- 最近、中国のショッピングアプリ「Temu」の広告が、SNSやGoogle検索でよく目につくようになりました。
- でも、広告の価格表示と、アプリ内の価格が違っていたりして、ちょっと混乱してしまいます。
- 実はTemuは、すごい額の広告費をかけていて、XだけでなくGoogleやMetaでも上位の広告主になっています。
- ただ、現状ではネット広告のチェックはあまり厳しくないので、広告だけを見て判断するのは禁物です。
1. バッグの広告かと思ったらアプリの広告
- SNS(X)を見ていたら、広告にTemuが出て来ました。
- 「バッグがこんなに安いの?」と思ってアクセスすると、アプリのダウンロードページに誘導されました。
よく見ると広告にも記載されていますが、「新規アプリユーザー限定」というもの。
つまり、Temuアプリの新規ユーザーを増やすための広告なのです。
SNS上の広告では¥133なのが、リンク先では「0円」と書いてあるんだよね。
価格表示としては混乱するね。
1-1. 価格はきちんと注文画面で確認する
Temuの価格表示は複雑です。
表示価格や割引率は、よくよく吟味して見る必要があります。
写真の商品の価格ではなかったり、割引前の「定価」が通常より高く設定されていたり、という場合が多いからです。
たとえば、「プロジェクターの価格と思ったら、スクリーンの価格だった」などという事例がありました。
しかも写真がプロジェクター本体で、価格は1番安いスクリーンとか、なんかズルいよそれ。ガッカリすぎる。
怪しいくらい激安な広告がよく出てくる中国発低価格EC『Temu(テム)』で買い物したら2連発でガッカリした | ロケットニュース24
これは、一つの商品ページに別の商品もセットになっていることが原因です。
基本的に、写真には人気の商品なのに、価格は最安値の商品になっているので、写真と価格が一致していないせず、誤解が生じるのです。
また、独自のルールがある点にも注意が必要です。
- 「最低購入価格」があるので、実際には「0円」では注文できない
- 割引クーポンの適用が総額ではなく商品単位 など
確認画面をよく見ずに焦って購入すると、利用者が 0円で買ったつもりでも、想定した価格以上の支払いになってしまうことが多そうです。
2. Temuの巨大な広告費
Temuは中国のショッピングアプリで、最近日本でも宣伝されるようになりました。
Temuの広告はGoogle検索やInstagramなど、さまざまな場所で目にします。
また、ネット広告だけでなく、テレビなどでも取り上げられることも増えています。
実は、Temuは多額の広告費を投じています。
2023年には MetaやGoogleにとって上位の広告主になっています。
多額の広告費の支払いによってTemuはMetaにおけるトップの広告主にまで成長し、2023年のMetaの中国事業の収益は、2022年の74億ドル(約1兆950億円)から136億9000万ドル(約2兆260万ドル)に急増しました。
さらにTemuはGoogleにも多額の広告費を支払っており、その結果2023年にはGoogleのトップ5の広告主の1つになりました。
中国の通販サービス「Temu」は広告に4400億円近くを費やしておりMetaではトップの広告主・Googleではトップ5の広告主の1つになっている – GIGAZINE
3. ネット広告のチェックは厳しくない
しかし、現在のところネット広告のチェックは、新聞やテレビなどに比べると、あまり厳密ではないです。
中には「詐欺広告」とも取れるようなものまで「野放し」になっていることも、しばしば問題になっています1。
ただし、広告ネットワークも放置しているわけではないようです。
実は、膨大な数の「不適切な広告」が削除されています2。
要は、出稿される広告が多すぎるのです。
ネット広告は、広告費を出せば比較的かんたんな審査で表示させることかできてしまいます。
だからこそ、よく見極める目が必要です。
(補足)
- 前澤友作氏が詐欺広告に公開抗議。なぜSNSの詐欺広告は放置され続けているのか。(徳力基彦) – エキスパート – Yahoo!ニュース
- Google、不適切な広告削除55億件 – Yahoo!ニュース