- Googleから、2024年にアメリカの複数の州でプライバシー保護が強化されることに伴い、広告ターゲティングの制限に対応するという通知メールが届きました。
- ユーザーの同意なしに個人情報を使った広告ターゲティングが制限されるため、個人ごとにパーソナライズする広告は配信が制限されます。
- 今後は、個人情報を直接使わずに、興味関心が似たユーザーをグループ化し、そのグループに最適化された広告を配信する手法などが重要になってきます。
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個人に合わない広告しか出てこないのも厄介なのに……
1. 「Important updates regarding Restricted Data Processing control & Universal Opt-Out Mechanisms」
Google Ads(Google広告)からメールが届きました。
2024年、アメリカの複数の州でプライバシー法の規定が施行されます。
さらにユーザーのプライバシー保護が強化されることになります。
そのため、Google広告でも、ターゲティング広告の制限に対応することなります。
- 件名:Important updates regarding Restricted Data Processing control & Universal Opt-Out Mechanisms
(制限付きデータ処理制御とユニバーサルオプトアウトメカニズムに関する重要な更新)
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メールのポイントは、米国の一部の州でのプライバシー保護の強化による、パーソナライズド広告の規制に対応することです。
- ユーザーのプライバシー保護の強化
- オプトアウト機能の拡充
- パーソナライズド広告の制限
- プライバシーに配慮した広告手法の推進
今後は、プライバシーとパーソナライゼーションのバランスを取った新しい広告手法を模索していく必要性が増します。
広告主側でも、ターゲティング広告が規制されていく中で、プライバシーに配慮しつつ、効果的な広告を出稿するための「知恵」が求められます。
2. 「目の敵」にされるターゲティング広告
これからは、個人情報を使った広告の出し方に気をつけなければいけない、ということです。
米国の一部の州で施行される新しいプライバシー法に対応し、ユーザーのプライバシー保護を強化しています。
ユーザーの同意なしに個人情報を利用した広告ターゲティングを制限する動きがあります。
ユーザーが自分の情報を広告に使われたくない場合、「オプトアウト(拒否)」できる機能を拡充しています。
特にコロラド州では、ユーザーのオプトアウト設定をGoogleが直接受け取り、広告ターゲティングを停止する仕組みを導入しています。
すると、ユーザーのオプトアウトが増加し、個人レベルでパーソナライズされた広告の配信が制限される可能性があります。
もちろん、日本国内なら、アメリカの州法の影響は直接的には受けません。
しかし、この大きな流れと無関係とは言えません。
2-1. 規制により広告の費用対効果が悪くなる
広告主は、個人の好みに合わせていない、より一般的な広告を出すことになります。また、ユーザーが自分の情報を使わないでほしいと言った場合、これまで使えていた、ユーザーリストを使った広告出稿などができなくなってしまうかもしれません。
これらの変更により、広告主が入札対象とする広告枠は、よりジェネリック(汎用的)なものになります。
パーソナライズされた広告ほどピンポイントでユーザーにリーチできなくなるため、広告の効果が低下することが考えられます。
つまり、広告の費用対効果が悪化したりする恐れがあるのです。
3. 非個人情報化した「ゆるいターゲティング」
逆風の中、広告効果を高めるには、広告の出し方を変えていく必要があります。
つまり、個人情報を直接使わずに効果的な広告を配信する工夫が重要になってくるのです。
より多くの人に響く広告を考えていく道もありえますが、これは大変です。
しかし、ユーザーの「個人情報」を直接使わなくても、興味関心が似ているグループに最適化された広告を配信する手法があります。
「オーディエンス ターゲティング」や「インタレスト ターゲティング」などのように、例えば、「20代の女性向け」「ペットが好きな人向け」といった具合で広告対象を選ぶ方法があるのです。
広告主がユーザー層(オーディエンス)の条件を設定し、それに含まれるユーザーに対して広告を配信する手法です。
たとえば、性別、年齢、地域、興味関心などを条件として設定し、それに該当するユーザーグループに広告を表示します。
ユーザーの興味関心に基づいて広告を配信する手法です。
ウェブサイトの閲覧履歴や検索履歴などから、ユーザーの興味関心を推定し、それに合致する広告を表示します。
3-1. パーソナライズド広告との違い
グループに向けた広告とパーソナライズド広告の主な違いは、「個人を特定できる情報を使うかどうか」という点にあります。
パーソナライズド広告では、個人の行動履歴、検索履歴、購買履歴など、個人を特定できる情報を使用し、そこから個人の興味関心や属性を推定し、一人ひとりに合わせた広告を表示します。
つまり、個人レベルのデータを処理し、合致した広告を選択していました。
一方、「ゆるいターゲティング広告」では、匿名化された行動データや属性情報を使います。
広告選択でも、グループレベルで対象を選びます。
アルゴリズム的には、ターゲティング広告の方が個人レベルでの最適化が可能で、よりパーソナライズされた広告を出せる可能性があります。
しかし、プライバシーの観点からは問題視されました。
そこで、グループ向け広告は、個人のプライバシーには配慮しつつ、ある程度の広告の最適化が可能という利点があるのです。
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つまり、万人向けの汎用的な広告とパーソナライズド広告の中間にあるわけです。
3-2. どうやって個人情報を使わないでグループ分けするの?
個人を特定せずに閲覧者をグループ化には、「匿名化」や「非個人情報化」と呼ばれる技術を使って実現します。
- クッキー(Cookie)の利用:
ウェブサイトにアクセスした際に、個人を特定できないようなランダム生成された番号などをブラウザに保存して、識別に使います。たとえば、同じクッキーを持つ閲覧者を同じグループとみなすことができます。 - IPアドレスの匿名化:
IPアドレスの一部を削除したり、暗号化したりすることで、個人を特定できないようにします。たとえば、「192.168.1.1」という IPアドレスを「192.168.1.0」のように一部を0にすることで匿名化できます。 - 統計的ノイズの追加:
グループ化する際に、わざとランダムなノイズを加えることで、個人の特定を難しくする方法です。例えば、年齢などの情報を「20代」「30代」といった幅のあるカテゴリに分けたり、わずかにずらしたりすることで、個人を特定するのが難しくなります。
これらの情報を組み合わせると、直接は個人情報を使わずに、閲覧者の興味関心に基づいたグループ化をしていきます。
また、グループ化された情報は、個人を特定できない形で広告主に提供され、グループの特性に合わせた広告配信に利用されるのです。
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ふーん。
使っている情報はすべて「個人を特定できない」と。
でも、たくさん組み合わせると、だいぶ個人につながりそうな気はするけどね。
「アキネーター(複数の質問から誰かを当てるゲーム)」みたいな。
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