つのセルに1つの情報を隙間なく埋めていきます。
また、1つのシートには1つの表を作成します。
特に、表の1行目と1列目には特別な意味があること。
1行目には「項目名」を入れます。
例えば、商品の在庫管理をする表なら、「商品名」「価格」「在庫数」といった項目名を入れます。
中でも、1列目には「No.」や「IDコード」を入れるのがよいでしょう。
行を特定したり、並び替えをした後などに元に戻す基準になるからです。
![表の1行目と1列目の特別な意味](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2020/09/instructor-m.png)
そして、途中には空行やセル結合をなるべく入れません。
空行があると、後でデータを分析するときに困ることがあります。
2-1. 差し込み印刷での1行目の役割
差し込み印刷では、Excelファイルの1行目は特に重要な役割を果たします。
1行目の項目名は、Wordのテンプレートでどのデータをどこに挿入するかを指定する際に使用されるからです。
「差し込み印刷」は、同じフォーマットの文書をたくさん作るときに便利です。
例えば、大勢のお客さんに案内状を送る場合、一人一人の名前や住所を手作業で入力するのは大変です。
そこで、Excelで名前や住所のリストを元に、Wordで差し込み印刷を使うと、自動的に個別の案内状を作ることができます。
2-2. VLOOKUP関数での1列目の役割
VLOOKUP関数では、参照するテーブルの1列目は特別な役割を持ちます。
1列目には検索のキーとなる情報を入れます。
「VLOOKUP関数」は、1列目のデータを基に検索を行い、指定された列の情報を返します。
=VLOOKUP(検索値, テーブル範囲, 列番号, [検索方法])
例えば、商品コードから商品名を調べる場合、1列目には必ず商品コードを入れます。
3. フィルターやグラフは「連続したデータ範囲」を対象にする
Excelでは、連続したデータ領域を「表の範囲」として自動認識します。
たとえば、データが入力されているセルにカーソルを置いて Ctrl+A を押すと、そのデータ領域全体が選択されます。
あるいは、グラフを作成したり、オートフィルターを適用したりする際も、選択しているセルを基準にデータ範囲が自動的に選択されます。
A1からD10までデータが入力されている表があるとします。
A5のセルにカーソルがあると、A1からD10までの範囲が自動的に選択されます。
このときに、空行が入っているとうまく範囲が選べていないことがあります。
たとえば、オートフィルターを使って特定の商品だけを表示しようとしても、空行より下のデータが表示されなくなってしまう可能性があります。
![フィルターやグラフは「連続したデータ範囲」を対象にする](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2020/09/instructor-m.png)
この問題は手動で範囲を選択すれば回避できます。
ただし、けっこう「うっかり」の原因になります。
3-1. シート内のセル範囲(UsedRange)
VBAマクロによって、シート全体を処理したい場合があります。
そのときに使うのが、UsedRange
。
表の中で実際にデータが入っている範囲を自動的に認識してくれます。
データの集計や分析をするときに、必要な範囲だけを簡単に選択できるのです。
ただし、この範囲選択でも空行が入っていると意図しない結果になることがあります。
空行がない場合、UsedRangeの行数は最下段の行番号は一致します。
しかし、シートの先頭に空行があると、最下段の行番号とUsedRangeの行数が合わなくなってしまうのです。
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![シート内のセル範囲(UsedRange)](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2024/09/image-1-20240919-004118-1024x576.jpg)
(補足)
- 「集計することを前提に表を作ることがとても大事です。」 – Excel で表を作るときの鉄則 – oshigotono.com