外国企業の情報サービスとどう付き合う?

外国企業の情報サービスとどう付き合う?
  • 中国に行くと、ふだん日本で使っているアプリが利用できなくて驚くことがあります。
  • これは中国政府が外国とのインターネット通信を制限しているからです。
  • その結果、中国国内では独自の情報サービスが普及しています。
  • 一方、日本や米国は、情報サービスを自由に提供できる一方、外国企業への依存度が高まりやすいという問題もあります。
外国企業の情報サービスとどう付き合う?

これは、情報流通の自由と国内産業の保護が絡み合う難しいテーマだよね。

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1. 外国企業の情報サービスを排除する仕組み

国が違うと「当たり前」が変わります。
日本で普及しているアプリでも、中国国内では使えなかったり制限されているものは多数あります1

LINE、Twitter、YouTube、Instagram、Facebook、Gmail、Wikipediaなどの外国企業のサービスは中国では使えない状況にあります。
その代わり、たとえば Googleの代わりに、百度(バイドゥ)という検索サービスが普及しています。

1-1. グレートファイアウォールとVPN

これは、「グレートファイアウォール」によるもの。
中国政府がインターネット上の情報を監視・遮断するシステムの俗称で、国民が見られるウェブサイトやサービスを制限されています。

Google、YouTube、Facebookなど、外国企業のサービスの多くが遮断の対象になっているわけです。

VPNを使えば規制を回避できる場合もありますが、中国政府は違法としています。

VPN

VPNは、インターネット上で自分のデバイス(スマホやパソコンなど)と別の場所にあるネットワークを、安全な通信路(トンネルのようなもの)で繋ぐ技術です。

グレートファイアウォールとVPN

いわば「抜け穴」になるわけです。

1-2. インターネット遮断の2つの目的

これらの規制には、主に2つの目的が考えられます。

  • 中国政府による情報統制と検閲
  • 国内の情報産業の保護

中国政府は、国内企業が提供する代替サービス(百度、微博、WeChat等)を推進し、情報の監視とコントロールを容易にしているとも考えられます。

さらに、中国のサービス規制は、国家安全保障上の理由(NSAやCIAによる情報収集を防ぐため)という見方もあります。

2. 個人のためか?社会のためか?

個人のためか?社会のためか?

中国政府の情報統制は厳しいように感じるけど、日本や米国での規制自体はあるよね。

そこには、違いがあるのかな?

中国政府による情報統制は、日本や米国での規制とは本質的に異なる面もあると言えます。

自由主義社会では、情報統制や規制の是非を判断するのに、表現の自由や情報アクセスの権利との兼ね合いを考えています。
日本や米国での規制は、国家安全保障、個人のプライバシー保護、知的財産権の保護などが主な目的とされています。

一方、中国は共産党の一党支配であり、言論の自由や情報の自由流通に制限があります。
中国の規制は、社会の安定と共産党の支配維持が主な目的であると考えられています。

ただし、

日本や米国でも、国家安全保障や社会秩序の維持を理由とした情報統制の動きがないわけではありません。

3. 情報インフラを外国資本に握らせること

中国では、外国企業のサービスが包括的に規制されています。
個々の情報発信でなはく、サービスに対して規制があるのです。

規制された外国サービスの代替として、国内企業のサービスが発展しています。
つまた、中国の規制は、外国企業の中国市場へのアクセスを制限し、国際的な情報流通に影響を与えています。

これまでの日本や米国の規制は、主に国内の特定の問題(例:フェイクニュース、著作権侵害、わいせつ物など)に対処するものが主でした。
規制によって外国の特定のサービスを締め出すことは稀でした。

しかし、

米国で Huawei や TikTokなどが規制されたように、米中対立で外国企業のアクセスを制限する傾向は強まっているようにも感じます。

3-1. 自国の情報サービスを育成するには?

では、日本は自由に海外サービスを利用できるからよいか、というと話はそう単純でもありません。

結果として米国などの海外企業のサービスに依存して、自国のサービスが開発できていないという問題点があるからです。

とくに情報は今や社会生活の基盤になっています。
これが、海外資本によって支配されていることに危機感を持つ人も少なくありません。

たとえば、YouTubeやInstagramなどのSNSでは、米国企業が投稿が「適切」かどうか判断していて、その基準はブラックボックスです。
言論空間を支配する大きな力になっています。

また、もっとも普及しているメッセージアプリであるLINEは、たびたび情報管理における海外企業との関係が問題視されています。

自国の情報サービスを育成するには?

行き過ぎたグローバリズムの問題点だね。

自由故にかえって不自由になってしまうジレンマなのかな。

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(補足)

  1. Erwinさん: 「皆さんが毎日使っている「LINE」は中国では使えないんですよ。 」 / X
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